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  1. 長野市議会 2011-06-01
    06月17日-02号


    取得元: 長野市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-19
    平成23年  6月 定例会平成二十三年六月十七日(金曜日) 出席議員(三十九名)      第一番   西沢利一君      第二番   小泉栄正君      第三番   宮崎治夫君      第四番   寺沢小百合君      第五番   高野正晴君      第六番   小林治晴君      第七番   寺澤和男君      第九番   岡田荘史君      第十番   祢津栄喜君     第十一番   野本 靖君     第十二番   松田光平君     第十三番   清水 栄君     第十四番   中野清史君     第十五番   小林紀美子君     第十六番   加藤吉郎君     第十七番   小林義直君     第十八番   三井経光君     第十九番   町田伍一郎君     第二十番   小山岑晴君    第二十一番   丸山香里君    第二十二番   池田 宏君    第二十三番   布目裕喜雄君    第二十四番   池田 清君    第二十五番   佐藤久美子君    第二十六番   阿部孝二君    第二十七番   小林義和君    第二十八番   野々村博美君    第二十九番   原田誠之君     第三十番   宮崎利幸君    第三十一番   松木茂盛君    第三十二番   内山国男君    第三十三番   市川 武君    第三十四番   田中清隆君    第三十五番   赤城静江君    第三十六番   近藤満里君    第三十七番   小林秀子君    第三十八番   望月義寿君    第三十九番   石坂郁雄君     第四十番   塩入 学君 欠席議員(一名)      第八番   若林清美君 説明のため会議に出席した理事者  市長         鷲澤正一君  副市長        酒井 登君  教育委員会委員長   近藤 守君  教育長        堀内征治君  上下水道事業管理者  中村治雄君  監査委員       増山幸一君  総務部長       小林隆之君  企画政策部長     湯原正敏君  地域振興部長     篠原邦彦君  財政部長       山澤謙一君  生活部長       西沢昭子君  保健福祉部長     寺田裕明君  環境部長       水野守也君  産業振興部長     樋口 博君  建設部長       倉澤 孝君  都市整備部長     原田広己君  駅周辺整備局長    吉田 康君  会計局長       倉島武治君  保健所長       小林文宗君  上下水道局長     小山和義君  消防局長       池内公雄君  教育次長       酒井国充君  教育次長       中村正昭君 職務のため会議に出席した事務局職員  事務局長       駒津善忠君  議会事務局次長兼             小林 博君  議事調査課長  議事調査課長補佐   飯島康明君  係長         高野 毅君  主査         飽田 学君  主査         宮沢 彰君  主査         楢本哲也君  係長         水澤宏夫君  係長         中村元昭君  総務課長       小川一彦君  総務課長補佐     西沢真一君  係長         野池達朗君議事日程 一 一般質問(個人)   午前十時 開議 ○議長(三井経光君) ただ今のところ、出席議員数は三十九名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の欠席通告議員は、八番林清美議員の一名であります。 この際、諸般の報告をいたします。 去る六月十五日、東京都で開催の第八十七回全国市議会議長会定期総会において、二十年以上議員の職にある者として三井経光、十五年以上議員の職にある者として岡田荘史議員、祢津栄喜議員、小林義直議員、十年以上議員の職にある者として小林治晴議員、佐藤久美子議員の各位が表彰されましたので、ここに心から祝意を表し、御報告申し上げます。 日程に従い、市行政事務一般に関する質問に入ります。 発言の通告がありますので、順次質問を許します。 十三番清水栄議員   (十三番 清水 栄君 登壇) ◆十三番(清水栄君) 十三番、新友会清水栄でございます。 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が日本全体に大きな被害をもたらしてから三か月が経過、今後、日本経済と国民の生活がどうなっていくのか、全く先の見えない状況が続いております。製造業の供給能力低下、非製造業の各分野での停滞と雇用調整など、経済の大混乱により本年一月から三月期の実質国内総生産はマイナス三パーセント超と見込まれ、四月から六月期におきましては、更に大幅な減少が見込まれております。 さらに、中央政治の混迷は、大震災からの立ち直りを目指す経済や国民生活に暗い影を落としております。また、公債特例法案並びに第二次補正予算等の成立の見通しも立たず、経済の復興、国民生活の安定に悪影響を与えております。 このような状況の中で、長野市民の生活が今後どうなるのか、長野市の経済や財政にどのような影響が予測されるのか、併せて今後の財政運営の基本姿勢について市長並びに理事者の見解を伺います。 まず初めに、東日本大震災による長野市内における市民生活及び経済的影響を現状においてどのように把握しているか、市民の日常生活への影響について伺います。 五月の長野市消費者物価が前年同月比〇・六パーセント上昇、三か月連続で前年水準を上回ったとか、また原発事故による風評被害に戸惑いがあり、さらに毎日のように報道されている空間放射線量、降下物の放射線物質とか、長野市東部浄化センターから出た脱水汚泥と焼却灰から放射性セシウムや放射性ヨウ素が検出されたという事象が市民生活にどのような影響を与えているのか、更に将来何か問題が残るのかどうか、市民に分かりやすく説明する必要があるのではないか、見解をお伺いいたします。   (十三番 清水 栄君 質問席へ移動) ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 市民の日常生活への影響について、お答えをいたします。 空間放射線量や降下物の放射性物質濃度は、長野県が市内安茂里の環境保全研究所において精密な測定を行い、その結果を毎日ホームページや新聞で公表しております。それによりますと、空間放射線量は、事故発生後、三月十五日に一時間当たり〇・一〇七マイクロシーベルトを記録しましたが、その後は急激に減少し、現在では平成二十二年度の平均測定値と比較しても、ほとんど差のないレベルまで下がっております。また、一日に上空から降下したちりなどを採取・分析した放射性物質濃度は、半減期が八日であるヨウ素百三十一というんだそうですが、が検出された三月二十三日を除き、検出されておりません。 これらの測定結果から判断しますと、今回の原発事故に伴う放射線は、現状では市民生活に影響を与える状況にはないものと考えております。 次に、放射性物質が検出された東部浄化センターの脱水汚泥と焼却灰につきましては、脱水汚泥を焼却し、再利用のため焼却灰をセメント製造事業者に処理委託しておりますが、福島原発事故以降、事業者が受入れを停止しているため、五月十七日から焼却灰は飛散しないよう袋詰めをして敷地内建屋に保管しております。昨日、国から処分基準が示されましたが、まだ詳細な内容が示されておりませんので、情報収集とともに受入先と協議をしてまいります。 なお、東部浄化センター敷地内の空間放射線量を毎週、長野県生活排水課で測定しており、その値は市街地と同程度--一時間当たり〇・〇六から〇・〇七マイクロシーベルトであり、保管による市民への健康影響はないと考えております。 長野市保健所及び保健センターでは、市民の皆様からの健康不安にお答えするため、健康相談をお受けしております。三月の大震災以降、放射性物質に関する相談は、六月十日現在で六十三件あり、このうち三月中に四十二件の相談がありました。 相談内容は、乳幼児への影響、水道水や飲食物に関するもの等であり、厚生労働省や県からの放射線に関するマニュアルに基づき、保健師等が健康に影響がないことをお答えするとともに、必要に応じて、県や国が紹介している専門研究機関を御案内しております。 現時点では、市民の健康への影響を与えるおそれがないことから注意喚起等の広報は行っておりません。しかし、事故の収束が長期化することが見込まれますので、今後も測定結果や国、県などの情報を注視し、長野市ホームページ等で最新の情報を公開するとともに、健康被害が生じるおそれのある場合には、速やかに市民に周知するよう努めてまいります。 以上です。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 市民の生活、健康第一でございますので、よろしくお願いいたします。 次に、長野市経済、特に市内の地元企業に与える影響と対策について伺います。 長野県経済の動向は、一部業種、例えば金属工作機械とか電子部品とか精密機械など、これらの業種においては一部持ち直しの動きも見られますが、建設投資関係、これもですね、公共工事補償請負額が前年水準を上回っているということで、幾らか明かりがあるなと。しかしながら、公共職業安定所別の有効求人倍率は篠ノ井と長野におきましては、県内では比較的高いけれども、依然として低い水準で推移しております。 また、個人消費では、自動車販売が三、四十パーセントも前年比で減少している。大変低調であります。また、建設業界でも一部中小の業者におきましては、資材が不足していることから思うように仕事ができないなど大変経営状況が厳しくなっております。 本市として、地元中小企業の現状をどのように実際に把握しているのか、またその支援策はどのように考えておられるのか。大震災による影響を受けながらも、公共事業に支えられている事業分野もあることから、公共事業についてはですね、長野市外からの調達は最小限にして、できるだけ地元企業に発注し、地域産業を支援するということを明確に市としてアナウンスする必要があると考えますが、見解を伺います。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 本市として、地元中小企業の現状をどのように把握し、その支援策をどう考えているかについてお答えをいたします。 本市では、震災後から長野商工会議所、長野市商工会、長野県信用保証協会や各金融機関などから、市内中小企業への影響について情報収集に努めてまいりました。その主なものは、取引先の被災、あるいは製品、原材料の入手不足、サプライチェーンの寸断などによる建設業、製造業の生産の落ち込み、また自粛ムードの影響による飲食業や宿泊業の落ち込みの他、物流の減少に伴う運送業への影響、各種イベント中止によるイベント業や印刷業への影響など、震災による影響が様々な業種に出ております。 特に、宿泊のキャンセルなど直接的な影響が大きかった観光事業者を支援するため、長野市、長野市ホテル旅館組合、長野商工会議所ながの観光コンベンションビューローなどから成る長野市観光情報交換会を開催したところでございます。また、国が新たに創設をいたしました東日本大震災復興緊急保証を利用される中小企業を対象に、現在の長野市融資制度に新たに最も低利な利率となる東日本大震災緊急支援資金を創設し、六月二日から取扱いを始めました。 今後も長野商工会議所等の関係する機関と連携を密にして、情報交換等に努め、震災で影響を受けた中小企業に対する支援を講じてまいりたいと考えております。 次に、公共事業の地元企業への発注についてお答えをいたします。 本市が発注する公共事業につきましては、地元事業者への発注を基本としており、原則として一般競争入札の入札参加者を市内本店事業者とする他、指名競争入札では、工事の設計金額に応じて格付けされた事業者を選び、次に地理的条件として、工事場所の近隣の市内本店事業者を絞り込み、技術者の状況や技術的適正などを総合的に勘案して選定しており、工事内容等が地元事業者では施行できない特別な事情のない限り、地元事業者への発注を基本としているところでございます。引き続き公共事業につきましては、地元事業者への発注を基本として適正に行ってまいります。 以上です。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 中小企業の融資関係並びに発注、よろしくお願いいたします。 次に、中部電力の電力供給の見通しと対策について伺います。 県の省エネルギー・自然エネルギー推進本部は、浜岡原子力発電所の運転停止を受け、県内経済界と連携して節電対策を進めるとしておりますが、その後の具体的対策はどうなっているのでしょうか。また、上越火力発電所から豊野にある新北信変電所を経て送電するとの報道もありますけれども、市内の夏場の電力供給の見込みはどうなるのでしょうか。市内の地元企業の中でも、常時空調を必要とする製造業などについては、仮に一時的にも停電しますと、生産活動が停止してしまうということで、大変厳しい状況に陥る可能性があります。この問題について、どう取り組んでいかれるのか、見解を伺います。 ○議長(三井経光君) 水野環境部長   (環境部長 水野守也君 登壇) ◎環境部長(水野守也君) お答えを申し上げます。 長野県では、浜岡原発の全面停止を重く受け止めまして、省エネルギー・自然エネルギー推進本部を設置して、県内の多様な主体が参画する県民総ぐるみでの前向きな節電・省エネ対策に取り組んでおります。 先月、さわやか信州省エネ大作戦と銘打ちまして、経済四団体との意見交換会を実施するとともに、一昨日ですが、開催されました十三団体が参加いたします長野県節電・省エネ対策連絡会議におきまして、企業の業態に応じた節電・省エネ対策の実施、大規模事業者への対策の呼び掛け、プレミアムエコポイント事業の実施や夏季休暇の分散化、長期化の促進等が決定されまして、具体的な取組が始まると聞いております。 次に、夏場の電力供給の見込みと停電に伴う生産活動への影響についてでございますが、中部電力としては長期停止している火力発電所の活用や火力発電所の定期点検時期の見直し等によりまして、発電量の積み増しを行う中で、供給余力に余裕を持たせようと対策を講じているとのことで、停電までは現時点では想定していないということでございます。 しかしながら、議員さん御指摘のように万が一停電となりました場合には、企業の事業活動や経済活動に及ぼす影響が甚大でありますことから、本市といたしましても、一事業者として従来の取組を更に強化して、昼休み時間帯の繰下げなどのピーク時節電に努めますとともに、事業者に対しましても、オール長野でピーク時節電のキャッチフレーズの下、各事業所で実施していただける具体的な節電について呼び掛けるため、現在、企業訪問を行って、協力を要請しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 幾らか安心いたしましたが、とにかく節電は大いにやるべきではございますが、停電だけは特にないように御配慮いただきたいと思います。 次に進みます。東日本大震災と地方財政について伺います。 国は本年度公共事業予算の配分について、被災地の復興財源に充てることを念頭に、自治体事業を補助する社会資本整備総合交付金を全国一律で五パーセント留保するとか、本年度の第一次補正予算編成過程で復興財源に振り向けるために、学校の耐震改修費が圧縮されると報道されましたが、その後の国の動向と本市財政への影響を伺います。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) 国は、東日本大震災での甚大な被害を踏まえ復興財源の確保のため、平成二十三年度予算の執行に当たり公共事業・施設費において五パーセントをめどに執行を留保し、被災地への事業の重点化を図るとの方針を打ち出しました。 お尋ねの社会資本整備総合交付金について、本市への交付額は要望額に対しまして、総計でマイナス二十三・五パーセントの内示となっており、従来の旧地域活力基盤創造交付金と市街地整備分野の都市公園事業において、特に交付額が大幅に減額となっております。しかしながら、どこまでが震災による影響と見るのかその判断は甚だ難しく、むしろ本年度においては、年々国の財政事情が厳しさを増す中で、十分な予算額の確保が困難となってきていることが、交付額の減の主な要因ではないかと推察するところであります。 いずれにいたしましても、国の補助対象事業費の減額を受けまして財政的措置といたしましては、次年度へ送れるものは送るなど、予算の範囲内で事業内容を調整いたしまして、今後の事業進捗に大きな支障が生じることのないよう十分に配慮しつつ、適時適切な対応を図ってまいります。 また、国の学校の耐震改修費につきましては、今年度の政府予算編成後、全国の自治体から相次ぐ計画の増要望によりまして、予算額が不足することとなりました。一部要望に応じられない旨の報道がございましたが、その後、国は地方の要望に応え、第一次補正予算におきまして不足額の予算化を図ったことから、本市が今年度予定しております小・中学校の耐震補強・改修事業に係る国からの交付金につきましては、おおむね所要額を確保できる見込みであり、計画的、着実な事業の推進が可能となっているところであります。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 小・中学校の耐震化は特によろしくお願いいたします。 次に、地方交付税について伺います。 財務省は、東日本大震災の復興財源確保のため、地方公務員の給与に充てる地方交付税を十パーセント削減する方針と報道されておりますが、新型交付税の導入もあり、地方交付税の算定の基礎となる基準財政需要額が減額されることになるのか。また、合併特例債等市債の償還に係る交付税措置について、国のその後の動きと今後の見通しについて伺います。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇)
    ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 財務省が復興財源の確保のため、地方公務員の給与に充てる地方交付税を十パーセント削減する方針との報道がありました。これに対しまして片山総務大臣は、地方公務員の影響についてはしゃ断すると発言されるとともに、各自治体が実情を踏まえ判断すべきこと、財政面で追い込むと結果的に国と同じことを一律に強制したことになるとの発言が報道されました。 そして、今月三日、政府は地方公務員の給与に関しまして、地方交付税の交付額の減少や義務教育費国庫負担率の引下げを手段とすることを含め、国家公務員給与の引下げと同様の引下げを地方公共団体に強制することは考えていないとする決定をしており、御懸念されるような地方交付税への影響はないものと考えております。 次に、合併特例債等の償還に係る国の交付税措置につきまして、国の動きと今後の見通しにつきましてお答えをさせていただきます。 国において、今回の東日本大震災における復旧・復興財源の確保に向けて鋭意検討を行っている最中でございますが、現段階で合併特例債を初めとした市債償還に係る交付税措置の見直し論については、聞き及んでございません。従来より地方自治体では、市債の交付税措置を前提として計画的なインフラ基盤の整備を進めてきたもので、地方自治体にとりまして必要かつ重要な財源の確保となっており、取り分け過年度分に係る制度の見直しに伴う影響は極めて多大であると言わざるを得ず、その可能性は低いものと思慮いたします。 今後とも合併特例債を初めといたしまして、交付税措置のある有利な起債の有効活用を図ることによりまして、本市の健全な財政運営に資するものとしてまいりたいと考えております。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 市債の償還についての交付税措置が継続されるようでございますので、これから大きなプロジェクトを控えて本市としては、まあまあよかったなと、こんな感想でございます。よろしくまたお願いいたします。 次に、こういう状況の中で、本市の本年度平成二十三年度の市税収入の状況、特に個人はともかく一年ずれますが、会社企業関係の税収はどうなっているのか、状況をお伺いいたします。また、今後の見通しについてはどういうふうに思っておられるか、お願いいたします。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 本市の平成二十三年度の市税収入についてでございますが、この五月末時点での調定済額等と今後の収入見通しについてお答えいたします。 初めに、五月末の主な市税の調定済額の状況について、前年度同時期と比較いたしますと、個人市民税では平成二十一年からの厳しい所得環境を引きずった影響で、九十九・三四パーセント、法人市民税は一部の事業所の閉鎖がございました影響で、九十五・八七パーセント、また固定資産税と都市計画税につきましては、地価の下落を主な要因といたしまして、九十九・五八パーセントという状況でございます。また、五月末の市税収納率といたしましては、前年同時期よりも〇・二三ポイントのマイナスとなってございます。 今後の収入見通しについてでございますが、平成二十三年度がスタートして間もない現時点で見込むことは困難な状況にございます。 いずれにいたしましても、今後、東日本大震災を起因とした経済への影響も懸念されますが、課税客体の適正な把握と収納の強化に努めまして、市税収入の確保を図ってまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 平成二十三年度は始まったばかりですから、しかしながら、四、五月については、まあまあそこそこの数字だということで安心いたしました。 次に、今後の長野市財政運営の基本姿勢、こういう情勢を踏まえてその基本姿勢についてお伺いいたします。 本市財政の現状と平成二十一年度決算についてでございます。本市の総務省版決算カードに基づく平成二十一年度普通会計歳出比較分析表によりますと、人件費に係る経常収支比率が類似団体と比較して低くなっているが、ごみ収集運搬の委託、指定管理者制度の導入によるもので、今後も市行政改革大綱によって民間委託推進や職員数削減に取り組んでいくこととしているが、この前十二月議会でお尋ねいたしました支所の担当業務、支所庶務規則に基づく職員配置等についてですね、見直しをするということでございましたが、現在までの進捗状況をお伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) お答えいたします。 支所業務につきましては、先月五月に関係課による検討組織を立ち上げまして、支所における行政サービス、それから地域の実情に応じました行政支援の在り方について検討を始めております。具体的には、支所に必要な窓口サービス、各支所間の取扱業務の平準化、災害時対応、住民自治協議会との役割分担及びその支援などの視点から課題を整理するとともに、支所機能や権限を含め見直しの方向性について検討を行っているところでございます。また、地域での災害発生時に迅速な対応ができますよう支所支援職員の十分な確保なども併せて進めております。 なお、検討に当たっては、合併などこれまでの経過や市民サービスの確保に配慮しつつも地域間での公平性、効率的な行政運営の実現といった観点も必要であると考えております。 いずれにいたしましても、支所業務の見直しにつきましては、議会や住民自治協議会など、市民の皆様の御意見等もお聴きしながら、慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 検討していただいているということでございますが、要望といたしましては、住民自治協議会と一体となって地域のまちづくりができるような体制を組んでいただくよう、是非お願いいたします。 次に移ります。 公債費に係る経常収支比率が高くなっているのは、長野冬季オリンピック時の地方債の償還によるもので、今後、大規模プロジェクト事業の本格化により市債残高の増加が見込まれるが、新規発行額を抑制し、公債費は減少するものと見込んでいる。しかし、一方、普通建設事業費は学校耐震化など、大規模プロジェクトが本格化することから、平成二十六年度までは更に増加する見込みとしておりますが、これらの整合性はとれているのかどうか、お伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 議員さん御指摘の普通会計歳出比較分析表における今後の市債残高や公債費、普通建設事業費の推移の見込みは、本年三月に策定いたしました平成二十三年度当初予算に基づいた長野市の財政推計によるものでございます。小・中学校耐震化事業の他、庁舎・市民会館建設事業や斎場新設事業などの本格化に伴い、大規模プロジェクト事業を中心とする普通建設事業は、平成二十六年度までは漸次増加する見込みであり、これと連動する形で財源となる市債の借入額も増加していく見込みでございます。 この間、大規模プロジェクト事業以外の普通建設事業を一定程度抑制し、できる限り市債の借入れを抑える努力はするものの、元金償還額を市債借入額が上回ることになり、その結果、市債残高も増加する見込みとしているものでございます。 しかしながら、元金の償還は通常据置期間を三年としていることから、例えば平成二十二年度の事業の市債借入れは事業費確定の平成二十三年度五月に行い、その元金償還が始まるのは平成二十六年度からで、借入れと償還の時期に時間的ずれがございます。加えて、過年度の長野冬季オリンピック時の多額の借入れに伴う償還が平成二十六年度から徐々に減少し、平成二十九年度に完了することから、ちょうど長野冬季オリンピックと大規模プロジェクトの償還が入れ替わる形となりますので、大規模プロジェクト事業の本格化で普通建設事業費や市債残高が一時的に増えましても、公債費については平成二十三年度予算額を超えない範囲で、今後減少傾向で推移していくものと見込んでいるところでございます。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 分かりました。要するに、長野冬季オリンピック時の償還が平成二十九年度で済むということで、平準化できるということで、これも安心したところでございます。 次にですね、財政指標についてお伺いいたします。 財政健全化判断比率の四指標は、いずれも早期健全化基準や財政再生基準を大幅にクリアしておりますが、経常収支比率、これが八十八・五パーセントということで、財政が硬直しているというふうに指摘されておりますが、ということで、市としては、更なる行政改革を必要としていると、こういうことでございますが、担当部局として、本市の財政状態を総体的にどのように評価しておられるか、お伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 本市の財政状況でございますが、判断材料の一つである財政健全化判断比率については、四指標ともに国の定める基準を大きく下回り、問題のない数値となっております。経常収支比率につきましては、一般的に七十パーセントから八十パーセント程度が妥当とされる中、本市の二十一年度決算数値は八十八・五パーセントと上回ってはおりますが、中核市平均は九十二・二パーセントで、他市との比較において、必ずしも不健全な状態にないものと考えております。 一方、本市の市債残高でございますが、平成九年度末のピーク時、千九百二十一億円から事業の選択と集中を図り、可能な限り借入れを抑制してきたことにより、二度の合併で町村の残高を引き継いだものの、平成二十一年度末で千四百四十億円とピーク時から四百八十一億円余りを減少させるとともに、平成二十二年度末では更に六十億円の縮減が図られ、千三百八十億円程度となる見込みでございます。 また、財政調整等三基金の残高は、平成二十二年度におきまして予定していた十三億円の取崩しを行わないことで済みましたことから、運用益を加えて二百二十二億円余りとなる見込みで、さらにながの夢応援基金及び過疎地域自立促進基金を新たに創設するなど、平成二十二年度末の一般会計全体では、前年度比二十三億円余り増の三百七十三億円程度となる見込みでございます。 現在の本市の財政状況については、今後の大規模プロジェクト事業の本格化などに耐え得る着実な備えが図られており、健全な財政状況を維持できているものと考えてございます。 引き続き「入りを量りて出ずるを為す」の基本理念の下、将来にわたって必要かつ安定した市民サービスの提供を可能とする健全財政の堅持に努めてまいります。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 今、財政部長の指摘のとおり財政指標はですね、中核市の中で見ても、なかなかいいところにいるなと、部長も市長のお考えのとおり「入りを量りて出ずるを為す」ということで、大変長野市の姿勢を早くも体得されたなと、こういうことではございますが、しかし大変財政事情はしっかりしておりますので、積極的運営をお願いするものでございます。 ところで、財政改革プログラムは平成十八年度から平成二十二年度の五年間ということで、一応のゴールになったわけでございますが、もちろん決算まだ確定しておりませんが、財政構造改革プログラムの目標は達成できそうか、あるいはできたかどうかの御判断がもしありましたら、お伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 御質問でございますが、現在、プロジェクトを平成二十二年度にございましたものを引き継いで、平成二十三年度以降の財政健全化を目指して努力しているところでございますので、今後の推移を見守っていただきたいと思います。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 平成二十二年度決算まだ出ておりませんから、これもやむを得ないことだとは思います。財政の状況がやはり努力してよかったらですね、できるだけ事業は前倒しで推進するんだと、こんなような考え方も是非また部長、持っていただきたいと思います。 次に、公会計制度の改革について伺います。 長野市財政構造改革懇話会提言の冒頭で、この提言が市の行政サービスと財政の在り方について市民一人一人が現状を見直し、将来を考えるための契機になることを期待すると述べております。そのためには、市民に対して財政資料を分かりやすく提示しなければならないと思います。そこで提案いたしますが、一つは、複式簿記の導入と経常収支と資本収支の区分についてであります。 現在の財政資料で一番分かりにくいのは、経常的な収入・支出と、資本的な収入・支出を現金主義によって混在されていることであります。そこで提案しますが、経常支出、例えば人件費、物件費、扶助費、市債利子等が経常収入、例えば地方税、使用料、手数料、交付税、譲与税等でどの程度調達されているかを明確にし、また一方でですね、資本支出--建設事業費、市債償還元本、基金積立額等と資本収入--市債発行額、財産売却収入、資本的補助金、経常収支の余剰額等の対応も明確にした財務資料を作成することができないか。 これによってですね、市民の負担関係も分かりやすくなり、公共投資に係る財政の透明性も増すことができるのではないかと考えますが、見解を伺います。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 公会計制度の改革として、国が進めております新公会計制度につきましては、現行の単式簿記、現金主義会計方式を補完するため、複式簿記の考え方に基づき財務書類を作成、公表するもので、本市においても、平成二十一年度から国の指針に沿って、複式簿記の手法を用いた財務書類の作成、公表を行ってきております。 経常収支と資本収支の内容につきましては、当該財務書類の中で一定程度お示しをしているところでございますが、議員さん御指摘のとおり、公表しております財務書類は専門用語や数値の羅列等が多く、今後とも改善していく余地があるものと考えております。 一つの案といたしましては、土地勘定を外した貸借対照表を作ることも手法の一つではあろうかと考えておるところでございます。 なお、本市においては、複式簿記の導入の前提となる市有資産の時価評価が完了していないことから、現状では直ちに日々の会計処理を複式簿記で行うことが難しい状況にございます。 このような状況から、現段階におきましては将来の複式簿記への移行も視野に置きながら、まずは市有資産の時価評価を進めるとともに、市民の皆様に分かりやすい財務書類の公表に努めてまいります。併せて国が平成二十二年九月に設置し、検討を進めている今後の新地方公会計の推進に関する研究会の動向及び先進市の事例などの情報収集を図りまして、財務書類の作成、公表の改善につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) それで部長、一つ提案しますが、確かに連結ではよくやってあるんですよ。具体的に言いますと、普通会計でやっていますが、できれば普通会計はもちろん全国共通でいいんだけれども、長野市としては、やっぱり一般会計についてですね、行政コスト計算書と純資産変動計算書、これを合体しまして、なおかつ性質別、例えば経常行政コストが項目はここへ出ていますが、できればここへ性質別歳出項目を入れてですね、それで収支計算書を作ると、これは企業の人にもよく分かるし、一般市民にも大変分かりやすくなると思うんですが、その点はいかがでしょうか。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 今ほど議員さんの方から財務処理の見直しにつきまして、御意見、御提案を頂いたところでございますが、私どもといたしましては、国が検討を始めております今後の新地方公会計の推進に関する研究会等での動向等も見据えながら、今後の長野市としての在り方につきまして考えていきたいと思っております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 分かりました。 それで、その次の質問の一般会計、特別会計、企業会計の連結においても同じようなことをお願いするということで見解を伺うことにしておりましたが、今のことで大体分かりましたんで、一緒にまた検討していただきたいと、こういうことでよろしくお願いいたします。とにかく市民によく分かるように、素人が分かるように、そういう財務処理を出さないと、予算が非常に難しくなってしまうと、そういうことでよろしくお願いいたします。 それでは、一つこの次に移りますが、予算執行の庁内分権化の推進について伺います。 予算執行に当たってですね、市民に最も近い位置にいる各事業部門の自由度を拡大し、予算の流用や入札差金の使用なども、その事業部限りでできるようにしたらどうか提案いたしますが、見解を伺います。 ○議長(三井経光君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 毎年度の予算執行方針におきましては、予算に定められた事業内容を変更する必要がある場合におきましては、必ず事前に財政課と協議をすることとし、財務規則で合議を義務付けております。入札差金につきましても、単独事業に係る入札差金は、原則として執行を認めないものとし、庁内に周知をしているところでございます。 これらの措置は、予算に計上されたもの以外の不要不急な事業への安易な充当や予算の使い切りといった意識の排除など、適切な予算執行の確保を目的として定めているものでございます。 また、入札差金は予定した事業を実施した結果として生じたもので、当初事業の所期の目的は達成されておりますので、原則としてその執行を保留し、年度末の決算における全体調整の中で財政調整基金等の取崩しの縮減や次年度への繰越金の財源などに充てることによって、将来の安定した財政運営に資するものとさせていただいております。 なお、これまでも年度途中に発生したやむを得ない事情のある増工や関連事業に要する経費につきましては、財政課との協議の上、弾力的に流用や入札差金の執行を認め、適宜必要な対応を行ってきているところでございます。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 庁内の扱いはよく分かりますけれども、やはり財政部がポイントを握っているような感じ、今の話でも受けますんで、どうか各事業部が躍動して仕事ができるようにですね、予算の面からも配慮していただきたい、それを要望して一応終わりにいたします。 最後に、今後の財政運営についてお伺いいたします。 長野市財政構造改革懇話会の共通認識としてですね、単に財源が不足するから歳出を切り詰めるということではなく、社会の変化を踏まえて行政と市民が協働して地域社会を作っていくことが大切であり、社会と市の政策や財政との間に生じたずれを埋めていくことだと述べておりますが、この方針に変わりはないかどうか、見解を伺います。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 平成十七年十一月に長野市財政構造改革懇話会で提言されました市民と行政との財政に関する議論等について、単に財源不足を理由に歳出を削るのではなく、多様化する市民ニーズに対して、行政が担うべき範囲と民間にお任せする範囲のずれの解消や受益者負担の適正化などに向け、努力していくという方針でございます。これに変更はございません。 本市では、係る提言を具体化するため、平成十八年二月に財政構造改革プログラムを策定し、行財政改革に鋭意取り組んできたところであり、健全財政を目指しながらも、市民生活の向上に必要な各種の施策を積極的かつ計画的に実施してきております。今は、行政が全てを担える時代ではありません。市民と行政が対等の協働関係を作り上げ、それぞれの地区の住民ニーズや特性に配慮しつつ、共に豊かなまちづくりを進めていくべき時代であると考えております。 そのために、私は地域のまちづくりを地域住民の皆様が主体的に決定し、それを行政が一体となって支えていく仕組みである都市内分権への取組に力を注いできたところでございます。 地域の皆様の御尽力により、三十二地区全ての地区に住民自治協議会が設立され、自分たちの地域は自分たちでつくるという機運が徐々にではあれ、着実に高まってきていることを実感し、大変うれしく思っている次第でございます。 財政構造改革プログラムに掲げた改革の理念は、長野市行政改革大綱に引き継がれ、行政改革大綱実施計画において進行管理が図られているところでございます。 今後とも引き続き将来にわたって安定した行政サービスが提供できるよう、行政改革大綱等に沿って市民の皆様の理解と協力を得ながら、行政との協働による地域社会の活性化に向けて、更なる取組にまい進してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 清水栄議員 ◆十三番(清水栄君) 今後の財政運営については、大変堅実な答弁を頂きました。この議会のですね、市長の議案説明要旨にもございましたが、所要財源を確保し、所期の目的を達成すべく、適宜適切に予算を執行し、国の動向等を見ながら地域社会の活性化と住民福祉の向上に努め、安定した市民サービスの提供と健全財政を堅持するとしておりますが、私は一つお願いがございまして、地域社会の活性化と住民福祉の向上のためにですね、この二つの方針に加えて市財政を積極的に運用してですね、地域経済における需要創出、景気の下支えと雇用の確保を付け加えていただきたいということでございます。どうかその趣旨を酌み取りいただいて、財政運営をよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わらせていただきます。 ○議長(三井経光君) 二十六番阿部孝二議員   (二十六番 阿部孝二君 登壇) ◆二十六番(阿部孝二君) 二十六番、日本共産党阿部孝二です。市民が主人公の市政、福祉・教育の充実、営業と暮らしを守る立場から質問しますので、明快な答弁をお願いします。 初めに、東日本大震災、原子力発電災害、長野県北部、栄村を中心とした災害について、鷲澤市長の政治姿勢と関連質問を行います。 日本共産党長野市議団は、五月十日から十二日まで、宮城県石巻市と福島県南相馬市に市民の皆さんからお預かりした支援物資を二トントラックに積み込み、支援と激励及び被害状況を見てきました。私自身の思いは、地震と津波、原発事故、そして風評被害の四重苦を受けた被災者の皆さんがもとの生活に戻るため何をしなければならないか、考えさせられました。 石巻市の海岸沿いの被害は、想像を絶する状況でした。海岸沿いから数キロメートルのところは、津波の被害で全く建物が壊され、建物が建っていない。一部、魚市場など鉄骨だけになった地域、住宅街には壊れた住宅や二階に住めそうな家、町の中には一部営業し始めた食堂、事務所、スタンドなどがあり、瓦れきや廃車の残骸は海岸に近くなればなるほど一段と瓦れきの山になっていました。 住宅街の至るところにごみの山や積み残された処理し切れないで放置されています。工場の瓦れきを処理している人、住宅のごみを処理している人、商店の中を水洗いをしている人など、生活を取り戻す努力を痛感しました。 被災した住宅街に生活物資を届けるため、現地の案内人と市議団で物資お届け隊を作り、米、野菜、果物、肌着、靴下、座布団、傘など日常生活に必要な物資を用意し、ブルーシートに物資を並べ、半壊の住宅地でマイクを使い、支援物資の案内をしました。近所の人たちが誘い合ってきていただき、支援物資を受け取っていきました。 中には、お年寄りのひとり暮らしの家に直接お届けもしました。小さいお子さんを連れてくる二十代のお母さんから六十代の男性、女性が来て、軽トラックいっぱいの支援物資は、二、三十分でたちまちなくなる状況でした。早くもとの生活に戻れるようにしなければと強く思いました。 原発事故で避難し、通学している子供たちと学校の現状を調査してまいりました。 南相馬市の教育長さんや校長先生に話を聞いてきました。福島県南相馬市は小学校十六校と中学校六校、計二十二校があり、そのうち避難指示区域--半径二十キロ圏内及び屋内退避区域--半径二十キロから三十キロ圏内にあるため、三十キロ圏内の学校は使えず、三十キロ圏外にある四校と、公共施設の一か所に児童・生徒が通学しています。 私たち共産党市議団は、先生の案内で八沢小学校を見てきました。全校児童百二十人の学校に数校から来た三百二十人がすし詰めの中で勉強し、グラウンドは定期的に放射能の線量観測をしているため使用禁止、体育館を運動場に使っていました。食堂や廊下など、幅広いスペースを間切りにした教室を使い、げた箱が不足しているため廊下に並べ、先生が増え、職員室も不足し、廊下の空きスペースを利用し、先生の職員室に使っています。通学はスクールバスを時間差で二回運行し、給食センターは使えないので、簡単な炊き出しを行っていた。 原発事故で子供たちが不正常な環境で教育を強いられている中、それでも廊下で行き合う子供たちは元気な声で挨拶をし、大きな声で授業を真剣に受けている姿を見ればほっとすると同時に、原発への怒りを覚えました。一日も早く原発を収束しなければならないと痛感しました。 日本共産党は、全国から寄せられた六億円を超える義援金を東日本大震災と長野県北部、栄村を中心に被災された県、市町村、そして農協、漁業組合等の皆さんにお届けし、切実な要望も聴いてきました。 我が党の志位和夫委員長は、菅首相に復興への希望が持てる施策、原発からの撤退を求める政策提言・第二次を提出しました。 提案の内容は、一つとして被災者の生活基盤の回復を国の責任で行う。被災者の再出発できる生活基盤の住宅、就労、借金などの支援、農業・漁業・商工業者のマイナスからのスタートではなく、ゼロからの出発の債務凍結や減免、支援を行う。復興財源は大企業と高額所得者の減税の中止、不要不急の大型公共事業の中止、米軍への思いやり予算の廃止、政党助成金廃止、大企業の内部留保を復興事業に活用し、復興税を名目とした消費税増税は国民生活と日本の経済の活力を奪い復興を妨げるため中止を。 二つとして、原発災害からの救援、復興・復旧に果たすべき国の責任を明確にすること。危機収束と故郷に戻れる展望を政府の責任で示すこと。国の責任で被害、直接被害、風評被害への全面的で迅速な賠償を東京電力に実施させる。放射能被害への国民への不安に応える措置、命と生活を守る特別法の制定を行うこと。 三つとしては、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を区切ったプログラムの作成。今の原発技術は本質的に未完成で危険である。世界有数の地震・津波国の危険、安全神話への固執で深刻な結果をもたらしました。今こそ全ての政党や国民が力を合わせ、一日も早い復旧と復興、原発の収束が求められています。 そこで、鷲澤市長さんにお聞きします。東日本大震災の復旧・復興、再建、原発事故に対し個人補償、住宅再建、商工業、農業、漁業者の再建補償や財源問題についてのお考えをお尋ねします。 二つ目としては、原子力発電からの撤退を決断し、原発をゼロにし期限を区切ったプログラムの作成についてお考えをお聞きします。今の原発技術は本質的に未完成で危険であり、世界有数の地震・津波国の日本の原発は危険です。また、安全神話への固執で深刻な結果をもたらしたことについて、市長の考え方をお答えください。 次に、新潟県柏崎刈羽原発から長野市まで九十キロ、一たび事故が起きれば放射能汚染が心配です。市長は地元新聞社のアンケートに、原発政策の現状維持と答えて、原発の容認をしています。日本は地震と津波の国、使い捨て燃料棒の処理の方法はなく、原発の中止しか道はありません。停止、撤廃を言う首長もいます。認識を改める必要があります。お答えください。 これからのエネルギーは、自然エネルギーに切り換えていくべきです。市は新潟県より三百四十五時間も日照時間が長く、太陽光発電に適しています。長野市を自然エネルギーの先進都市にすることを提案します。答弁を求めます。 二番目に、原発からの撤退に関連してお尋ねします。 政府は、東海地震の想定震源地の真上にある中部電力浜岡原子力発電所の全面停止を要請し、中部電力も受け入れました。そこで、アとして、中部電力からの電力不足に対する市の対応や今後の自然エネルギー--小水力、木質バイオマス、太陽光発電などの計画について、またソフトバンクの孫正義社長の大規模太陽光発電構想の誘致についてお答えください。 イとして、市が実施している太陽光発電システム補助事業についてお尋ねします。 平成二十二年度は千四十二件、最大出量四千三百二・〇八キロワット、一基当たりの平均四・一三キロワット、平均設置費二百三十七万円、一キロワット当たりの設置費は五十七万五千円、市の補助金一億四千六百五十万七千円、国の補助金推定二億六百五十万円になり、二十一年度の二倍近い設置になっています。今後促進に当たって提案をします。 一つ目は、電力会社に対し家庭からの全量電気の買取要請について。二つ目には、長野県からの補助制度の創設の要請について。三つ目には、設置費用の貸付制度の創設について。市の水洗化ローン制度と同じように融資限度額三百万円、融資期間十五年、利子と保証料含め二パーセント、原資は市民債の発行などで賄うことについて、御答弁をお願いします。 以下は質問席で行いたいと思います。   (二十六番 阿部孝二君 質問席へ移動) ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 東日本大震災の復旧・復興等についての私の考えでありますが、今回の震災は正しく国家の根幹を揺るがすほどの国難と言うべき大災害であり、本市としても人的支援、物的支援等可能な限りの支援を続けていくものの、何よりも国が総力を挙げて強力な支援に取り組んでいくことが必要不可欠であると考えております。 国においては、幅広い見地からの復興構想について検討を行い、早急に所要の立法措置や切れ目のない予算化等を通じ、必要な対策を講ずることを切望するものであります。 原発事故に起因する財産的損害に対しては、国及び東京電力が責任を持って補償すべきものと考えており、また震災の復興等の財源問題については、国において様々な方法論が議論されているところであり、市といたしましては、国の動向を注視し、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、原子力発電に対する私の考えでございますが、原発が日本の発電量の約三割を賄い、我が国の国民生活、経済活動を支えているという現実を踏まえれば、まずは今回の事故の原因を徹底検証し、全ての原発に対する総点検と、あらゆる事象を想定した上での事故防止策を早期に実施すべきであると考えております。長期的に見れば、節電対策と原子力の代替エネルギーの活用を国全体できちんと検討していけば、将来的には停止できる原発も出てくるものと思っております。 しかし、現状の電力使用量を減らしていくことには限界があるとも思われ、全ての原子力を代替エネルギーに切り換えることができるかなど、将来にわたるエネルギー政策の在り方については、今後、国民的議論を尽くし、国全体で十分検討されなければならないことであると考えております。 なお、アンケートについてでございますが、質問が長期的視点か短期的視点かを明確にせず、単に原発の在り方を問うという、非常に悩ましい質問でありました。 私としては、原発の停止・撤廃は理想とするところではありますが、代替エネルギーの見通しが立っていない現状では現実的でないと考え、前段でも申し上げましたように、節電対策と代替エネルギーの活用を検討していけば、将来的には停止できる原発も出てくると思われるが、現状の電力使用量を減らすことには限界があると思うという理由を付して、また一部容認という選択肢もありましたが、一部という対象が不明確であるというコメントも付した上で、残りの選択肢の中から現状維持を選んだものであります。 なお、理由として付したコメントは、新聞では部分的な掲載にとどまっていたところでございます。 本市を自然エネルギーの先進都市にとの御提案については、私もこれまで自然エネルギーの利用には積極的に取り組んできたところであり、今回の原発事故を受けて、より一層太陽光や小水力、バイオマスを初めとするエネルギーの利用促進を図っていかなければならないと考えております。また、できるだけエネルギーの地産地消ができないか研究をしながら、豊かな自然と調和した自然エネルギーの先進都市を目指してまいります。 以上です。 ○議長(三井経光君) 水野環境部長   (環境部長 水野守也君 登壇) ◎環境部長(水野守也君) 私からは、電力不足に対する市の対応についてなど、六点にわたってお答えを申し上げます。 まず、電力不足に対する市の対応につきましては、中部電力浜岡原子力発電所の運転停止に伴い、電力不足が懸念されましたため、庁内の節電対策としてまず照明の間引き、ノー残業デーの徹底、クールビズ期間の延長などの取組を予定しておりましたところ、中部電力から夏季における市役所の節電依頼がございました。具体的には、七月から九月までの期間中、月曜日から水曜日までの午後一時から四時までのいわゆる電力需要ピーク時間帯に節電をお願いしたいというものでございます。 この要請を受けまして、更なる節電対策として、七月から九月までの三か月間を節電強化期間とし、昼休みの開始時間を午後一時からに繰り下げること。冷房運転の小まめな制御による温度管理、エレベーター運転基数の削減などに新たに取り組むことといたしました。この効果といたしまして、ピーク時に約二十五パーセントの更なる電力削減が期待できると考えております。 また、広く市民や事業者の皆様にも節電の御協力を得なければならないことから、オール長野でピーク時節電をキャッチフレーズに、企業訪問や広報などの媒体を通じまして、取り組みやすい節電方法などを紹介することにより、市民、事業者、行政が一丸となった取組を展開してまいりたいと考えておりまして、さらに地球温暖化防止活動推進センターと連携した出前講座の実施、あるいは県のさわやか信州省エネ大作戦にも積極的に協力するなどの取組も進めてまいりたいと考えております。 なお、中部電力では、電力供給量の確保に取り組んでいるところでございますが、万が一計画停電などの事態になりますと、市民生活や事業活動に甚大な影響を及ぼすことから、このような事態を招くことのないように取り組んでまいります。 次に、今後の自然エネルギーなどの計画につきましてお答えを申し上げます。 市では、地球温暖化対策地域推進計画、バイオマスタウン構想や庁内の温暖化防止実行計画などに基づきまして、太陽光発電設備に対する補助事業や市有施設への設置、小水力発電、ペレットストーブ、ペレットボイラーの設置を進めているところでございます。国でも今後、自然エネルギーを利用した発電比率を増やす方向でございますし、温室効果ガス排出量削減のために、市としても新たな普及施策を検討しながら、さらに自然エネルギーの利用拡大を目指してまいります。 次に、ソフトバンクの太陽光発電構想につきましてお答えを申し上げます。 この構想は、ソフトバンクの孫社長が先月末に提唱いたしました事業で、主に発電規模が一千キロワットを超える、いわゆるメガソーラー発電所を地方自治体と連携して全国各所に設置し、来年度からの実施に向けて検討が進んでおります全量買取制度を活用しまして、電力供給を行おうというものでございます。 この計画に長野県も賛同いたしまして、現在設置可能な候補地を県内市町村に照会をしているところでございまして、これを受け市といたしましても、庁内で適地の調査を行っているところでございます。 メガソーラー発電所の建設には、一か所二・五ヘクタール以上の用地が必要とされておりますので、例えば耕作放棄地などの有効活用が考えられるわけでございますが、この場合には、農地については現在の転用規制を緩和するなど、何らかの対策が必要ではないかと考えてございます。市といたしましては、用地の確保策、また市のメリットなども検証する中で事業参加ができないか、検討しているところでございます。 次に、太陽光発電システムの今後の普及促進について三点、お答えを申し上げます。 まず、現在余剰電力買取制度が適用されております家庭用システムにつきまして、電力会社に対し全量買取要請したらどうかという点でございます。 経済産業省では、現在太陽光の他に風力、水力、バイオガスなど、再生可能エネルギーによる発電について、全量買取制度を導入すべきか検討を進めております。この中で、住宅用太陽光発電につきましては、全量買取制度を導入した場合、設備導入の加速化が進むことも予想されるわけでございますが、電力会社が買い取った額が最終的に電力料金に上乗せされること、御家庭での節電意識が薄れるおそれもございます。 こういうことなどから、導入の是非について引き続き検討を進めることとしておりまして、住宅用においては、必ずしも全量買取りが適当であるとはされておりません。このため、経済産業省の制度設計に関する今後の動向を私どもとしては注視してまいりたいと思っております。 次に、二点目の長野県に対し補助制度創設を要請したらどうかという点についてでございます。 現在の市及び国の制度に県の助成制度が加わった場合には、更に導入促進が期待できますことから、県市長会を通じまして、太陽光発電など地球温暖化対策に関する助成制度の創設を要望しているところでございます。 今後とも、自然エネルギーの普及に向けた各種施策の拡充について、県に対して引き続き要望してまいりたいと考えております。 次に、三点目、設置費用の貸付制度の創設についてでございます。本市の水洗化ローン制度は、排水設備の設置が義務付けられております公共下水道や農業集落排水事業の供用開始区域等におきまして、早期接続を図るための低利融資あっせん制度でございます。太陽光発電システムの普及策として、他の自治体でも導入している例もございますので、市民債を原資とする方法と併せまして、現在の補助制度に更にこの融資制度を上乗せすることについて、検討してみたいと思っております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 阿部孝二議員 ◆二十六番(阿部孝二君) ありがとうございました。 鷲澤市長にもう一度ちょっと質問ですが、今の原発の再処理処分場、青森県六ヶ所村もそうですが、それから今の原発のそれぞれの工場の中に貯蔵されている廃棄物、これは無害にすることができない、今の化学的な現状だと思うんですね。 そういうことからすれば、原発は無害にできない限り手を出さないというのが本来の本質ではないかと。そのためには、もし事故があれば、このような甚大な事故になって、市民の暮らしも、そして実際に市外に避難された皆さんも非常に大きな被害を被っているわけで、復興するためにはそれぞれの更に努力がされなければならない、長期にわたるということからすれば、原発からのゼロという問題について、再度質問したいと思います。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 私は技術的なことについてですね、技術職ではないので、その辺のことについては分かりません。分かりませんが、ただし六ヶ所村とかいろんなそれぞれのところで、最高の技能を工夫して多分やってきている話でございますから、私としては、今の現状が原発に頼っている部分をすぐやめるという話ではなくて、徐々に減らしていくという方向について、私も別に反対しているわけでもないわけであります。 ですから、私とすれば原発についてですね、私が何か原発推進論者のように聞こえておられるかもしれませんけれども、決してそうではないと思います。ただし、技術的なこと、あるいは社会に与える影響、そういうものを全て勘案した上で、今やるべきことと将来に向けてやるべきことと、これをはっきり区別してやりましょうということを申し上げているわけでございます。 以上です。 ○議長(三井経光君) 阿部孝二議員 ◆二十六番(阿部孝二君) 次に、質問変えます。 復興財源に不要不急の公共事業の中止についてお尋ねします。 内閣府は、東日本大震災の経済的影響として、直接被害額として十六兆円から二十五兆円とし、阪神・淡路大震災の二倍から三倍の被害額としています。風評被害も含めると、今度の被害は百兆円を超えるかも分かりません。この損害を補償し、復旧・復興のために都道府県、市町村の協力が求められています。 そこで、市役所第一庁舎及び長野市民会館の建て替え、新築についてお尋ねします。 市役所第一庁舎・長野市民会館建設基本計画案に対する市民意見募集が行われ、九十九名の方から百八十三件の意見が出され、七十二件の反対が寄せられています。この三月十一日の大震災以降三十件の反対意見が寄せられています。私たち日本共産党とすれば、第一庁舎と市民会館を切り離して考え直すべきと思いますが、答弁を求めます。 イとして、第一庁舎は平成十八年の耐震診断によって、震度五強以上の地震動により三階より上部の階に補修が困難な大きな被害又は層崩壊の可能性があると報告されていますので、早急に免震方法で行うべきではないでしょうか。職員の皆さんや来客者の安心・安全を守るためにも早急に行うべきではないですかお答えください。 次に、長野市民会館については様々な意見があり、オリンピックの施設や県、市の公共施設があり、十分足りている等の意見もあります。市民合意で時間をかけて行うべきではないでしょうか。 エとして、危険で無駄な浅川ダムは造るべきではないと一貫して主張してまいりました。世論調査でも反対が賛成を大きく上回っています。深層崩壊の危険が指摘され、善光寺西縁断層帯に位置する浅川ダムは危険性を再検証すべきです。お答えください。 次に、小学校、中学校、保育園、児童センター、老人憩の家などの施設の耐震化についてお尋ねします。 市立小・中学校の今年四月一日現在の推定耐震化率は七十九パーセントで、八十五棟の建物を耐震化しなければなりません。市は、今後九年かけて八十五棟の耐震化を完成させる計画です。政府は、第一次補正予算で、学校耐震化経費に四百億円盛り込みました。東日本大震災の教訓として、避難場所に指定されている学校、毎日大勢の児童・生徒が学校生活を過ごしている小・中学校の耐震改修を早急に実施すべきです。 また、炊き出し体制ができるように、自校給食の施設整備を行うべきです。また、保育園、児童センター、老人憩の家、市の施設等の耐震状況と完成時期についてお答えください。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 御質問のうち、私から三点についてお答えいたします。 まず、市役所第一庁舎は耐震補強にすべきとの御質問でございますけれども、第一庁舎につきましては、御指摘の耐震強度の不足以外にも建設から四十五年が経過して建物そのものが老朽していること、また市民窓口が分散して市民に分かりにくいこと、廊下や階段が狭い、またバリアフリーに十分対応できないなどの課題がございます。 市では、第一庁舎の耐震対策につきまして建て替え、それから耐震改修を含めて検討してまいりましたが、耐震改修においては、これらの課題が十分に解消できず、また今後も長期的に現庁舎を使うためには、建物・設備の大幅なリニューアルや更新が同時に必要となり、費用対効果の面で課題があります。 このため、平成二十年度以降、有識者の検討や市民への説明及び意見募集を行い、議会とも協議する中で庁舎に求められる機能や防災拠点としての在り方、それから財政計画などを総合的に考慮し、平成二十二年二月の基本構想において建て替えを決定したものでございます。 また、本年四月には、市民意見募集や議会との協議を経て建設基本計画を決定しており、これまでの経過を踏まえ、市としましては計画に沿って進めてまいりたいと考えております。 次に、市民会館は第一市庁舎と切り離し、市民合意で行うべきという御質問でございますが、市民会館につきましては、昨年度建設地の変更に伴い、市民会館建設検討委員会や市民ワークショップでの検討、市民説明会などでの説明や意見募集によりまして、市民の御意見を十分にお聴きしてまいりました。 その上で、最終的には議会の皆様と協議をして、建設地を当初計画地の権堂地区から現在地に変更し、敷地条件や合併特例債の活用期限などから、両施設を一部合築で整備する方針を決定したものでありまして、市としましては、これらの経過を踏まえ、計画に沿って一体的な整備を進めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 倉澤建設部長   (建設部長 倉澤 孝君 登壇) ◎建設部長(倉澤孝君) 私から、浅川ダム建設中止についてお答えします。 東日本大震災で被災しました藤沼ダムは、昭和二十四年に完成した農業用のため池で、土を盛って造られたアースダムであり、浅川ダムのように重力式コンクリートダムではありません。国土交通省では、東日本大震災と栄村を中心とする地震を受け、四百十四基のダムについて、臨時点検を地震発生直後に実施いたしました。 その結果、重力式コンクリートダムでは、一か所で貯水池内ののり面の小規模な崩落が発生したものの、管理上支障のある被害は確認されていないと報告されております。 浅川ダム建設地の地質や断層などの課題につきましては、議員さん御指摘の内容を含め長年にわたり議論を重ね、慎重かつ十分な調査と検討がなされ、その安全性について確認できたため、昨年五月から着工し、同年十一月の論点再確認作業の結果を踏まえて、知事が建設継続の判断をしたものでございます。また、三月の地震の際には、県や建設企業体で安全点検を実施いたしましたが、掘削したのり面等には異常がなかったため、工事は継続されております。 市といたしましては、浅川ダムの再検証を求める考えはなく、浅川全体の治水対策が早期に完成し、安全で安心して暮らせる地域が一日も早く実現するよう、引き続き県に求めてまいりたいと考えております。以上でございます。 続きまして、保育園などの市有施設の耐震化の状況と完成時期についてお答えいたします。 初めに、平成二十年二月に策定した耐震改修促進計画における市有施設の耐震化の状況についてお答えします。 この促進計画における市有施設は、災害時に災害対策本部となる本庁舎や支所、避難所となる学校、社会体育館などの他、耐震改修促進法に定められた特定建築物を対象としております。この特定建築物は、二階建て以上かつ床面積五百平方メートル以上の保育園や三階建て以上かつ床面積千平方メートル以上の事務所など、主に大規模な建物が指定されております。 現在、促進計画における市有施設の推定耐震化率は七十五パーセントとなっており、計画策定時より十五ポイント向上しております。また、小・中学校を除いた推定耐震化率は七十八パーセントとなっており、計画策定時より三ポイント向上しております。このことから、全体的には順調に耐震化が図られているものの、小・中学校以外の施設では、若干耐震化が進んでいないのが実態でございます。 次に、お尋ねの各施設の耐震化の状況についてお答えいたします。 初めに、保育園でございますが、施設数四十五棟のうち昭和五十六年以前の旧耐震基準に造られたものが十八棟となっております。このうち、耐震診断が終わっているものが八棟で、既に耐震補強工事が終了したものは五棟となっております。 次に、児童センターでは、施設数三十五棟のうち旧耐震基準の建物は十棟となっております。また、老人憩の家では、施設数十棟のうち旧耐震基準の建物が四棟となっております。これら旧耐震基準で造られた施設は、今後、耐震診断を行い、耐震補強工事などを行うこととなっております。 なお、消防庁では、保育園などの小規模な社会福祉施設等についても、防災拠点施設等として位置付け、耐震化を促進することとしております。これを受け、長野市ではこれらの小規模な施設についても地震から利用者の安全を確保するため、現在の促進計画の枠組みに加え、計画的に耐震化を図るよう見直し作業を行っております。 なお、見直し後の計画におきましても、現在の促進計画と同様に平成二十七年度までに耐震化率九十パーセント以上を目指してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 酒井教育次長   (教育次長 酒井国充君 登壇) ◎教育次長(酒井国充君) 私からは、学校施設の耐震化と自校給食の施設整備についてお答えをいたします。 児童・生徒が一日のうちの多くの時間を過ごすとともに、災害が発生した場合には、地域住民の避難場所にもなる学校施設の耐震化の推進は、本市にとりましても最優先の課題であると認識しており、一年でも早い学校施設全棟の耐震化を完了するため、全力で取り組んでいるところであります。 今年度は、川中島小学校外十七校におきまして校舎改築事業を、また古牧小学校北校舎外九棟の校舎で耐震補強工事を実施する計画でございます。これらの工事が順調に進みますと、今年度中に改築十一棟、補強七棟の耐震化が完了する見込みとなっております。 これまで予算の重点配分とともに、国の経済危機対策などを活用し、耐震化事業の前倒しに努めてまいりました結果、平成二十五年度末には耐震化率を九十パーセントまで引き上げることができるものと考えております。 なお、大規模な地震に対して倒壊等の危険性が高いとされるⅠs値〇・三未満の建物については、平成二十四年度までに工事着手できるよう最大限の努力をしているところでございます。 耐震対策は、議員さん御提案のように、補強による改修を基本として進めているところでありますが、第二次診断の結果から、改修によることが難しいと判断される場合等は、改築による耐震化を図っているところであります。 校舎等の改築による場合は、設計を含めて三年から六年の期間を要すること、また御指摘のとおり、本年四月一日現在で耐震対策の必要な建物が八十五棟残っていること等から、耐震化の完了までには相当な期間を要することも事実でございますが、できる限り早期に耐震化率が百パーセントとなりますよう、今後も最大限の努力をしてまいります。 次に、炊き出しができる自校給食の施設整備についてお答えをいたします。 本市の地域防災計画で定めております災害時の食料の確保については、災害時食料供給協定事業者等に主食や副食等の供給を要請する計画であり、給食センター等での炊き出しは想定をいたしておりません。また、学校給食では、学校給食衛生管理基準に基づき生鮮食材等は、毎日必要量のみ購入することを原則としておりまして、長期にわたる大量食材の保管ができないことから、給食センターに限らず自校給食においても、外部からの食料や食材の供給を受けない限り、炊き出しは困難と考えております。 なお、共同調理場方式、いわゆるセンター方式は、調理、消毒・洗浄、職員体制などあらゆる面で効率的に運営できる他、衛生管理においては質の高い設備を要するとともに、経済性を追求した施設整備が可能になる方式でありますことから、本市においては、今後も共同調理場方式を基本とし、自校給食への施設整備は考えておりませんので、御理解をお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 阿部孝二議員 ◆二十六番(阿部孝二君) 住民投票条例の署名をお願いするときに、百三十億円もかけて今、この震災のときにどうしてやるんだと、市長さんの考えがよく分からないと、とんでもないという意見があるんですが、市長さんの考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) もう何度も繰り返し申し上げてきていることですから簡単に申し上げますが、端的に申し上げると、一つ一つ積み重ねをしてきて、震災の問題とこの問題は何の関係もないわけであります。それはひとつ是非御理解をいただきたい。我々としてはですね、とにかく皆さん方と、もっとはっきり言えば、議員さんの皆さんと我々との間で、議員さんだけではないですね、議員さんに行く前に、市民会議や市民の御意見などを数年間かけて、いろんな形で聞いてきているわけです。宣伝というか説得というか、あるいは皆さん方に説明もそれこそ十分やってきているわけでございまして、そこへたまたま地震が起きたということではございますが、既に予算も決まっていることでございますし、これをやめないという選択肢というのは、基本的には私はないと思っております。 ただし、国からですね、例えばいろんな話が来て、端的に言うと、私どもとしては、国からの合併特例債というか、一つの補助金といいますか、そういうようなものをやっぱり当てにしている部分はございます。それについては、国が、これ出せないから、ちょっと考えてくれという話があれば、私どもとしては考えざるを得ない時期もあるかもしれません、今後の問題として。 それは、私どもとして、そういう話があった段階で考えるべきものだと思っていまして、私の考え方はですね、決めたことを一つ一つ、そして、それは常にどうしてもこれはできないよという段階では、やっぱりフレキシブルに動かなければいけないときは動かなきゃいけないと。今決まっていることについては、私どもはそれを変更するという選択肢は、今のところないと思っております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 阿部孝二議員 ◆二十六番(阿部孝二君) 震災の後、市民の皆さんは大きく価値観も考え方も変わったんです。本来なら、市長もそこで変わっていいはずなんですね。それが市民の感情と今の現状だと思うんです。その認識をきちっと改めてほしいというのが私たちの考えです。 次の質問に移ります。TPP問題についてお尋ねします。 菅首相は、TPP--環太平洋連携協定交渉・関税撤廃の例外を認めない自由貿易への参加を突然言い出し、当初六月の判断をアジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開かれる十一月には決めるとしています。TPP交渉は物の貿易だけではなく、金融、保険、公共事業への参入、医療の規制緩和、労働者の移動の自由など、多くの分野で対象になっています。 農林水産省の試算では、自給率が四十パーセントから十三パーセントに、農産物、林産物、水産物の生産減少額合計は四兆五千億円にも達し、就業機会の減少数三百五十万九千人としています。日本共産党の紙智子衆議院議員が政府に、ヒジキ百パーセント、ワカメ九十三パーセント、サケ・マス六十三パーセントの生産減少になり、復興への意欲を踏みにじる環太平洋連携協定への参加をやめるべきと追求しました。長野市農業委員会や農協そして消費者など幅広い層から反対の声が上がっています。 そこで幾つかの質問をします。アとして、農業、漁業を初め国内の産業と食料の安定供給を危機にさらすTPP協定反対についての鷲澤市長の考えをお答えください。 次に、福島原発事故による農産物への被害と風評被害が広がっています。長野県の農産物の輸出に対する国の放射線量基準以下でも、中国初め幾つかの国が輸出禁止になった経過もあります。風評被害補償についての考えをお答えください。 次に、市は今年度から新規就農者支援事業を実施し、新規就農業者三百人を目指しています。そこで荒廃農地の解消、食料自給率、地産地消の促進、農業体験民泊、鳥獣対策、六次産業の促進など、地域ごとの総合計画を策定し、産業の促進を行ってはどうかお答えください。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) TPP協定の反対についてお答えをいたします。 TPP協定は、原則として関税撤廃の例外措置を認めない内容となっており、日本が参加した場合には、国内の農業生産や食料自給率及び農業・農村の多面的機能の維持・存続を根底から揺るがすのみならず、情報、金融、郵政等、幅広い分野、さらには雇用への深刻な影響も懸念されるのは、十分認識しているところであります。 本市におきましても、農業従事者の高齢化や後継者不足が進み、耕作放棄地が増加するなど、農業生産基盤の弱体化が進んでいることから、TPP協定が本市の農業に与える影響が甚大であり、地域経済の集落機能の低下が懸念されるところであります。 また、TPP協定参加については、農業団体初め様々な分野の皆様から反対意見があることも承知をしております。世界の食料の状況を見ますと、二〇〇八年の穀物急騰時には、食料輸出国において輸出制限が実施されており、最近ではロシアの小麦輸出規制による小麦価格の上昇やバイオエタノール向け需要増により、家畜飼料価格の急激な上昇などが起こっております。TPP協定への参加により、食料の安定供給に対する不安や食料自給率の大幅な低下も懸念されるところでございます。 そこで、我が国の農業の国際競争力をいかに強化するかといった根本的な課題や東日本大震災の復興への影響などについて十分な議論をし、それに対応することがTPP協定参加の前提になると考えております。 しかしながら、一方で日本は戦後自由貿易体制により発展してきた国であることから、TPP協定を全面的に否定すべきではなく、国において世界の貿易体制の方向性を見極め、二国間協定であるEPAなども視野に入れて、総合的に判断されることを期待しております。 それから、先ほど阿部議員さんの最後の御意見の中で、三月十一日に変わったんだと、こういうお話がございました。私もですね、あの時点で確かに変わった、変わらんとこれは大変だなと、どうやればいいのかなということでかなり動揺をしたというか、どういう社会になっていくかということまでいろいろ考えさせられたことは事実でございます。そして、じっくり考えた末、今ここで萎縮すべきではないというのが私の結論でございました。 以上です。 ○議長(三井経光君) 樋口産業振興部長   (産業振興部長 樋口 博君 登壇) ◎産業振興部長(樋口博君) 初めに、福島第一原発事故による農産物への被害と風評被害の補償についてお答えします。 農畜産物等への放射能基準適合性の調査は、県において三月二十四日から毎週行われておりますが、六月八日までに県内で生産された農畜産物関係では、ホウレンソウ、レタスなど五十四件、土壌で八か所、牧草二か所、淡水魚三か所で実施され、いずれも放射能基準値以下又は不検出でありました。この結果から、放射能による農畜産物被害は、現在のところ出ておりません。今後も国の協力を得て、県において各種の放射能調査が実施される予定となっております。 東日本大震災後の当市からの農産物の出荷は、アスパラガスなどに限られておりまして、農業協同組合等の報告では今のところ風評被害はほとんどない状況とお聞きしております。今後、万一風評被害があった場合には、県及び農業団体とともに国及び東京電力株式会社へ、風評による被害金額の補償をしていただくよう強く要請してまいりたいと考えております。 次に、地域ごとの総合計画を策定し、産業の促進を図ってはどうかとの御質問にお答えいたします。 二〇一〇年の農林業センサスによりますと、本市の農業従事者は、五年前と比較いたしましておよそ三千人減少しております。現在、一万七千五百人ほどとなっている状況でございます。また、従事者の平均年齢も六十八・二歳で、国及び県の平均を上回っておりまして、大変憂慮すべき状況でございます。 こうした中で、生産を支える人づくり、組織づくりが急務ということから、市内外から就農希望者を募り、農業の担い手を確保・育成するために、本年度から新規就農者支援事業をスタートさせたものでございます。 また、第四次長野市総合計画及び長野市産業振興ビジョンにより、全市的な取組として、耕作放棄地の解消や地産地消の推進、食料自給率の向上及び生産・加工・販売を取り入れた農業の六次産業化などの農業振興策を推進するとともに、中山間地域活性化策として、長野市やまざと振興計画の中にも、農業体験や農家民泊、野生鳥獣対策などの施策を盛り込んでおります。 さらに、本市では農業利用の観点から、長野農業振興地域整備計画を策定いたしまして、市内を五地区に分け、農地利用に基づく具体的な作目別の推進について、各地域の農業推進の基本的な方向性を示しております。本計画につきましては、策定後五年を経過しておりますし、合併により市域も拡大するとともに、農業を取り巻く情勢も大きく変化していることから、平成二十三、二十四年度の二か年で見直しを予定しているところでございます。 ただ今申し上げました数々の計画により、各事業推進に当たり必要となる計画は、十分に整備されているものと考えております。今後、具体的な事業実施に当たっては、御指摘のとおり地域ごとの特性を十分に配慮して進めてまいりますので、御理解をお願いしたいと思います。 私からは以上です。 ○議長(三井経光君) 阿部孝二議員 ◆二十六番(阿部孝二君) 次に、九月実施予定の住宅リフォーム制度についてお尋ねしたいと思います。 私が本会議で質問したのが、一年前の平成二十二年三月の本会議でこの制度の創設についてお願いしました。実施に当たって感謝申し上げます。 続いて、次の二つについてお尋ねしたいと思います。 この制度を市民にどう知らせ、請負業者が申請しやすい簡易な方法で、申請に不備がないようにチェックリストの作成などについてお尋ねしたい。 二つ目には、耐震補強補助制度六十万円の限度額や太陽光発電システム補助事業との併用マニュアルの作成で促進を図ったらどうか、以上答弁ください。 ○議長(三井経光君) 倉澤建設部長   (建設部長 倉澤 孝君 登壇) ◎建設部長(倉澤孝君) お答えします。 平成二十二年度の長野市の経済動向指数である新築住宅着工件数について、一時回復基調ではありましたが、年度末においては、過去の件数と比較し、いまだ低い状況であり、加えて三月十一日の東日本大震災等の影響により、さらに経済は不透明感を一層深めております。このようなことから、市民の持ち家の住環境の向上と地域経済の活性化のため、期間限定で市内に本社のある建設事業者が施工した増築・修繕工事等を対象とした住宅リフォーム補助制度を実施いたします。 市民への周知につきましては、広報ながのやホームページ、FMぜんこうじ、各支所窓口にパンフレットを配置し、事業者へは各種業界団体を通じてお知らせをするとともに、要望があれば、説明に出掛けてまいりたいと考えております。 申込みについては、市民や事業者に負担が掛からないよう必要最小限の申請書類とし、内容の説明に併せてQアンドAも記述したパンフレットを作成し、対応してまいります。 次に、耐震補強制度や太陽光発電システム補助事業との併用マニュアルの作成についてお答えいたします。 今回創設の住宅リフォーム補助制度は、市の耐震補強補助制度や太陽光発電システム補助事業と併用することができます。御提案の併用マニュアル作成につきましては、市には住宅リフォームに関連する耐震、環境、福祉など様々な補助事業を扱う部署があり、また本制度は期間を限定していることから、窓口を一本化するマニュアルの作成は困難でございます。 このようなことから、リフォーム制度のパンフレットについては、関連する市の様々な補助事業の内容等を記載し、併せて関係部署との連絡を密にすることで、これら制度の利用促進を図ってまいりますので、御理解願います。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 阿部孝二議員 ◆二十六番(阿部孝二君) エレベーターの設置についてお尋ねします。 交通バリアフリー法でエレベーターの設置が努力義務になっているのが、一日の乗降客数が五千人から三千人に改善されました。高齢化社会のためのバリアフリー化促進に伴い、駅へのエレベーターの設置要望は強くなっていると思います。川中島駅にエレベーターの設置の学習会などが行われました。エレベーター一基の費用は、三千万円から五千万円と聞いています。市内の駅に対するエレベーターの設置計画及び…… ○議長(三井経光君) 午後一時まで休憩いたします。   午前十一時四十九分 休憩   午後一時 再開 ○副議長(寺澤和男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 三十九番石坂郁雄議員   (三十九番 石坂郁雄君 登壇) ◆三十九番(石坂郁雄君) 三十九番、公明党長野市議員団の石坂郁雄です。一問一答方式で質問いたします。 三月十一日、マグニチュード九・〇、死者・行方不明者合わせ二万三千人を超えるという、国内観測史上最大にして戦後最悪の東日本大震災、地震、津波、原子力発電所のトラブルという三つの災害が相次いで起こり、甚大な被害をもたらしました。今でも避難者が全国で十二万四千人を超える方々が苦難に立ち向かっております。被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 復旧・復興に向け、もっと手厚く、もっとスピーディーに対応しなければなりません。そして、被災者にだけ背負わせるのではなく、三月十一日を私の問題として捉え、共に悲しみ、同苦し、支え合う共助の精神が求められております。また、鍵を握るのはやはり政治のリーダーシップが大事であると痛切に思います。震災、原発事故への政府の対応が後手に回り過ぎているとの指摘がありますが、早急に全国民に対し安心のメッセージを発信すべきと考えます。 それでは、質問の一として、防災に視点を当てたまちづくりについて伺います。 市長は一昨年の十二月議会で、市政運営のべースとして第一に掲げたのは、全ての政策に環境の屋根を架けるでありました。また、市の施策に常に環境の視点を重ね合わせた上で、全体の調和を保ちつつ、各施策を展開することをイメージしたものと言われました。昨今、思いがけない自然災害が起こっている中、今後の市政運営に防災の屋根を架けるという強い視点が大事であると思いますが、政治のリーダーシップと併せ、市長の御見解をお伺いします。   (三十九番 石坂郁雄君 質問席へ移動) ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 初めに、防災に視点を当てたまちづくりについてお答えをいたします。 本市の総合計画では、政策の七本柱の一つとしてより安全で安心して暮らせるまちを掲げ、災害に強いまちづくりを推進しております。防災は自助、互助、公助の理念の下、市民、地域、事業者、関係機関、行政が一体となった対策を推進することにより被害の軽減を図り、各種災害からできる限り市民の生命、財産を守ることが市としての責務であると考えております。 今回の東日本大震災におきましては、これまで考えられていた災害の想定をはるかに超える被害が発生するとともに、福島原発による住民の避難や農水産物等への影響など、まだ二次、三次的な被害も発生し、地震災害とは無縁と考えられていたようなところにまで影響が及んでおります。 このような状況を考えますと、これまでも災害に備えての避難、収容、医療体制の充実や救助活動に必要な資機材の備蓄、あるいは建物の耐震化などを進めてきておりますが、市政運営全般について、これまで以上に防災という観点を根底に置きながら考えていかなければならないと思っております。 災害はいつ発生するか分かりませんが、必ず起こるという意識を職員一人一人が常に持ち、新たな事業はもちろんのこと、現在行っている事業についても点検することが必要ではないかと考えております。自然災害を発生させない、あるいはなくすということは、これはどうも不可能ではありますが、災害による被害を少なくすることは可能であります。今後も災害時の被害の軽減を図るための様々な対策を講じ、災害に強いまちづくりを推進してまいります。 いずれにしても、リーダーシップは必要だということでよろしくお願いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 国においてリーダーシップが欠けている方がリードしておりますので、長野市においても、しっかりと市長を中心に防災としての視点も含めてまちづくりを進めていただきたいと思います。 次に、地域防災計画について伺います。 五年ごとの見直しに当たり、市の見直し方針案が先日の市の防災会議で出されたようでありますが、三月十一日の東日本大震災の教訓を生かして防災計画の見直しもされると思われますが、その内容についてお伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 長野市の地域防災計画につきましては、昨年度実施いたしました防災アセスメント調査の結果によりまして、防災上の課題に対する検討、それから前回、平成十八年度に見直しを行っておるわけですけれども、そのとき実施した以降の新たな災害における対応、また国、県の防災対策の動向など、それらを反映するため、今年度見直しを行ってございます。去る三月十一日に発生しました東日本大震災では、予測をはるかに超える大津波、また福島第一原子力発電所の事故など、これまでの経験や常識では考えられない多くの災害が発生いたしております。 そのため本市の地域防災計画の見直しに当たりましては、今回の地震からの教訓を生かし、これまで想定していなかった原子力災害への対応、あるいは火山の噴火といったことへの対応も検討する必要があると考えてございます。 災害はいつ起こるか分からないが、必ず起こるということと、そのときのための日頃からの防災訓練の大切さ、これを認識しております。改めて、その在り方等についても検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 平成十八年三月議会で、当時公明党の議員の市は善光寺地震を想定し、防災アセスメントの実施、各種計画がなされており、その震度想定は六強が予測されています。 しかしながら、県は糸魚川・静岡構造線及び信濃川断層構造帯を震源とした場合に、それぞれ震度七が予測されているとの質問に対して、県が発表しております糸魚川・静岡構造線及び信濃川断層構造帯の被害想定もシナリオに取り入れたアセスメント調査を進めており、地域防災計画全面的な見直しを予定しておりますとの答弁でございました。市の被害想定の見直し方針案についてはどのようになっているのか、市長にお尋ねをいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 長野市地域防災計画の見直しにつきましては、市民の生命、身体、財産を保護するとともに、風水害や地震等による被害の軽減を一層図ることを目的に進めてまいります。新たに追加する視点としては、信州新町、中条村と合併したことによる市域の広がりと合併二町村での過去の災害からの対応を含め、前回見直し以降に発生した災害からの教訓、国、県などの上位計画との整合、これまで考えていなかった事象への対応、大規模災害時の被災地支援などについてであります。 合併したことによる市域の広がりにより、河川の延長、浸水想定地域、土砂災害危険箇所について、風水害対策計画に追加いたします。 地震の想定につきましては、長野市に大きな被害を及ぼす地震として、善光寺地震をもたらした長野盆地西縁断層帯による地震と、糸魚川・静岡構造線断層帯の地震が考えられます。前回の地域防災計画では、善光寺地震だけを想定した計画でありましたが、合併により市域が西側に広がったため、糸魚川・静岡構造線断層帯についても地震被害想定調査を行いました。 その結果を基に、今回は糸魚川・静岡構造線断層帯の地震の被害想定を加えて検討、見直しを進めてまいります。 これまで考えていなかった想定外への対応につきましては、原子力事故や火山の噴火などについて検討してまいります。また、大規模災害時の被災地への支援につきましては、被災者への支援や被災された市町村への行政支援について検討してまいります。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) これから見直すということでありますが、今回は常識が覆された災害でしたので、早急な見直しをしなければならないと思います。見直しに当たっては、地域の特性を十分検討し、独自の損害、被害想定が必要と思われますが、今後のスケジュールについてお聞きいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 今後の地域防災計画の見直しについてでございますが、一応私ども目途としまして、今年度中に計画を見直していきたいと思っています。ただ、先ほども市長から申し上げましたが、想定されない、今まで想定しなかった原子力の関係ですとか、主に火山もそうなんですけれども、原子力の関係、これにつきましては、やはり国、県等々の関連も大変重要かと思います。それらにつきまして、県も、防災計画を見直されるかと思いますけれども、それらとの整合も図っていきたいということもございますので、一応、私の目途は今年度中の見直しと思っておりますが、その辺も加味しながら、策定、見直しをしてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 次に、市は日頃、災害には自助・共助が重要だと言われております。防災会議に災害時には主体者となる市民防災組織の参加が必要であると思いますが、御見解を伺います。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 災害対策基本法におきましては、市町村は関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、それぞれの地域に係る防災に関する計画を作成する責務を有するとされておりまして、その中でも防災会議を位置付けておるわけですけれども、この防災会議の委員といたしましては、その災害対策基本法第十五条におきまして、指定地方行政機関、それから指定公共機関又は指定地方公共機関というように分野が定められておりまして、具体的に言いますと、国、県を初めとして交通・情報通信、それから電気、ガス等のライフライン、それから報道と、それらの機関の方が委員になっていただくということで定められておるわけでございます。 従来、防災に関する事務につきましては、それぞれの国、あるいは県、あるいはライフライン、あるいは報道等々の関係機関によって行われてきておりますけれども、その連絡調整は十分ではなかったという中で、その欠陥を補うため、市町村防災会議を設置することを定められたものでございます。この会議は、市町村の附属機関でございまして、単なる諮問機関ではなくて、防災計画の作成ですとか、その実施機関としての性格を有しておるものでございます。 市町村防災会議の委員については、また同法第十六条におきまして都道府県の防災会議の例に準じて条例で定めるとされております。この長野県防災会議におきましては、住民組織の委員を選任しておりませんことから、本市におきましても、市民防災組織等の委員を任命してございません。今後、自主防災組織が今、各地域の住民自治協議会の中でいろいろお作りになっているという中で、この自主防災組織が市内全域に組織され、これを代表する機関というんですか、組織が設置されたところで、それらを検討してまいりたいと考えております。 また、今、防災組織等の皆様からいろいろな御意見、これから頂戴することもあろうか思いますけれども、それらの御意見につきましては、それぞれ検討の上、これからの地域防災計画の見直しに反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 備蓄倉庫は、現在市内に二十二か所あります。避難場所ごとに備蓄倉庫の増設を提案するわけでありますが、御所見を伺います。また、平成十七年以降の合併市町村には防災備蓄倉庫はあるのか、それに類するものがあったとしたら、旧長野市内の備蓄倉庫の装備との違いはあるのか、解消への対応はいかがされるか、お伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 市におきましては、平成八年度から年次計画によりまして防災備蓄対策の強化に取り組んでおりまして、現在、市内各地区の二十二か所の小・中学校とか公園等の避難所や避難場所に防災備蓄倉庫を設置し、各種防災物資の備蓄を行っておるところでございます。 現在の防災備蓄倉庫の設置の状況及び新しくする状況でございますが、大規模な公園整備や区画整理事業などの事業に併せて、その設置を事業者にお願いしているというのが現状でございます。 御提案いただきましたが、なかなか避難場所である各小学校への防災倉庫の増設につきましては、学校の数も多いというような中で、今のところ設置は考えてございませんので、現状で御理解をいただきたいと思います。 また、平成十七年以降に合併した町村には備蓄倉庫は設置してございませんが、平成二十年度から中山間地域の孤立化対策用といたしまして、合併町村を含む中山間地域の支所など十六か所の施設に防災備蓄品を配備してございます。 なお、これらの支所等に配備している備蓄品につきましては、防災備蓄倉庫の備蓄品の構成、品物の種類を基本としておりますけれども、浄水器につきましては、支所等には配備してございませんので、その代替として、ペットボトルの飲料水を一定量配備して対応しておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 中山間地域の幹線が寸断されて、そうした地域が陸の孤島となった場合に、生活物資等を今ある道の駅に集積するなどの災害時の拠点とすることも考えられますが、御見解を伺います。
    ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 中山間地域が孤立、孤島となった場合に道の駅へ物資を集積する等、災害時の拠点とするということの御質問でございますが、平成十六年に発生いたしました中越地震におきまして、当時の山古志村が土砂崩落等により道路が寸断され孤立化したわけでございますけれども、それを契機に中山間地域の孤立化についての問題が取り上げられてきております。 長野市におきましても、昨年七月の豪雨災害では信更地区が土砂崩落等により道路が寸断され、一時孤立状態となったことからも、中山間地域の孤立化への対策は、大変重要な問題と考えております。 市内の道の駅の利用についてでございますけれども、これは既に中条地区の道の駅が、合併前の中条村におきまして避難場所として指定をしておりまして、それを引き継いでおりますが、合併後も継続して避難場所として取り扱ってございます。また、国道十九号沿いにございます信州新町と大岡の道の駅につきましては、今後、避難場所としての取扱いについて検討をしていく予定としております。 ただし、現時点では災害時の拠点施設につきましては、各支所等がよろしいんじゃないかなと考えておるところでございますけれども、その各道の駅は大変アクセスの良い立地でございますので、御提案のとおり、物資の集積の拠点等として活用することができるか、今後検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 市は空間放射線量を測定する簡易測定器の導入を検討されておりますが、市民の不安の解消のため、また原発の事故の収束に時間がかかることや、今後どのようになるか分からないことから、早急な対応が必要と思われます。具体的導入計画についてお伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 水野環境部長   (環境部長 水野守也君 登壇) ◎環境部長(水野守也君) お答えを申し上げます。 長野市の放射線の状況につきましては、長野県の環境保全研究所で精密に測定しております空間放射線量や水道水、農産物等の放射性物質濃度の検査から判断いたしますと、現状では問題のない状況にあるものと考えております。 しかし、市民の皆様から放射線問題に関する不安の声が寄せられておりますことや事故の収束の長期化が予想されますことから、市独自に測定結果を把握するために、簡易測定器を当面一台導入することといたしました。この簡易測定器は、持ち運び可能で機動性がございますので、市内の広い範囲で空間放射線の状況をタイムリーに把握することが可能となります。発注は六月初めにいたしましたが、全国的に需要が増加していることから、納入までには数か月を要する状況でございます。 導入後は、市内に数か所定点の測定地を定めまして、長期的に空間放射線の測定を行います他、状況に変化に応じて柔軟に活用してまいりたいと考えております。 なお、消防局にも精度や機能は若干異なりますけれども、総務省から貸与された測定器が数台配備されておりますので、これらを併用した測定も予定しております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) それぞれありがとうございました。 次の質問の防災教育について伺います。 今回の大震災で、宮城県石巻市の大川小学校では、全校児童の約七割が死亡、行方不明という痛ましい犠牲が出ました。地震発生から津波到来まで約五十分間あったにもかかわらず避難ができなかったことは誠に残念であります。 一方、岩手県釜石市の小・中学校生は全員が無事に避難されました。ある中学校の副校長が津波だ、逃げるぞとの避難の指示を出そうとしたときに、既に生徒が大声を上げて全速力で走り始めていました。また、近くの小学生は、介護施設の三階に避難しようとしていましたが、先生、ここじゃ駄目だと、児童は更に高台を目指し、もう一度走り出しました。子供たちが目的地に到着した直後、最初の介護施設は津波にのまれてしまいました。 釜石市の学校では、津波防災教育のための手引きを作成し、防災教育を始めたのが七年前でありました。防災教育の三原則として、想定を信じるな、ベストを尽くせ、率先避難者たれでありました。今回、釜石市の子供たちの行動は、日頃の防災教育が生かされたものと言えます。 我が市でも、今回の大震災を教訓にして、改めて防災教育の見直しをされたらいかがか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 堀内教育長   (教育長 堀内征治君 登壇) ◎教育長(堀内征治君) お答え申し上げます。 本市の小・中学校では、従来より学校安全教育計画に沿って防災教育を行っており、全学校で火災や地震、あるいは不審者の侵入等を想定した避難訓練を年間に二回以上実施してきております。また、大雨や大地震等の非常時を想定して、保護者への児童引渡し訓練を実施している学校もございます。しかし、今回の東日本大震災においては、その際の避難行動もその対処に窮する事例が報告され、これまでの想定を超えた災害対応が求められております。 議員さんの御指摘のように、本市におきましても、今回の大震災の教訓を踏まえ、長野市地域防災計画に沿って、児童・生徒の安全確保を第一とした非常時の避難訓練の在り方について見直したいと考えております。 具体的には、防災マップやハザードマップ等を利用し、地域の立地条件に応じた避難訓練を推進してまいります。その際、河川の氾濫や土砂災害等を想定し、避難場所を従来の校庭だけではなく、高台等のより安全な場所に変えたり、あるいは地域の方々や学校評議員、保護者の皆さんに訓練の様子を参観していただいたりするなど、避難訓練の在り方を検討してまいります。 また、登下校時の安全な避難についても、児童・生徒への指導や非常時における保護者との引渡し訓練も推進してまいりたいと存じております。加えて、災害時における職員分担や指揮系統の見直し、防災認識を新たにするための教職員研修についても、今後、研究してまいりたいと存じております。 いずれにいたしましても、一人一人が災害発生時において危険を素早く察知し、状況に応じて的確に判断し、自らの身の安全を確保する最善の行動がとれるようにすることが大切であります。日頃から授業や学校行事等の中で、自然災害の恐ろしさや地域の自然環境、災害等について学習を進めてきておりますが、今後、これらを防災と関連付けた学習として、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) どうか子供たちのために防災教育の見直し、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、在宅時における緊急連絡カードについて伺います。 五月八日に開催されました地域やる気支援補助金公開選考委員会に出席した折、朝陽地区住民自治協議会から提案されました緊急時連絡カードにつきまして、全市的に取り組むべきと思いました。高齢者世帯やひとり暮らしの世帯への火災、緊急時等の救急出動時の対応に当たり、家族、親戚の連絡先等が分かるカードが消防職員や消防団が目に付きやすいところにあると、連絡をスムーズにとることができます。また、既往症や主治医等の情報が得やすくなり、救命率も向上するものではないかと考えます。 六月八日の市内北部のひとり暮らしへの救急車出動で、本人意識不明で家族の連絡先が不明、隊員が困惑した事例がありましたが、全市的に取り組むべきと思いますが、御見解をお伺いします。 ○副議長(寺澤和男君) 寺田保健福祉部長   (保健福祉部長 寺田裕明君 登壇) ◎保健福祉部長(寺田裕明君) お答え申し上げます。 高齢者が外出時に不慮の事故に遭ったり、救急搬送を受ける際、持病やかかりつけ病院等の情報を関係者に伝えたり、家族や親戚へ連絡をとる必要がある場合に、緊急時連絡カードは有効であると考えております。本市におきましては、平成二十二年四月に、財布などに入る大きさの緊急時連絡カードを作成し、一万五千枚を配布いたしました。外出時の不慮の事故や急病などの際に、有効に活用できるように、常時携帯できるカード型としたものでございます。 議員さん御指摘の在宅時における救急搬送を必要とする事態にも、このカードによって対応できると考えておりましたが、在宅時には身に着けていない場合もあり、救急隊員の目に付きにくいことも想定されるわけでございます。 他市の状況を見ますと、自宅の冷蔵庫に緊急時の連先等を張り出す取組例もございますので、今後、民生委員さんや関係機関の御意見も伺いながら、在宅時にも緊急時連絡カードをどういった方法で所持、あるいは掲示していただくのが効果的なのか、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 冷蔵庫というような例もありましたけれども、冷蔵庫は火事のときは燃える可能性もありますので、一番火の出にくい場所等を考えて、適切な場所を検討していただきたいと思います。要望です。よろしくお願いいたします。 その他の質問として、子供の福祉・医療の拡充についてお伺いします。 親の経済的負担を軽減するための福祉医療費給付制度は非常に重要な役割を担っていると思います。近隣の大町市などは、この四月から給付対象を小学三年生から六年生に引き上げるなど、県内各市町村においては、少子化対策等を目的として子供の対象年齢の引上げを行っている状況であります。 長野市においても、少子化対策、子育て支援策の一つとして、平成二十二年度において、それまで就学前までだったものを小学三年生まで対象年齢が拡大されましたが、対象年齢の引上げについては、引き続き強い市民要望があるとお聞きしております。今後、更に長野市独自に対象年齢の拡大が図れないか、御見解をお尋ねいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 子供の福祉医療給付の対象年齢の拡大についてお答えをいたします。 福祉医療費給付制度は、市町村における福祉政策として定着し、受給者の福祉の増進に大きな役割を果たしております。子供の給付対象者につきましては、平成二十一年度までは就学前までを上限としておりましたが、平成二十二年四月診療分からは、小学三年生までの入院に係る医療費を、さらに十月診療分からは、長野市単独事業として小学三年生までの通院に係る医療費について対象範囲を拡大したところでございます。 県の補助金など新たな財源を確保することなく、市単独で事業を拡大するということは、財政上なかなか難しい面があるわけでございますが、一方で子育て支援というのは差し迫った課題であると思っておりまして、福祉医療による経済的な支援も大変重要であろうと思います。 ちなみに中核市では、まだ小学校就学前までを上限としている都市も多く見受けられますが、県内他市の状況と比較しますと、本市においては対象年齢の拡大についても検討する必要があると思われることから、今後、国の医療制度や県の補助動向を注視しながら、対象年齢の拡大について長野市社会福祉審議会にお諮りして、検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 石坂郁雄議員 ◆三十九番(石坂郁雄君) 対象年齢の拡大は、市民の要望が多いわけでありますので、今後とも御検討よろしくお願い申し上げまして、私の質問は終わります。 ありがとうございました。 ○副議長(寺澤和男君) 四十番塩入学議員   (四十番 塩入 学君 登壇) ◆四十番(塩入学君) 四十番、政信会塩入学でございます。 市民会館建設の再検討を提案いたします。 東日本大震災の教訓から庁舎建設は、防災拠点と避難所機能を兼ね合わせた建設が必要と考えます。こうした観点から、合築は考え直す必要があるのではないか。国難とも言うべき新たな社会情勢、様々な市民の意見等に合わせ、緊急性を考慮し、第一庁舎建設を優先した取組とし、長野市民会館については、再検討する市長の英断を求めますが、どうされるかお尋ねをいたします。   (四十番 塩入 学君 質問席へ移動) ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 長野市民会館建設の再検討についての御質問にお答えをいたします。 さきの大震災により、第一庁舎・長野市民会館の建設について、市民の皆様に御心配や御懸念の声があることは十分承知しております。一方で、初日にも申し上げましたとおり、私は今回の大地震で改めて安全・安心でしっかりとした公共施設の整備は不可欠であると感じるとともに、このようなときにおいても、本市の将来を見据え、元気なまちづくりに必要な施策や事業を継続して行うことは、市政を預かる立場として大変重要な責務であると認識しているところでございます。 市民会館の建て替えにつきましては、平成二十年度以降、その必要性や文化芸術の拠点としての在り方等を議論し、有識者の検討や市民への説明及び意見募集を実施し、その上で議会と協議しながら決定するというように、通常の事業以上に丁寧に時間をかけて進めてまいりました。庁舎と市民会館を現在地に一体的に建設することにつきましても、最終的には、議会と協議する中で方針を決定したものであります。このような議論や検討の積み重ねを重く受け止め、市としましては、計画に沿って進めてまいりたいと考えております。 なお、四月に決定した第一庁舎・長野市民会館建設基本計画では、新庁舎における防災拠点機能や災害活動を支援する機能を整備、確保することを盛り込んでおり、庁舎・市民会館一体で安全・安心を担う施設とすることは十分可能であり、今後の設計段階においても配慮して進めてまいります。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 再検討を私が申し上げたのは、別に反対をして言っているわけじゃありません。ただ、こうした時期にこうした状況にするのがいいのかどうか。庁舎というのは、非常に重要な部分でありますから急ぐ必要があります。市民会館については、いろいろな経過がございますので、こうした状況等を踏まえて、しかもあった方がいいという部分ございます。 そういう意味では基金も積んでおります。自前で建てることも含めて、やはりこうした社会情勢等を踏まえて、これは言っても、恐らく市長との議論はかみ合いませんが、そうしたものを十分にやはり検討されて、これは市長のリーダーシップというか、もう英断というか、政治的な判断とか、そういうことだと思います。それ以上のことは申し上げませんが、是非お含みをいただきたいと、こう思っております。 次に、今も触れましたが、防災拠点、避難所機能という問題が今出ましたけれども、この建物を防災拠点とか避難所ということにしますと、水や電気という問題が非常に重要になります。 こういう意味で、長野市は地下水が豊富にあるので、地下水の活用、太陽光発電での電気の確保、そして雪が多いわけでありますけれども、市内で片付けた雪を集積して夏の冷房への活用、あるいは木材、間伐材とかそういうのがいろいろありますから、それを利用したボイラーによる熱というような、そうしたものを積極的に取り入れた、自然エネルギー型庁舎の建設をしてはと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 防災拠点機能と避難所機能を合わせた市役所第一庁舎の建設についてお答えをいたします。 本年四月に策定した第一庁舎・長野市民会館建設基本計画では、新第一庁舎の基本理念を「二十二世紀の市民につなぐ環境・みらい・あんしん庁舎」とし、基本方針として定める六項目の一つに、「災害に強く防災拠点となる安全・安心な庁舎」を掲げ、災害発生時の拠点機能を十分発揮できる庁舎を整備することとしております。 防災拠点としての機能としては、免震構造を採用するなど、防災拠点として必要な強度及び構造を確保するとともに、災害時の中核となる災害対策本部や総合防災情報システムサーバー室などを新庁舎に配置してまいります。 災害活動を支援する機能としては、庁舎の一部を医療活動や支援活動の場として活用することや、広場や駐車場等の空間を被災者の一時的な避難場所として確保すること、さらには新市民会館を避難所として活用することなどを想定しておりまして、庁舎と市民会館一体で防災拠点機能と避難所等の支援機能を合わせて実現してまいります。 また、防災拠点となる庁舎として、災害時の電気や水の緊急対応が可能となるよう、自家発電設備や雨水貯留タンクの設置等についても検討してまいります。 なお、御指摘の太陽光発電やバイオマス、地下水等の自然エネルギーを活用した設備についても、環境にやさしい庁舎としてCO2排出量の削減の観点から、導入について今後検討してまいります。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 今、言われましたように、そういう施設にしていただきたいと思いますし、避難所ということになりますと、建物はできるだけ少なくて、広場とかそういうものにして、駐車場とかいろんな計画あるようですが、そういうものじゃなくて、広場にしてやはり空間をたくさんとっておくということが非常に大事だと思いますし、併せてこれからのモデルになるような、そうした自然のエネルギーを、これは恐らく経費がかかるんではないかと思いますけれども、そんなことも含めてこれは要望しておきたいと思います。 次に、私の三月議会での質問に対し、支所における行政サービス、行政支援の在り方の両面から庁内プロジェクトを設置し、検討すると答弁がありましたが、検討状況はどのようになっているのか。また、庁舎建設にどういう形で反映しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 支所の行政サービス及び行政支援の在り方の検討につきましては、五月に関係課による検討組織を立ち上げまして、支所における行政サービスと地域の実情に応じた行政支援の在り方について検討を始めております。具体的には、支所に必要な窓口サービス、それから各支所間の取扱業務の平準化、災害時対応、住民自治協議会との役割分担、その支援などの視点から課題を整理するとともに、支所機能や権限を含め見直しの方向性について検討を行っているところです。 今後、支所機能の在り方につきましては、秋頃を目途に第一庁舎の基本設計と並行いたしまして、方向性を検討してまいりたいと考えております。 なお、検討に当たりましては、合併などこれまでの経過や市民サービスの確保に配慮しつつも、地域間での公平性や必要なサービスと費用対効果など、効率的な行政運営の実現といった観点も必要であると考えております。 いずれにいたしましても、支所業務の見直しにつきましては、支所とともに地域づくりを担う住民自治協議会の成熟状況も加味しつつ、議会や住民自治協議会など市民の皆様の御意見等もお聴きしながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) その検討はいいんですけれども、検討をすることが今度建てる新庁舎に反映できるんですか。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 検討の中で反映できるものは反映していくという考え方でございまして、その検討の結果ということになろうかと思います。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 私が提案をしたのは、やはり都市内分権をしていろいろ地域のことを進めていく、その上で支所というのが地域でそういう役割を果たしていく、そういうことが必要だと。そのためには、支所の活動を強化する、そういうことが庁舎を建設する上での規模や人員やその他いろんなことに関わるから、そういうものが検討されて、反映できていくのかということをずっとお尋ねしたわけなんで、できるものはできる、できないものはできないじゃ困るんですよ。どんな具合かもう少し細かくお願いします。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 先に結論を申し上げることはできません。今、検討結果している最中でございます。秋頃をめどにどのような検討結果になりますか、それらをまた御報告しながら、私ども反映できるものは反映していきたいということで、御答弁させていただいたところでございます。よろしくお願いします。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) それじゃ、反映を期待いたしております。 先ほど石坂議員から、私の質問しようとした防災対策について、詳しく触れられましたので、その部分は余り触れませんが、ただ先ほどの中で検討をすると、今度の大災害を見て検討すると、見直すと、こういう話がありましたが、今年度中というと、今から約一年かかるわけですが、もっとスピードを上げてやるべきではないかと思いますが、いかがですか。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 議員さんおっしゃるとおりで、スピーディーに対応できるものについては、そのように対応してまいりたいと考えてございます。ただ、地域防災計画につきましては、根本の部分といいますか、幹の部分の見直しが今回もございますので、それらについては、やはり検討には時間が必要と思っております。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 先ほども話がありました避難所の安全の確保、果たして今の避難所が安全なのかどうかということについては、大変心配をいたしております。もう一つは、中山間地域については、いわゆる合併地域については、要するに避難用備蓄とかそういうものが完備されていないということでありますが、これがむしろ大変で、そちらの地域の方を早くやらないとですね、やはり山間部で孤立してしまうとかいろんな問題があると思います。そこでお聞きしますが、備蓄は今、例えば毛布とかその他、具体的にはどのくらい用意されているんですか。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) ただ今、第二次防災備蓄品の年次計画の最中でございますが、これは平成二十年度から二十九年度までの第二次防災備蓄品の計画でございます。各品目ございますが、例えば今、御質問のありました毛布でございますが、この目標数、平成二十九年度には三万枚でございます。現在、保有が約一万三千枚でございますので、整備状況としては四十五パーセントぐらいかなと思います。 それから、例えば簡易トイレ、洋式とか和式の種類もございます。それから、本当に簡易な折り畳み式等もございます。それらはですね、目標数が約千五百八十となってございまして、現在五百ほどですので、これは三十パーセントちょっとでございます。 それからあと、救援用のテントでございますけれども、目標数は五十張りでございまして、現在二十張りですので、四十パーセントの整備状況でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 余り整備が進んでいないようですが、毛布を一つ例にとっても、やはり三万枚用意してもですね、三十八万市民の例えば一割の方が避難をしなきゃいけないとなれば、二枚必要になりますから、倍必要になってくるということを考えれば、もっといろいろな意味で早く整備をする必要があるんではないかと思われますが、その辺は強く要望いたします。 一応この目標は、今年ぐらいにやるんですか。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 先ほど申し上げましたように、第二次防災備蓄品年次計画は、平成二十九年度を目途とした計画でございます。   (「そうしたら、今達成されていないんでしょう。それはいつまでに達成するの、これ」と呼ぶ者あり) ◎総務部長(小林隆之君) 平成二十九年度が目標ということでございます。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) その程度じゃ、余り備蓄は充実していないと思いますので、ひとつ要望しておきます。 あとですね、下水道使用料の賦課漏れについて、この間公表されました。なぜ、こうした問題が長年にわたって発見できなかったのか。いろんな理由が述べられておりますけれども、なぜそういうものができていないのか、そういうチェック体制はちゃんとできているのかどうか、その辺をお尋ねいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 中村上下水道事業管理者   (上下水道事業管理者 中村治雄君 登壇) ◎上下水道事業管理者(中村治雄君) この度の下水道使用料の賦課漏れにつきましては、下水道事業に多大な損害を与えたとともに、賦課漏れになっていたお客様及び市民の皆様に大変御迷惑をお掛けしましたことを、改めて深くおわび申し上げます。 今、御指摘いただいた賦課漏れの原因の多くは、書類の引継ぎ漏れや入力ミスといった、恥ずかしながら人為的なミスのものがほとんどであり、長年にわたり賦課漏れが発見されずに今日に至ったことは、これらのミスをチェックする有効な手だてがとられてこなかったことによるものと考えております。 具体的には、使用開始届等の書類に記載することになっている水道メーター情報の記載漏れや誤記などについての確認不足、届出様式の不備や書類の取扱い誤りによる書類の引継ぎ漏れ、料金システムの入力漏れや入力誤り、下水道接続済み家屋での水道メーター分岐、増設に伴う下水道使用料の賦課事務の徹底不足など、定期的かつ組織的にチェックすることが十分に行われず、仕事が惰性に流れてしまい、業務の点検・確認体制に不十分な点があったことは否めません、恥ずかしいことでございます。 上下水道局では、今回の賦課漏れ原因を分析し、様式を見直すことや指定工事店に対する事前調査の徹底指導、複数人による入力確認などを実施する他、水道GISを活用し、複数年にわたる水洗化データと料金データを定期的に突き合わせることにより、今後の賦課漏れチェックを確実に行ってまいります。 私からは以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) ちょっと併せて、日常の帳票類の記入ミスとかいろんな問題があるように聞くわけでありますが、現状でそういう庁内における記入ミス、あるいは記載漏れ等、決裁を課の中で行ったものが、返却されてそれを修正したとような事実はありますか、どうですか。 ○副議長(寺澤和男君) 酒井副市長   (副市長 酒井 登君 登壇) ◎副市長(酒井登君) まず、帳票類の記入漏れ等の現状でございますけれども、平成二十一年度と二十二年度の定期監査の結果報告におきまして、長野市情報公開条例に基づく公開区分や必要な根拠法令等の記入漏れ等、職員の認識不足やミスによる不適正な事務処理が散見されたとの御指摘を受けたところであります。この二か年にわたり、同じような指摘を受けたということは、誠に遺憾と感じておるところであります。 職員一人一人の意識改革と、組織内のチェック体制の見直しによる適正な事務執行が必要となっていると思っております。それで、本市では文書を含む行政情報の取扱いにつきまして、長野市行政情報取扱規程や文書事務の手引などに規定しておるところであります。 この規程の中では、まず起案者は起案文について、文書事務の手引に従い、簡潔かつ正確に作成すること、文書取扱責任者は文書の形式、用語等の審査を管理すること、そして所属長は常にその所属の文書を含む行政情報事務の円滑、適正な処理に努めることを規定しておるところであります。 この規程を遵守することによりまして、チェック機能は果たせるものと認識しておりますが、御指摘のとおり起案を行った職員を初め決裁に至るまでの過程で複数の職員、管理職などが確認を行っているにもかかわらず、今回も定期監査において文書事務に対する指摘を受けたことは、職員一人一人の文書事務等に関する認識が不足し、十分なチェック機能が果たされていない部分があったと考えております。 決裁の責任につきましては、最終決裁者が負うべきではないかということについてお答えしたいと思いますけれども、決裁については、決裁権者がその権限に属する事務の処理について、最終的な意思決定を行うものでありますので、意思決定そのものについては、適正になされたものと認識しておりますが、文書の記入漏れなどが防げなかったことについては、これは当然真摯に受け止め、文書事務の適正化に取り組んでまいります。 現在、文書事務の適正化が図られるよう、職員一人一人が文書事務を正しく理解するための職員研修や職場研修を積極的に推進しており、職員の認識不足や注意力の欠如による誤りをなくして、それぞれの職責に真摯に取り組み、組織として十分なチェックを行うことにより、文書事務を適正に執行してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 要するに、そういう日常の何といいますか、大きなミスとかじゃなくてちょっとした、例えばきちっとしたペンで書かなければいけないものを鉛筆で書いてみたとか、印鑑を押してないとか、日にちが違うとか、僅かなことなんですけれども、そういう僅かなことが日常の中できちっとできなければ、結果的にはこういう賦課漏れというような形にまで問題が広がってしまう。だから、問題意識をやはり常に持ってもらう。しかも、いろんな決裁を見れば、最低五人ぐらいの人が決裁をしているわけですよね。 そういう初歩的なミスですら、発見されていないということについては、非常に残念なんで、是非一般市民がですね、書類を持ってきて、たとえ一つでも不備があれば、決裁できませんよ、受け付けられませんよね。だけれども、庁内でそういうものがまかり通るということになれば、大変なことでありますから、これは是非直していただきたいと思っております。 また、例を一つ挙げれば、この間の教育委員会で起きた不祥事の事件もそうでありますが、やはり監督する上司がもっと早くつかんで指導していれば、一人の人間を犠牲にするようなことを防ぐことも可能ではなかったか。いろいろな中で、やはりチェックというものは厳しいけれども、大事なことではないのかと、私がその件に触れましたら、そんな細かいことを一々課長がしなくてもいいんだと、こういう話がございましたが、細かいことを知ることが大事なんであって、細かいことを見落とすから問題が起きるんですよ。 ですから、そういう意味では、賦課漏れから外れるわけじゃありませんが、庁内のそうした状況というものは、これはもう皆無にしていかなければいけないんで、是非御努力をいただいて、そして賦課漏れについては、長年発見できなかったことについては、これはどうしたんだと言ったって、これどうしようもありませんので、今度はお客さんとの信頼関係を構築するために、しっかりした対応をしていただいて、二度と再びこのようなことのないように是非お願いをするところでございます。 市長、この件につきまして何か感想があれば、お聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 一番の問題というか、問題は幾つかあると思うんですが、基本的にはやっぱりチェックミスであり、それが惰性になってしまっていたというところにやっぱり一番問題があるんだろうというふうに思っています。 特に、伝票等のチェックミスとかは、事そのものはささいなことではあるんですが、どうもそれをきちんとやっていくという工夫が、私は市の職員の中でちょっと欠けていたのかなと。そのことが実は、賦課漏れについては、全く私もですね、びっくりしちゃって、どうなっているんだという話をしたんですが、これにちょっと問題がもしあるとすれば、これを故意にやったかどうかという問題が一番実は私は気になったんですが、それも正直言うと分からない、はっきり言うと分からないということなんですね。 とにかく、昭和三十四年から下水道というのは始まっていますので、それからずっとこの問題は続いているということのようでございますので、これは何とも申し上げようがない、申し訳ないという以外にないわけでございまして、これはもう厳重にやらなければいけないというふうに思っています。 そのところにもう一つ出てくるのは、やっぱりチェックする体制が非常になかったという、なかったという言い方は変だと思いますけれども、これが分かった一番の……、はっきり調査することができた理由というのは、水道GISが一応できたということで、そのことによって実は詳細なことが分かってきたと、こういうことなんで、それはできてよかったなということと同時にですね、それを利用した徹底的な調査、これからまだまだ……、大体は調査終わりましたが、そういうことが、GISがあるから今度はもう絶対起こらないのかということは、今、一生懸命私も確認をしているところでございまして、大丈夫だと、こういうことなもんですから、それはそういうこと。 それから、もう一つの伝票の方の漏れについて言いますと、実は二年続きでその指摘があったということで、私もちょっとでかい声出しちゃったんですが、最初のときは弱ったもんだよと思ったんですが、去年ですかね、年度変わりであれですけれども、今年も監査から同じことがまた出てきたもんですから、一体どうなっているんだということを私も強くみんなに伝えたところでございます。 いずれにしても、今、塩入議員がおっしゃったとおり、全体の中でのそういったチェック体制というか仕組みというものについて、ちょっとがたがきているんだなということはよく分かりました。早急にやり直します。よろしくお願いします。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 市長、よろしくお願いをいたします。 次に、青木島町綱島地籍で、この頃二度にわたった雨で犀川護岸が大変浸食をされまして、もう堤防道路の瀬戸際まで来ているということであります。この入梅の時期、そして大雨、台風、その他を予測いたしますと、これは大変なことになって、あの堤防が決壊すれば、大変な地域が浸水してしまう、こういう状況でございました。 地域の人たちは不安を抱えながら、今いるわけでありますが、千曲川河川事務所でも応急処置はいたしておりますが、応急処置程度では賄えないので、早急な対応を求めるわけでありますが、これは地域の人たちの要望というだけじゃなくて、長野市として全力でひとつ防災というか、改修というか、そういうものについて取り組んでいただきたいと思いますが、その辺についてちょっとお聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(寺澤和男君) 倉澤建設部長   (建設部長 倉澤 孝君 登壇) ◎建設部長(倉澤孝君) お答えします。 犀川では、五月十日から十二日にかけて、上流域の大岡地区で六十八ミリ、信州新町地区で六十五ミリの連続雨量を記録し、長野市内では水位が上昇しました。このため五月十三日に、長野大橋から約六百メートル上流右岸側の青木島町綱島地籍では、河岸の浸食が拡大し、約四十メートル流出しているのが発見されました。 千曲川河川事務所では、堤防の遊歩道の下から二メートル程度まで河岸の浸食が進んだため、備蓄していた一個当たり二から五トンのコンクリート製根固めブロックを五十個投入いたしました。この緊急対応と水位の低下により河岸の浸食は落ち着きましたが、今後の出水に備えて緊急対応区間を含めた上下流部の延長二百二十メートルに、さらに三百六十個のコンクリート製根固めブロックを投入し、五月二十五日に応急復旧が完了いたしました。現在、千曲川河川事務所では、災害復旧工事の対応を予定しており、本復旧工事の工法等を検討している状況と聞いております。 このような状況の中、市といたしましては、綱島地籍の低水護岸工事が一刻も早く実施されますよう、関係する更北地区千曲川・犀川堤防改修促進期成同盟会はもとより、地域の皆様と一体となって要望活動に取り組んでまいります。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 建設部長、黙々と今、説明されましたけれども、雨が降ると、これ大変なことになるんでスピードを上げないと、一回目はよかったんだけど、二回目でがぶっと来たんで、今度また来ると、ブロックを入れて逆に上がっている部分もあるんで早く、昨日も同盟会を開いたら、予算がないからというようなことで要請はしているというんだけれども、これ緊急を要するもんですから、市長、これもっと早い対応をお願いしたいと思うんだけれども、その辺の御決意をお聞きしたいんですが。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 一応緊急的なことについては、今、建設部長が御報告したとおり、かなり進んだと思っています。予算がないというのは千曲川の方ですよね。それについては、私どもはいずれにしても、千曲川河川事務所とも十分連絡を取って、基本的には一級河川ですから、何が何でもしっかりやってもらうということは当然のことでございますから、私どもも全力を挙げて応援したいというふうに思っています。よろしくお願いします。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) 実は、流れを変えるため丹波島橋の上流で、川の真ん中を割りまして、真ん中に土手みたいなものを造って流れを変えようとしたんですが、やはり川は流れを変えてくれないですね。必ずそこへ戻ってくる。でありますから、丹波島の橋の上も実は水が増したら大変なんで、それから今の綱島と。ですから、丹波島橋の上流から長野大橋の下まで護岸工事を積極的にやってもらわないと駄目なんで、是非それをお願い……、市として、積極的に乗り出してもらいたいと思います。 それから、もう一つさっき落としちゃったんだけれども、犀川の発電所の耐震性はどのくらいあるのか、ちょっと教えてください。 ○副議長(寺澤和男君) 倉澤建設部長   (建設部長 倉澤 孝君 登壇) ◎建設部長(倉澤孝君) 犀川、裾花川の発電施設の耐震性についてお答えいたします。 市内を流れる犀川には上流から東京電力が管理する平ダム、水内ダム、笹平ダム、小田切ダムが、裾花川には県が管理する奥裾花ダム、裾花ダム、湯の瀬ダムがございます。裾花ダムは、アーチ式コンクリートダムで、それ以外は重力式コンクリートダムでございます。 長野県も東京電力もダムの安全性につきましては、河川管理施設等構造令等で規定する震度法により耐震設計を行っております。これは、設計震度から求めるダムに働くと想定される力に対し、滑動しないこと、転倒しないこと、発生した応力に対し必要な強度を持つことを条件とし構造計算を行っており、過去に近隣で発生した地震を参考に設計しております。 国土交通省では、三月に発生した東日本大震災と栄村を中心とする地震を受け、四百十四基のダムについて臨時点検を地震発生直後に実施いたしましたが、アーチ式及び重力式コンクリートダムでは、管理上支障のある被害は確認されていないと報告されております。 なお、この調査では、犀川、裾花川の県及び東京電力所管のダムについて異常は報告されておりません。 このようなことから、知見に基づく耐震設計を満たし、かつ、阪神・淡路大震災や東日本大震災の調査結果からしても、コンクリートダムにおいては、ダム管理上支障のある被害を受けた事例は確認されていないことから、発電施設を有するアーチ式及び重力式コンクリートダムについては、地震に対して安全性は確保され、十分に耐えられるものと考えております。 また、先ほどの地元の同盟会等からの要望につきましては、市の方も積極的に要望活動を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) それじゃ、是非先ほど言いました丹波島橋上流から長野大橋下流までの堤防強化、これをどうしてもやらなければですね、またこういうことが起きてまいりますので、ひとつ含めてお願いしたいと思います。 次に、小規模工事の契約の見直しについて伺いたいと思います。 現在、小規模工事については五十万円以下の契約となっておりますが、県は百五十万円と聞いております。本市においても、百万円以下というふうに見直してはと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(寺澤和男君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) 小規模工事契約の見直しについてお答えいたします。 ただ今、小規模工事の対象金額を百万円以下に見直すことの御提案を頂きましたが、本市では設計金額が百万円未満の工事の契約事務につきましては、担当課が行う契約としておりまして、このうち五十万円以下の小規模工事につきましては、設計書付き見積りによる随意契約によって直接発注しております。 本市の平成二十二年度の五十万円以下の小規模工事の発注状況は、件数が三千五十二件、当初契約金額は十一億三千四百八十八万円でございます。発注に際しましては、地元及び近傍の小規模事業者の中から、等級格付等を考慮いたしまして発注するよう努めておりまして、競争入札に比べると、発注者及び受注者双方の入札、契約事務の軽減と効率化が図られております。 また、議員の方から長野県の状況についてお話がございましたが、長野県が実施しております小規模補修工事は、緊急を要する道路、橋りょう、河川等の補修工事につきまして、あらかじめ当番登録された事業者に発注する方式で実施されているものでございまして、緊急以外の工事については、参加希望型競争入札又は受注希望型競争入札で行われていると聞いております。 御提案のような手法で、小規模工事の対象金額を引き上げることは、入札契約手続の透明性、公正性、競争性及び入札参加機会の確保が低下することが考えられますことから、対象金額は現行どおりといたしまして、適切に発注するよう努めてまいりますので、御理解をお願いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) そういう趣旨は理解できないわけじゃありませんが、五十万円以下というと経費を引くと、工事費はもう僅かなものですよね。それで、しかも執行が遅かったり、あるいは緊急性のあるものやいわゆる景気対策というようなものをやって、そして結局一つの作業を職員の方がやるのに大きいものも小さいものも、日数がある程度かかるということもございます。 だから、それはそういう部分でのいい面もあるかもしれませんが、やはりもう少し見直して金額は上げてもいいんではないか、今の状況から。だって、財政部長、五十万円だったら、実際の工事額は幾らですか、経費を引きますと。 ○副議長(寺澤和男君) 山澤財政部長   (財政部長 山澤謙一君 登壇) ◎財政部長(山澤謙一君) お答えいたします。 私どもといたしまして、個別ケースにつきまして詳細は存じ上げないところでございますが、いずれにしましても、任意性が高い随意契約よりも公平性、競争性が高い競争入札制度というのは重要なものかと思っておりますので、その点を御理解いただきたいと思います。 ○副議長(寺澤和男君) 塩入学議員 ◆四十番(塩入学君) これ以上やっても平行線かもしれませんが、例えば百万円のものを二つに割って工事をしているというような実態もございます。 そういう意味からすれば、別に百万円にしたから全部上げろというわけでなくて、必要なものはやればいいわけでありまして、やはりそういう意味では、いろんな準備やその他を含めれば、時代の要請からして、もう五十万円ということになれば、管理費を引けば、実際の工事費は大体三十万円から三十五万円で止まってしまうわけでありまして、工事費が五十万円あるわけじゃありません。 費用はかかっても、そんなわけですから、そういう意味では、これ以上申し上げても、あれですから、また委員会でもやりますが、是非ですね、御検討いただければと思っています。 以上で終わります。ありがとうございました。 ○副議長(寺澤和男君) 二十四番池田清議員   (二十四番 池田 清君 登壇) ◆二十四番(池田清君) 二十四番、市民ネットの池田清でございます。通告に基づき一問一答で質問いたします。明快で前向きな答弁を求めます。 最初に、脱原発社会への転換についてお伺いいたします。 まず、東京電力福島第一原発事故の対策についてお伺いいたします。 三月十一日、東日本を襲った巨大地震と津波は約二万五千人の死者、行方不明者を出し、今なお九万人近い被災者が避難所での不自由な生活を余儀なくされています。亡くなられた皆様に対し御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。 福島第一原発においては、原発震災が現実のものになり、広範囲に放射性物質が飛散し、大気や大地、海、農畜産物、海産物を汚染しています。現在もなお収束のめどが立たず、住み慣れた我が家にいつ帰れるのか見通しが立ちません。想定を超える自然災害とはいえ、核分裂のエネルギーは人間の英知をはるかに超えて、人間が完全に制御することができないことが実証されました。今後の日本の原発政策の在り方について、根本的な課題を投げ掛けています。 そこで、原発事故対策についてお尋ねいたします。空間放射線量については、安茂里の県環境保全研究所の屋上、これは地上十五メートルにありますけれども、モニタリングポストの測定に頼るだけではなく簡易測定器の導入により、より生活実態に近い地上一メートル付近での独自の測定体制を構築する必要があると考えますが、御見解をお伺いいたします。 また、乳幼児や保育園児などへの放射能被害を防ぐため、安定ヨウ素剤を確保するとともに、消防署には放射能に対応する防護資機材を整備するなど万全を期すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。   (二十四番 池田 清君 質問席へ移動) ○副議長(寺澤和男君) 水野環境部長   (環境部長 水野守也君 登壇) ◎環境部長(水野守也君) まず、私からお答えを申し上げます。 長野県が市内安茂里の環境保全研究所の屋上に設置して行っておりますモニタリングポストによる空間放射線量の測定は、地面や周囲の影響を受けず、地域を代表する空間放射線量を継続的に測定するため、地上十五メートルで実施しているものでございます。本市の放射線の状況は、県の精密測定の結果により判断しておりまして、現状では問題のない状況にあると考えております。 今回導入を予定しております簡易測定器は、持ち運びが可能で機動性がございますので、議員さん御指摘のように、地上一メートル付近での測定も可能となります。導入に当たりましては、測定地点の空間放射線の状況や屋外活動への影響などを判断する上で、より効果的な測定方法や測定体制を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 小林保健所長   (保健所長 小林文宗君 登壇) ◎保健所長(小林文宗君) お答えいたします。 安定ヨウ素剤は、甲状腺への放射線被爆を阻止、低減させる効果があり、我が国の予防内服についての考え方としては、服用対象者は四十歳未満で、特に乳幼児、妊婦が優先されることと示されています。 投与開始時期については、甲状腺への被爆線量が百ミリシーベルトを超えると予想される場合で、事故等で放射性ヨウ素が放出され、体内へ吸収される前二十四時間以内及び直後の服用が最も効果が大きいとされていますが、アレルギー等の副作用もあり、服用に当たっては十分な注意が必要です。放射性ヨウ素に対する防護対策としては、安定ヨウ素剤の服用とともに、屋内退避や市外への避難を行う等より実効性のある対策が必要になります。 本市におきましては、この度の福島第一原発の事故について、これらの防護対策を必要とする状況は極めて低く、早急に安定ヨウ素剤の確保をする必要はないと考えております。長野県においても、確保はされておりません。今後、原子力災害により深刻な事態が発生した場合には、その影響が広域に及ぶことから、国、県の動向等を注視し、実効性のある対策を研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 池内消防局長   (消防局長 池内公雄君 登壇) ◎消防局長(池内公雄君) 私から、放射能に対応する防護資機材の整備についてお答えいたします。 現在、消防局では放射線から身体を保護し、消火活動ができる耐熱防護服を二着、また危険区域内で使用する防護服を千着、さらに各種放射線を測定する機器については、消防局が高度救助隊用として整備したものと、総務省から貸与されているものを含み、放射線測定器を八台、一番危険な中性子を測定する器具を一台、隊員が装着する放射線線量計を二十台保有しております。 放射線災害時における防護服及び放射線測定器は、一定量確保しておりますが、消火活動用の耐熱防護服については充実強化を図るため、今後も計画的に整備していく予定であります。 現在、全国消防長会では東日本大震災を踏まえ、国に対し放射能災害時の資機材の充実等について緊急に整備するよう要望しておりますので、国の動向を注視しながら、有事の際には迅速・的確な対応ができるよう努めてまいります。 私からは以上であります。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 昨日も新聞の報道にありましたとおり、県では、小・中学校の校庭における放射線量の測定を行いました。長野市内でも、篠ノ井西中学校において地上約一メートル付近での測定がありまして、それほど高い数字ではないということが報道されておりますけれども、やはり子供さんをお持ちのお母さん方、お父さん方、保護者の皆さんは大変その辺が心配だと思います。 地上十五メートルということではなくて、生活実態である一メートル、あるいは子供の生活するそうした環境としての五十センチ、この辺については、先ほども消防局の方には大分簡易測定器が現実にあるようですから、そうしたものも含めて、これからも測定をして市民の皆さんに安全ということをしっかり周知をしていく、そのことが必要であると思います。 それでは、次に移ります。 中部電力浜岡原発運転停止と節電対策についてお伺いいたします。 今後三十年以内に八十七パーセントの確率で予想される東海地震の予想震源域に設置されている浜岡原発の運転停止により、電力の安定供給不足が懸念される中、中部電力は長野営業所長と営業課長が市長に七月から九月までの三か月間、月曜日から水曜日までの午後一時から四時までのピーク時に節電の協力要請を行ったとお聞きします。 中部電力の今年の夏の供給予備率が五パーセントとなる見通しで、安定供給の目安である八パーセントから十パーセントに達しないことがその理由です。これに対し市は、午後の冷房運転時間の五十パーセントカット、庁舎照明の間引きなどにより、約二十五パーセントの削減計画を策定しました。 また、平日の昼休み時間の変更により、ピークカットに対応しようとしています。そもそも中部電力の節電要請には具体的数値目標を伴っていたのかについてお伺いいたします。併せて、庁舎の一時間当たりの消費電力、冷房運転時間の五十パーセントカット、庁舎照明の間引によるそれぞれの節電電力について、積算根拠を含めてお伺いいたします。 いずれにしても、昨年のような猛暑となれば、冷房運転時間の五十パーセントカットを機械的に実施することによって体調を崩す職員、あるいは具合が悪くなる来庁者が出る危険性があります。また、照明の間引きについても、労働安全衛生上の最低基準を下回らないよう職員の労働安全、また高齢者など来庁者の安全を確保する観点から天候などを考慮し、臨機応変な対応も必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。 今回の電力不足は、これまで運転していた浜岡原発四号機、五号機が運転中止により、二基で二百五十一万七千キロワットの電力が失われたことが最大の原因です。市民に対し広報やメディアを通じて、節電の協力要請を行うことは必要であり、重要なことと考えます。 一方で、従業員百人以上の百五十五事業所に百四十名もの部課長がオール長野でピーク時節電、このキャンペーンと銘打ってPR訪問を行うことに違和感を禁じ得ません。一義的に中部電力の課題です。PR訪問は中部電力の要請によるものなのか市長にお伺いいたします。併せて、PR訪問における要請の具体的な内容についてもお伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 初めに、中部電力からの節電要請についてでございますが、市役所として何キロワットアワーを削減してください、節電してくださいといった具体的な数値が示されたものではなく、飽くまでもピーク時の節電協力の要請でございます。 次に、庁舎の一時間当たりの電力使用量についてでございますが、昨年の夏、第二庁舎で最大使用したのは九月六日の午後一時から三時までの一時間当たりの使用量が約五百八十キロワットアワーでございます。 今回、市役所のピーク時の節電対策は、この数値を基準として、そこから何パーセント削減が可能なのかということを算定したものでございますが、冷房運転を小まめに制御することで半分程度にした場合には、百十五キロワットアワーが節電可能で、約二十パーセントの節電効果となります。庁舎の照明を五台のうち一台程度を間引いた場合には、約十四キロワットアワーが節電可能でございまして、約二・四パーセントの節電効果となります。 次に、節電対策は臨機応変な対応が必要とのことでございますが、御指摘のとおり、機械的に実施するのではなく柔軟に対応してまいりたいと考えております。 冷房運転の場合、庁舎の床面積によりまして、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令、あるいは労働安全衛生法による事務所衛生基準規則が適用となります。いずれも事務所の温度は二十八度以下となっております。そのため、室内の温度状況を見ながら、二十八度程度を保てるよう小まめに運転を制御することで、ピーク時の運転時間を半分程度にすることを目安に実施してまいります。また、照明の間引きにつきましては、適正な照度といたしまして、五百ルクス程度を確保した上で実施することとしております。 議員さんおっしゃられるように、曇りや雨などの暗い日や健康状態等によってそれぞれ状況が異なりますので、適宜照度計を使って照度を測りながら、各職場において対応しているところでございます。 いずれにいたしましても、この電力不足による不測の事態が生じた場合には市民生活、それから事業活動に多大な影響が及びます。市役所において率先して実行していくことはもとより、市民、事業者の皆様にも協力を呼び掛け、市全体で取り組んでいかなければならない問題と考えております。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇)
    ◎市長(鷲澤正一君) 私からもお答えをいたします。 企業への節電協力依頼については、中部電力からの要請に基づき長野市として協力要請が必要と判断し、実施しているものでございます。 今回の原発事故に伴い、東京電力管内で実施された計画停電は記憶に新しいところでございますが、公共交通網の混乱、企業活動の停滞など、国民生活全体に多大な影響をもたらしました。私は当時の報道に加えて、対応に追われた自治体の首長の皆さんからも直接お話をお聞きする中で、この夏、本市が同様の状況に陥ることは何としても避けなければならないという思いを強くしております。 今回の中部電力の節電要請に対し、長野市が一事業所としても可能な限り応えるつもりでおりますが、市役所の電力消費量は長野市域全体の約四パーセントに過ぎず、計画停電などの最悪の事態を避けるためには、市民の皆さんはもとより、全体の三分の二以上の電力を消費されている事業所の皆さんに節電対策が不可欠であるということから、市民生活全体に責任ある自治体の立場で、規模の大きい事業所を中心に職員が直接訪問して御協力を要請する必要があると判断したものであります。 次に、要請の具体的内容については、六月十三日から二十四日までの二週間、市役所でも責任のある立場の部課長が、電力使用量の多いと思われる事業所を訪問しまして、七月から三か月にわたり月曜日から水曜日までの午後一時から四時までの電力使用ピーク時間帯に節電する意義を御説明するとともに、市の取組や事業所における節電例を御紹介しております。 今回の企業訪問や市報などを通じたPRにより、節電への理解と取組が進み、何事もなくこの夏を乗り切れることを願っております。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 中部電力からの具体的な節電要請の数値的なものですけれども、これは会派の説明会において示されたものなんですけれども、今までの計画の中では二・四パーセントの二十パーセント照明カットと、それからパソコンの起動の調整などの〇・二パーセント、これで二・六パーセント削減とあります。ただし、その下にこれは中部電力からの要請には不足という一行が入っています。 そして、二として、先ほどの冷房の五十パーセントを初めとして、その他エレベーター等が入って、これで二十五パーセントという数字が出て、じゃ、これで中部電力の要請には応えられるのかという、そういうロジックかと思うんですけれども、そうすると、具体的な数字がないのはちょっと変だなという気がします。改めて、この要請には数値目標がなかったのか。関西電力などは、大阪府にも十五パーセントなどのそうした目標値を定めておりますけれども、そうしたところが、大分まだ理解を得られていないところがありますけれども、本当に数値目標の要請はなかったんでしょうか。 ○副議長(寺澤和男君) 水野環境部長   (環境部長 水野守也君 登壇) ◎環境部長(水野守也君) 私からお答え申し上げます。 今、議員さんのお尋ねの点につきましては、既に報道もされておりますけれども、中部電力のお話によりますと、この夏の期間中ですね、電力の供給にはいわゆる余力が八パーセントから十パーセントが望ましいわけでございますが、要請の時点では、その時点では四・八パーセント確保できたと。今申し上げた余力の最大十パーセントと比べますと、まだ最大で五パーセント、供給の余力が不足すると、そういう御説明をいただきました。この最大五パーセントということを私どもは目安として考えたということでございます。 以上でございます。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 市長の答弁で、先ほど一事業所としての長野市の電力消費量は約四パーセントというお話がありました。であるならば、やはり県などが県省エネルギー・自然エネルギー推進本部というものを県知事が本部長として立ち上げておりますけれども、そこに多くの経済団体、事業者団体などもお集まりをいただいて、この節電に対する共通認識を持っていただいているわけですけれども、そうすれば、四パーセントたる長野市ということだけではなくて、多くの事業所の皆さんの会社を訪問するということの前にですね、この市の段階でもそうした対策本部なりを設けて、正にオール長野で節電というふうに大きなキャンペーンを銘打っているわけですから、そうした対策本部など設けて、そして事業者などにも呼び掛けて、そうした組織の立上げというものも必要じゃないかと思いますが、市長、お考えいかがでしょうか。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) おっしゃる意味が私、ちょっとよく分かりません。県は確かに長野県全体を考えてこういうふうにしましょうと申し上げて、私も長野市全体を考えて、長野市の分としては四パーセントだけれども、それをもっと広げてやりましょうということで、私同じことだと思いますので、いいと思っています。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 次に、今後の原発政策についてお伺いいたします。 福島第一原発事故は、原発の安全神話を崩壊させました。核分裂のエネルギーは人間の英知をはるかに超えて、人間が完全に制御することができないことが実証されました。原子力発電が三十パーセントを占めているという現実にたじろぐことなく、原子力に頼るエネルギー構造を根本的に転換し、再生可能なエネルギーの研究開発、普及を進め、脱原発社会に転換すべきと考えます。 広島、長崎に二発の原子爆弾が投下され、一瞬にして二十万人もの命が奪われました。世界で唯一の被爆国として、効率と経済性によって支配される社会にあっても、作家村上春樹氏がスペインのカタルーニャ国際賞授賞式においてスピーチしたように、非現実的な夢想家となり脱原発社会に転換すべきと考えます。今後の原発政策について、市長にお伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 今後の原発政策についてのお尋ねでございますが、今回の福島第一原子力発電所の事故は、我が国のエネルギー政策の在り方について極めて重い課題を提起することになったと思っております。今回の事故は我々の想定をはるかに超えたレベルで発生し、その結果、経済活動にとどまらず、国民の安全・安心な生活そのものに大きな影響を与えていることは事実であります。 ただし、原発が我が国の発電量の約三割を賄っていること、国民生活や経済活動を支えてきた基盤であること等もこれ事実でありまして、議員さんがおっしゃるように、エネルギーとしての原子力発電そのものを現時点で直ちに全否定することにはつながらないのではないかと私は考えております。 今回の事故により、原子力の安全確保に大きな疑問符が付きました。このため私としては、まずは事故原因の徹底究明と安全対策の全面的な見直しを進めながら、同時に今回のような節電の取組を徹底していくこと、さらには自然エネルギーなど再生可能エネルギーの開発、普及にこれまで以上に力を注ぐことによって、将来的には可能な限り原子力への依存度を低くすることができるものと考えております。 また、エネルギーの在り方については、供給の安定性、持続可能性、環境負荷への影響、コスト面等、多面的に検討し、同時に解決すべき問題が多くあります。 今後、これらの点について十分に議論を尽くし、英知を結集する中で、最終的に国民的合意の下でバランスのとれたエネルギー政策が構築できるものと確信をしております。今、正に歴史的な国難を乗り越えて、将来にわたって持続可能な社会を構築していくための知恵を出すべきときであります。 本市としても、自然エネルギー利用を更に進めるとともに、エネルギーの地産地消という観点からも研究を重ね、地域の中でできる取組を積極的に発信してまいります。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 私も今すぐ全ての原発を停止するという、そういう脱原発を言っているつもりはありません。現実的にこの経済活動が行われている中で、それを徐々にと思っているわけであります。また、市長が先ほどこれからの原発について、推進ではないというお話もいただきましたので、理想に向けて、そうした前向きな方向というものをお探りをいただきたいと思います。 それでは続きまして、市役所第一庁舎及び長野市民会館の建て替えについてお伺いします。 合併特例債の活用についてお伺いいたします。 本年六月市議会招集日の議案説明で市長は、庁舎及び市民会館の建設は、将来に必要かつ重要な事業であり、これまでの議論や検討の積み重ねを重く受け止め、市としては計画を進めてまいりたいと、強い意志を示されました。しかし、私は合併特例債については、このことの見込みは変更は認めないというそうしたことで進めるのではなくて、国の第二次補正予算の成立、あるいは来年度予算編成の概要が示され、合併特例債の見通しがつくまでは、一旦作業を停止するべきと考えます。市長の御所見をお伺いします。 また、特別委員会においては、この合併特例債の他に基金の取崩しなどを行って財源を確保して建設をするという、そうしたこともおっしゃっています。そうした市長が合併特例債の有無にかかわらず、建設するおつもりなのか、改めてお伺いをいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 合併特例債の活用についてお答えをいたします。 事業の実施に際しては、その時点で使える一番有利な資金を活用することが財政運営の原則であります。したがいまして、庁舎及び市民会館の建設に当たりましては、適用できる起債の中で最も有利な財源である合併特例債を活用するとともに、国の補助金や建設のための基金と合せて、将来の市の財政負担を最小限に抑えて実施するもので、本市において合併特例債が活用できる平成二十六年度を見据えて、事業を進める必要があります。 合併特例債の見通しがつくまで作業を停止すべきではとの御意見でございますが、国では東日本大震災の復興に伴う第二次補正予算と、その財源の議論が行われているところではありますが、現時点で合併特例債の縮小、廃止等のお話は特にお聞きしておりません。 なお、報道によると、総務大臣が東日本大震災で被災した自治体に限って特例債期限の延長を検討する考えを示したとのことでございますが、全国一律ではないようでございます。 また、合併特例債は、地方分権の担い手となる基礎自治体の行財政基盤の確立を目指して国が強力に推進してきた、平成の大合併を支援するための制度であり、現に合併特例債を活用している合併市町村の数は、全国で五百五十以上に及び、本市に限らず全国的に広範な影響があることから、本市としては、現時点で合併特例債が使えなくなることは考えておりません。 いずれにいたしましても、ここで作業を遅らせることは、平成二十六年度までの事業完了にも支障を生ずる懸念もあることから、計画に沿って事業を進めるべきと考えております。 また、万一合併特例債が活用できない事態がある場合でも、庁舎及び市民会館の建て替えは、本市の将来に必要かつ重要な事業であることに変わりはありません。仮に、予定している財源やスケジュールに大きな変更が生じる場合は、基金や民間資金の活用等も含め、その時点で議会と十分協議しながら進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 次に、建設の賛否を問う住民投票を求める署名活動についてお伺いいたします。 市長は、一部市民の活動のようにお考えのようですけれども、三月十一日以降の市民感情は大きく変化しています。四月五日開催の第二十回長野市民建設検討委員会を傍聴しました。委員長は基本計画案を委員会として認めることについて、全委員の理解を得ることができたとして議事を粛々と進めました。 しかし、一方で一部委員からの提案により、出席者全員が東日本大震災と市民会館の建設について、率直な意見を述べられました。多くの委員が心情的にはこの大震災以後の社会情勢では、合併特例債を当て込んで新市民会館を建設することは見送るべきとの内容でありました。その財源は、震災復興に充てるべきとの発言も複数の委員からありました。出席者の多くが建て替えに慎重あるいは否定的であると私は感じました。 条例制定の直接請求は、地方自治法第七十四条の規定に基づき住民が有権者の五十分の一の署名をもって条例の制定を市長に請求できる制度です。正に、民主主義のルールにのっとって進められています。市民の意見を真摯に受け止めるべきです。署名活動は七千名を上回ったということが今、報道されています。住民投票を求める署名活動について、市長の御所見をお伺いします。 ○副議長(寺澤和男君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 住民投票を求める署名活動についてお答えをいたします。 直接請求を求める活動については、地方自治法に定められた市民の権利であり、当然に法の手続に沿って進められるものと考えております。条例制定の請求の場合、法定の必要署名数は有権者の二パーセントに当たる六千二百五十七名ということでございますので、恐らく請求自体は成立するだろうと思いますが、市としては今後、正規の直接請求に至った時点で対応してまいりたいと考えております。 直接請求を否定するものではありませんが、私は以前から申し上げているとおり、庁舎や市民会館の建て替えといった事業は、市の防災拠点としての機能や文化芸術振興の在り方、将来のまちづくりや財政運営など、様々な要素を総合的に検討して判断する必要があることから、単に事業の賛否だけを問う住民投票やアンケート等の手法にはなじまないものと考えております。 したがいまして、これまで本事業につきましては、市民の皆さんに資料の全戸配布や市民会議等の開催を通じて御説明申し上げ、市民意見を募集するなど、通常の事業以上に丁寧に時間をかけて進めてまいったところであり、その上で、地方自治の二元代表としての議会と十分に協議して方針を決定するというように、議会制民主主義の手続を尊重して進めてまいりました。 今後も引き続き市民の皆様に丁寧に御説明を申し上げながら、議会との緊密な連携の下で進めてまいる所存でございます。 なお、四月五日の建設検討委員会では、十二名の出席者のうち、個人的意見として四名の方から慎重な議論や再検討の必要が出された以外、八名の方からは震災への支援は重要だが、市民会館は子供たちのため、地域のために必要である等の前向きな意見が多かったと私は聞いております。建設計画の御承認と併せ、委員会として御了承いただいたものと認識をしております。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 建設検討委員会の受け止めなんですけれども、これは特別委員会において総務部長からも同じような形での報告がありましたけれども、私はとてもそういう前向きな方向を強く感じたという受け止めではありませんでした。正に感情的なですね、合併特例債のお金を被災地に回せというような、そういう感情論は別にしても、結構皆さん方がしっかり受け止めて、そして、今でなくてもいいのではないかということを強く言われていたと思います。 私も第一庁舎と、それから市民会館を両方一緒ということではありませんけれども、第一庁舎がやはり災害の防災の拠点としての必要性は十分感じておりますが、市民会館はまだまだその中身についても十分な議論が必要であると思います。まだまだホールからの軸の問題、縦軸なのか、南北軸なのか、そのことも含めてより時間をかけるべきだと思います。 その他として、下水道使用料の賦課漏れについてお伺いいたします。 賦課漏れ金額が一億七千五百万円余という多額であるとともに、その中で時効となるものが九千六百万円を超えるという、今回の調査結果は市民の信頼を大きく損なうものであったと考えます。また、公営企業である下水道事業に大きな損害を与えました。 原因分析によると、受付・審査・検査時の確認不足、書類の引継ぎ漏れ、入力ミスなど、人為的なものが多くを占めています。職員は限られた人数で大変頑張っておられると思います。 主なる原因は、確認のダブルチェックなどが不十分であるということが考えられますけれども、私はこれに加えて行革推進プランによる職員への業務量の負担増がその背景にあるのではないかと考えています。惰性というような先ほどの発言もありましたけれども、決してそうしたことが主因ではないと思います。 水道料金の徴収業務の民間委託、公営企業管理者を置かなかったという市長の判断、浄水場の運転管理業務の民間委託などなど、こうした一連の効率と採算性を最優先する行政改革により、生み出した経費の削減以上の金額を結果として賦課漏れという形で損失を出してしまったということではないでしょうか。 お客様サービスの向上と市民の信頼回復のためには、効率と採算性を最優先する行政改革の総括が必要であると考えます。コストダウン最優先の内向きな改革ではなく、お客様サービスの向上を軸とした改革を行うべきと考えますが、上下水道事業管理者の見解をお伺いいたします。 ○副議長(寺澤和男君) 中村上下水道事業管理者   (上下水道事業管理者 中村治雄君 登壇) ◎上下水道事業管理者(中村治雄君) この度の下水道使用料の賦課漏れにつきましては、業務の実態に即した申請様式が整備できていなかったために、受付・審査時の確認不足や関係課の間での書類引継ぎ漏れが生じたこと、また内部のチェック体制が十分に機能していなかったために、入力漏れを発見できなかったことが主な原因であり、議員さん御指摘の長野市定員適正化計画による人員削減が原因ではないと考えております。 上下水道局では、賦課漏れとなった原因分析を踏まえ、再発防止策を講じてきているところであります。具体的に申し上げますと、使用する様式を内容が分かりやすく、ミスが生じにくいものに替える。入力処理は必ず複数の職員で確認する体制を整備する。各課が管理するデータを定期的に照合して、賦課漏れの有無を点検するといったことが主な内容であります。こうした一連の改善を図ることや研修を通して意識改革を図り、再発を防止してまいりたいと考えております。 次に、お客様サービスの向上という点につきましては、今後も適正な料金の維持に努めることはもちろんでありますが、お客様に安心して水道や下水道をお使いいただくために、上下水道局独自のホームページを開設して、経営指標や事業計画、また破裂事故といった緊急性の高い情報を掲載するなど、積極的に情報を発信し、職員一丸となって、なお一層のお客様サービスの向上に努めてまいります。 多大な御迷惑をお掛けしました利用者の皆様を初め、市民の皆様に対しまして、改めて深くおわび申し上げます。 ○副議長(寺澤和男君) 池田清議員 ◆二十四番(池田清君) 私、主因--主なる原因が職員の削減ということを言っているわけではありません。それに至った誘因といいますか遠因、その背景としてそれがあるということでありますから、このことについてはしっかり精査をお願いしたいと思います。 いずれにしても、大変御苦労された職員の皆様がこれからまたそれぞれのお宅を訪問するということになると思います。市民の皆さんにしっかり御説明をいただきながら、御理解をいただけるような、そうした努力をお願いをしたいと思います。 以上で質問を終わります。 ○副議長(寺澤和男君) この際、ここで十分程度休憩いたします。   午後三時 休憩   午後三時十一分 再開 ○議長(三井経光君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 四番寺沢小百合議員   (四番 寺沢小百合君 登壇) ◆四番(寺沢小百合君) 四番、新友会寺沢小百合でございます。 大震災が発生してから三か月がたちました。福島第一原子力発電所の放射能問題がいまだ収束の時期が見えず、今でも災害は起きていると私は考えています。被災地から多くの方々が長野市にも避難されていると認識しています。現状と受け入れている中で起きてきた問題点と課題についてお伺いします。また、住んでいただいている地域の方々の支援についてもお聞かせください。   (四番 寺沢小百合君 質問席へ移動) ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 最初に、避難者受入れの現状につきましてお答えをいたします。 六月十六日現在でございますが、本市の受入避難者数五十三世帯、百八十三人であり、被災県別では福島県が四十四世帯、百五十九人、宮城県が五世帯、十一人、岩手県が一世帯、五人、県内の栄村からが三世帯、八人となっております。本市におきましては、市営住宅の受入条件を緩和しまして、自主的に避難している人も対象にしているところでございますけれども、問い合わせ件数がこの頃増えておりまして、今後、更に受入世帯数が増加すると見込んでおります。 次に、受け入れている中で起きてきた問題点と課題につきましてでございますが、依然として福島原発事故の収束が不透明な状況でありまして、避難が長期化する中、自立に向けた支援が必要と考えております。しかしながら、受入時に避難者と面談する中では、個々に様々な事情を抱えていらっしゃるため、画一的な対応では、例えば就労問題等の解決が難しいと感じております。自立に向けての生活基盤の確立が課題であると考えております。 続いて、住んでいただいている地域の方々の支援についてでございますが、各地区の民生児童委員さんが被災者宅を訪問し、相談支援やニーズ把握を行うとともに、見守り活動を継続的に実施することとしています。また、住民自治協議会や区が主体となりまして、義援金や物資などを支援している地区もあるとお聞きしております。 なお、形に現れる支援ではございませんけれども、被災者の方からは地域の方々の温かい言葉や御厚意に触れることができ、大変うれしかったというお手紙も頂いております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) よろしくお願いいたします。 私は四月の中旬、五月の上旬、下旬と三回、岩手県にボランティアをさせていただきに伺いました。最初に伺った岩手県大槌町の印象は、津波と同時に火災も発生したということで、町全体が赤茶けた鉄骨が山積みになっており、ここは私たちが住んでいる長野と同じ日本なのかと、目を疑いました。被災された方も悲しみとか涙が出るというものではなく、ただただ驚きだったと話され、災害後、よく耳にした災害に強いまちづくりなんてできるのだろうか、机上の空論ではないかと、この言葉にとても違和感を感じました。そんな中で、泥かきや家財道具の搬出をさせていただいたお宅の方々は、皆前向きに黙々と家の片付けに取り組まれていました。 二回目は、震災から二か月後ということもあり、町の中の瓦れきも随分片付いてきたなという印象を受けました。 三回目は約三か月後で、二回目と同じ宮古市の中学校の体育館で避難所になっているところに伺いました。避難所で寝泊まりさせていただき、給仕のお手伝いや荷物の搬出などの他、避難されている方々のお話を伺いました。 ここでは、同じものが人数分ないと出せなかったり、高齢者でも若者でも一緒などの平等性が避難所の和を保っていると感じましたが、この平等性をどのレベルに合わせるのか、何をもって平等とするかを深く考えさせられました。 被災直後は、命が助かっただけでも幸せと感じていたが、今は死ぬのも地獄、生きるのも地獄と感じているという言葉にどう反応してよいのか戸惑いました。避難所生活が長引く中で、精神的にも限界に来ていることを目の当たりにし、表面的な復旧と相反しての精神的な被災は大きくなっていると感じました。 また、子育て支援センターにも伺いましたが、子供が騒ぐので避難所に入れず、支援物資ももらえず苦労している方のお話や自閉症などの障害のある方も同様に、避難所に入れず苦労されているというお話も伺いました。 長野市には、津波が来ることはほとんどないと考えますが、地震災害、風水害、雪害などの災害発生により避難所で生活しなければならない状況も想定されます。本年度見直しされる防災計画の重点項目は何か。また、市民への周知方法はどうするのか、避難所では強いリーダーシップを持った運営責任者の存在が欠かせないと感じましたが、長野市が想定している避難所の運営、避難者への精神的ケアへの対応、さらに今回の震災では、現地には福祉避難所も開設されているということですが、そこにも入れない方々への対応について、現時点で想定されているお考えを伺います。 また、仮設住宅が急ピッチで建設されていますが、家を再建する資金がない、仮設住宅に入ったら、今度は全て自分で賄わなければならないが生活の糧がないなど、先の見えない不安で夜もよく眠れないと話されました。復興の基礎を成すのは、被災地で暮らしている方の雇用であり、生活基盤の確保だと強く感じました。 大震災後の長野市の経済に対する影響、企業への影響、雇用の状況などをお伺いします。 災害に強いまちづくり、これは最悪の災害を想定して防災拠点としての庁舎を初めとするハード面での整備はもちろんのこと、日頃からの地域コミュニティ、様々な場面を想定しての防災訓練、そしてスムーズな情報伝達のシステムが必要と考えます。 災害直後から長野市は職員を現地に派遣し、様々な面で支援をされてきたことに敬意を表します。特に、消防局におかれましては、ライフラインが整わない中での作業でかなり困難な状況下、最善の救援活動をされたことに心から敬意を表します。 今回の大震災の中で感じたこと、学んだこと、参考にしてシステムを変更したこと、そして災害に強いまちづくりとはどのようなものとお考えかお伺いします。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 本年度見直しをする地域防災計画については、一つとして、昨年一月の旧信州新町・中条村との合併で市域が広がったことなどにより、糸魚川・静岡構造線断層帯の地震も加えての検討、二つとして、東日本大震災を初めとして過去に発生した災害を教訓として、これまで想定していなかった原子力災害や火山の噴火等への対応、三つとして、国、県からの緊急点検・見直し事項としての災害対策本部機能の維持確保や物資等の備蓄や輸送の検討、四つとして、大規模災害時の被災地支援についても検討してまいります。市民への周知につきましては、新たな地域防災計画の冊子の作成やホームページへの掲載などを行ってまいります。 避難所の運営に当たりましては、派遣した職員のうちから避難所責任者を決め、避難者の受入・把握、食料・生活必需品等の受取、配給について責任を持って調整し、円滑な避難所運営を行えるようにいたします。しかし、職員だけで長期にわたる避難所の運営が行えるものではありませんので、住民自治協議会や施設管理者、ボランティア等を含めた避難所運営委員会を組織化し、その運営委員長の下で自主運営を行い、避難所責任者は、その運営について支援してまいります。 避難者への精神面での対応につきましては、保健師等が避難所の巡回健康相談を行い、話を傾聴いたします。また、災害等初動対応マニュアルの避難所活動手順に沿って、心身の状況を把握しながら、必要に応じて個々の状況に応じたパンフレットを渡して心のケアに努めるとともに、相談の中で必要と思われる方には、医療機関やカウンセリングの専門家につなげてまいります。 次に、福祉避難所につきましては、現在までに市では四十二施設を福祉事務所として指定しておりますが、災害の規模が大きく福祉事務所への収容能力を超える場合は、上越市、富山市及び町田市と結んでいる災害時相互応援協定、長野県市町村災害時相互応援協定、中核市災害相互応援協定に基づき、それらの自治体に福祉避難所の開設と災害時要援護者の受入れを依頼してまいりたいと考えております。 大震災後の経済状況でございますが、五月末の内閣府発表の地域経済動向では、長野県を含む北関東の景気は大幅に悪化しているとされております。一方、日銀松本支店が六月に発表した金融経済動向によりますと、長野県経済は震災の影響により下押しされているが、徐々に和らいできているとされており、経済状況の見通しについては、極めて不透明な状況であると思います。 次に、企業への影響でございますが、取引先の被災、製品・原材料の入手不足などから建設業、製造業の生産が落ち込んでおります。また、自粛ムードによる飲食業や宿泊業の売上げの減少、物流の減少に伴う運送量の減少、各種イベント中止によるイベント業や印刷業への受注減少など、大震災による影響が様々な業種に出ております。 次に、雇用につきましては、ハローワーク長野の発表によりますと、四月の有効求人倍率は〇・六八倍となり、三月より〇・一六ポイント下降しております。三月、四月の間は、例年この数値が落ち込む傾向が見られますが、今回の下降幅は若干大きくなっておるようです。新規求人数についても、前月と比較しますと、製造業、建設業、公務・その他などで減少しており、何らかの影響が出ているものと推察しております。 消防局では、地震発生当日の十八時には迅速に出動をいたしまして、災害発生後七十二時間以内が救命の限界であることを基本として、不眠不休のまま救助活動を行ったことで、三十四名の生存者を救出することができました。このことから、緊急消防援助隊の迅速な出動と、被災地での受入体制の確保が最も重要であることを再認識したため、地震での教訓を生かし、本市が被災した場合を考慮しながら、十一月に本県で実施する緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練で、援助隊がいかに早く到着が可能か、また受援体制について検討してまいります。 防災は、自助、互助、公助の理念の下、市民、地域、事業者、関係機関、行政が一体となった対策を推進することにより、被害の軽減を図り、各種災害からできる限り市民の生命・財産を守ることが市としての責務であると考えております。 東日本大震災の状況を考えますと、これまでも災害に備えての避難・収容・医療体制の充実や救助活動に必要な資機材の備蓄、あるいは建物の耐震化などを進めてきておりますが、市政運営全般について、これまで以上に防災という観点を根底に置きながら考えていかなければならないと思っております。 今回の大地震で、改めて安全・安心でしっかりとした公共施設の整備は不可欠であると感じましたし、日頃からの防災訓練の大切さを再認識いたしました。自然災害を発生させない、あるいはなくすということは不可能でありますが、災害による被害を少なくすることは可能だと思います。今後も災害時の被害の軽減を図るために様々な対策を講じ、市民や関係機関の皆様と共に、災害に強いまちづくりを推進してまいります。 以上です。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 常に最悪の状態を想定し、リスク管理をしていく危機管理能力が求められています。今回の震災で庁舎も壊滅し、首長も流されてしまったところと、被災をしながらも庁舎機能は使えるところとでは、復旧・復興の早さが違うように私は感じます。職員も被災者になる可能性があります。様々なケースを想定して訓練を重ねていただきたいと思います。 さて、長野市は社協やボランティア連絡協議会などで構成される長野市災害ボランティア委員会と連携されていると認識していますが、活動が長期化するにつれて、現地に行くボランティア希望者が増えない状況と伺っています。現時点での活動状況と課題、そして市のボランティア募集に対しての支援について伺います。 ○議長(三井経光君) 寺田保健福祉部長   (保健福祉部長 寺田裕明君 登壇) ◎保健福祉部長(寺田裕明君) お答えいたします。 東日本大震災の発生後、長野市ボランティア連絡協議会、長野市社会福祉協議会などが参画し、長野市災害ボランティア委員会を設立し、災害ボランティアの受付、登録事務、派遣等の活動を行っており、現在、個人三百三十名、二十一団体がボランティア登録し、岩手県大槌町へ九回、六十二人を派遣し、泥のかい出し、瓦れきの撤去作業などを行うとともに、長野でできる活動として雑巾づくりなどの活動も行っております。 次に、課題につきましては、大震災発生から三か月が経過し、活動が長期化する中で新たにボランティア登録する方が減少し、被災地へ派遣するボランティアの調整が難しくなってきており、継続した活動を行うためには、ボランティア登録に力を入れる必要があると聞いております。 市といたしましても、現在、市のホームページから災害ボランティアの募集についてお知らせしておりますが、今後も継続して周知するとともに、広報ながのへ募集記事の掲載、市役所の本庁及び各支所の窓口に災害ボランティア募集のチラシを配布するなど、市民の皆さんに協力依頼を行い、今後も災害ボランティア活動が継続できるよう支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 息の長い支援が必要となっています。長野市も更なる積極的な支援をお願いいたします。 中小企業の振興について伺います。 避難所には、事業をされていた方もいらっしゃいました。しかし、借金をして買った機械を失ってしまったとか、船を流されてしまったなど、この先どうしてよいのか途方に暮れている状態だと、皆さんおっしゃられました。三回目の避難所のボランティアには長野県中小企業家同友会に入っておられる方もいて、積極的にお話を聞き、アドバイスをされていました。 話をされた被災者の方からは、背中を押してもらった気がする。先が見えそうな気がするなどの声を聞くことができ、改めて中小企業家同友会などの経営者組織の力強さと重要性を感じました。企業の皆さんは飽くまでも自己努力が大前提ですが、長野市の多くの事業所が中小企業です。また、今回の被災対応でも、快く中小企業の皆さんがきめ細かで迅速な対応をされていましたし、平素から多くの企業が積極的な地域貢献をしてくださっています。 長野市における中小企業の割合と就業者の割合、近年の創業率と廃業率、そして平成二十二年六月十八日に中小企業憲章が閣議決定されており、長野県でも中小企業振興条例を制定される予定があるとお聞きしていますが、長野市に既にある長野市商工業振興条例の見直しなど、長野市の動向をお聞かせください。 また、大きな会社に就職することが良いことで、小さい企業に就職することは駄目なことというような社会の風潮を変えていく必要があると考えます。それには、子供たちへの職業教育、次世代の育成が必要と考えます。長野市の法人市民税を担っているのが主に中小企業などの事業者の皆さんだと認識しています。中小企業の中には、大変すばらしい技術を持つ企業も多いと伺っています。しかし、規模が小さいために持っている力を正しく評価されていない現状があると感じます。長野市を支える力を持っている中小企業であるにもかかわらず、大変残念に思います。企業の皆さんが元気になることイコール地域が元気になると確信していますが、中小企業に対して長野市として支援をされていることと、条例の見直しも含め、今後更なる支援の充実があればお聞かせください。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 長野市商工業振興条例の見直しなど、長野市の中小企業に対する支援についてお答えをいたします。 まず、本市における中小企業と就業者の割合でありますが、平成十八年に実施をいたしました総務省の事業所・企業統計調査から推測しますと、全企業に占める中小企業の割合は、およそ九十九・四パーセント、就業者につきましては、およそ八十二パーセントとなっており、市内産業における中小企業の役割は大変大きなものとなっております。 なお、御質問のうち、創業率と廃業率につきましては、市内の状況は把握できませんが、県につきましては、創業率が三・五パーセント、廃業率が五・六パーセントとなっており、近年は廃業する事業所の割合が高くなっております。 次に、県で制定を予定しています中小企業振興条例を参考に、長野市商工業振興条例の見直しなどを考えているかとの御質問でありますが、県では今年度から条例の制定について審議会で検討を始めておりますが、制定に向けた具体的な日程等については未定であるとお聞きをしております。また、他市における中小企業振興関係の条例内容を見ますと、中小企業対策に関する理念や基本方針を定めることにとどまっておるようでございます。 これに対しまして、本市が制定しております商工業振興条例は中小事業者への支援制度や工業用地の基盤整備、また融資あっせんなどの便宜供与などの基本事項を定めるなど、より具体的なものとなっております。現時点では、条例の見直しは予定しておりませんが、今後、東日本大震災の影響や長野県における議論などを注視してまいりたいと考えております。 次に、中小企業に対する本市の支援についてでありますが、本市産業の発展には新技術の開発、製造品の高付加価値化など、中小企業におけるものづくり産業の基盤強化が不可欠なことから、これまでにものづくり支援センターを設置し、レンタルラボや企業間の情報交換の場を提供したり、中小企業と信州大学を初めとする学術研究機関との産学連携に対し人的、資金的な支援を行っております。さらに、本年度は中小企業の皆様がより使いやすい補助制度とするよう、ものづくり研究開発事業補助金の補助率や補助期間を変更したところであります。 こうした支援を引き続き行い、また中小企業の皆様の御要望等を伺いながら、今後、必要に応じて条例の見直しを含めた支援策の充実を検討してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 中小企業で働く人たちが地域の生活者でもあり、消費者でもあることが今の数字で分かったと思います。地域の経済をよくしない限り、地域の中にお金がうまく回っていかないと思います。市としても、法人市民税などで大きな影響を受けると思います。 例を挙げると、長野市には印刷事業者、製本事業者が多くいらっしゃいますが、印刷製本に関わる入札では最低入札価格を設定していないとお伺いしています。現実は、原価割れしても仕事をしている現状があり、大変厳しいと耳にしましたが、長野市として入札制度に問題があるとお考えでしょうか。今、中小企業では何が問題で、何が課題となっているか聞き取り調査をし、施策に反映させる必要があります。他の自治体で作られた中小企業条例には、聞き取り調査などが盛り込まれているようですが、産業振興部長のお考えをお伺いします。 ○議長(三井経光君) 樋口産業振興部長   (産業振興部長 樋口 博君 登壇) ◎産業振興部長(樋口博君) いずれにいたしましても、これから大震災の影響も当然あることでございますので、市の方に相談に来ていただいている事業者の皆様並びにできるだけ広い範囲で、いわゆる御用聞き的な活動も含めて検討してまいりたいと思います。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 是非よろしくお願いいたします。 それでは、発達総合支援センターについて伺います。 ゼロ歳から十八歳までを対象とした施設にしたい考えだと伺っています。長野市としても大変期待をしている施設だと認識しています。市が必要と考えることを全て自前で行うことが無理だとするならば、民間と積極的に協働してよりよい施設にしていく支援をしていくことが、長野市民にとっても大きなメリットがあると考えます。不登校問題にしても、虐待問題にしても、発達障害が関係しているケースが増加していると認識しています。また、学校現場でも、幼稚園、保育園でも、発達障害のあるお子さんへの対応に苦慮されていると感じています。そんな中で、中核となる施設が必要と考えます。発達総合支援センターに対する長野市の具体的な支援策をお伺いします。 ○議長(三井経光君) 寺田保健福祉部長   (保健福祉部長 寺田裕明君 登壇) ◎保健福祉部長(寺田裕明君) お答え申し上げます。 発達総合支援センターは、長野市社会事業協会が長野ろう学校の建て替えに伴いまして、三輪学園の立ち退きを要請されたことを機会に、長野市愛の樹園と一本化し、障害児の相談支援と障害児の通園による療育支援や自立サポート事業を併せて実施することを目的とする施設で、平成二十五年四月の開設を目指し、現在、建設準備を進めているところでございます。 社会事業協会は、社会福祉施設の運営実績があり、幼児期から高齢期までの全ての世代についての相談機能を持った社会福祉法人ですので、発達総合支援センターの運営におきましても、これまでに培った実績を十分発揮していただけるものと大いに期待しているところでございます。 発達障害者支援法や第四次長野市総合計画において、障害児の早期療育体制の充実、障害児の能力と可能性を伸ばせる環境を目指すとしておりますので、市といたしましても、様々な形で支援してまいりたいと考えております。 市の具体的な支援策でございますが、まず建設用地につきましては、本市の中心地に位置していること、公共交通網等が整備されており、利用者の利便性が確保できること、近隣に長野赤十字病院、長野市保健所、中央児童相談所等があり、医療、保健、福祉、教育等が連携しやすい場所となっていることなどの理由から、市が所有しております若里多目的広場の一部を貸与する予定としております。 また、発達総合支援センター事業への支援は、市を初めとする関係機関が連携することであると考えております。具体的な連携の在り方は、まだ現在のところ検討段階でございますが、考えられる例といたしましては、相談がありました個々のケースについて、適切な支援の方向性を検討するため、関係機関の専門スタッフが参画するケース検討会議に庁内の関係各課の職員も出席し、行政の持つ情報の提供を行い、一緒に検討するということやセンター職員が市の委託先である相談支援事業所の相談支援専門員等とともに、保育園や小・中学校等を訪問し、保護者や保育士、小・中学校に配置されている特別支援教育コーディネーターの方々と情報共有を図りながら、適切な支援につなげていくことが考えられます。 さらに、障害児のライフステージに応じて、市のそれぞれの部署が持つ情報の共有化を図りながら、適切に情報を引き継ぎ、切れ目のない支援をしていくために、庁内の各課で構成する特別支援庁内連携会議と連携を図ることや県が設置する長野県発達障害者支援センターなどと連携することにより、幅広い支援ができるのではないかと考えております。 なお、建設に当たりましては、今後、事業内容に応じた施設整備費の補助を行うことを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 是非積極的な支援を御検討いただきたいと思います。 それでは、自然エネルギー政策について伺います。 メガソーラーを誘致したいと考えていらっしゃると伺っています。もちろん大切なことだと考えますが、飯田市のように家庭が発電所という考え方も大切であると感じます。市民の意識が向上するとともに、施設メンテナンスも市民の手でされ、正に一軒一軒が発電所です。 太陽光発電システム設置に関しては、補助金を出されていますが、比較的単価が安く、エネルギー利用の効率も良い太陽熱温水器などに対しても、積極的に設置補助金を出してもよいのではないでしょうか。これから、自然エネルギーを安定的により多く利用できるシステムが必要と考えます。 また、一般家庭の一年間の電気使用量はおよそ三千キロワットアワーとすると、二千から二千五百キロワットアワー使用している自動販売機の削減など、市としても積極的に行動できることがあると思います。 あるにこしたことがない生活から、なくても工夫すれば何とかなる生活への転換が求められています。原子力発電所が停止することにより、CO2の排出係数が必然的に変化しますが、バイオマスタウン構想の変更も含めお考えを伺います。また、全ての施策で環境面に配慮する必要があると考えますが、お考えを伺います。 ○議長(三井経光君) 水野環境部長   (環境部長 水野守也君 登壇) ◎環境部長(水野守也君) お答えを申し上げます。 太陽熱温水器は、県のアンケート調査では導入率が約九パーセントでございまして、太陽光発電の導入率約三パーセントと比べますと、太陽熱温水器は設置価格の面からも比較的導入しやすい設備であることがうかがわれます。また、昨年二十地区の住民自治協議会との環境行政に関する意見交換会を開催したところでございますが、この中で二つの地区から、今、御提案の助成制度の要望を頂いたところでございます。 現在、自然エネルギー利用に対する市民の関心が高まっている状況がございますので、県内六市町村で実施している補助制度の事例も参考にしながら、導入について検討してまいりたいと考えております。 次に、自動販売機は昨年度末での市の関係施設に二百三十二台が設置されております。台数の削減は、施設所管課の判断によることになりますが、節電という面では省電力機器の導入を入札の条件にしましたり、従来から設置しているものは照明カット等が既に実施されているところでございます。 次に、電力不足を補う方策としての火力発電によりCO2の排出量増加が懸念されています。このため、今後の再生可能エネルギー利用による発電につきましては、バイオマスタウン構想に掲げる各種バイオマスの利活用として、この三月に設立した推進協議会で十分に検討を行う中で、バイオマス発電が可能なものについても具体化を図ってまいりたいと考えております。 最後に、環境に配慮した施策の実施につきましては、市長マニフェストの全ての政策に環境の屋根を架けるという方針に基づいて取り組んでおりまして、個別事業といたしましては、例えばペーパーレス会議の実施ですとか、商店街街路灯のLED化、バイオマスボイラーや電気自動車の導入等が挙げられると思います。 これらに加えまして、本年四月からは全市有施設のエネルギー使用状況を一元的に管理しますとともに、事務事業評価制度においても全事務事業に環境の視点を導入することによりまして、更に環境に配慮した施策、事務事業の推進を図ってまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) ありがとうございます。 太陽光発電などを設置した時点で、平均電気使用量が二割減るという話もありました。積極的な自然エネルギー活用への推進策を図っていただきたいと思います。 それでは次に、放課後子どもプランについて伺います。 働く母親が増える中、子育ち・子育て支援は重要な施策だと考えます。働く母親同士の会話の中で、保育園のときは働けたけれども、小学校に入ると子供の預け先がないから働けないという話をよく耳にします。来年から放課後子どもプランの時間延長が予定されていますが、児童館・児童センター・子供プラザ館長らで組織された館長・施設長会では反対をされていると伺っております。子供を育てるのは親です。地域や学校がそれを補完する役割を担っていると思いますが、反対されている理由と長野市として子供たちがどう育ってほしいのか、そして子供の育つ権利が保障されているのか、お伺いします。 ○議長(三井経光君) 堀内教育長   (教育長 堀内征治君 登壇) ◎教育長(堀内征治君) 放課後子どもプランの開館時間延長に関しての子育ち・子育て支援についてお答え申し上げます。 平成二十四年度からの実施を予定しております放課後子どもプラン施設の開館時間の延長につきましては、現在、市と事業受託者との間で詳細な実施方法等について協議を進めております。全八十五施設中七十八施設を受託する長野市社会福祉協議会では、組織内部での実施体制の検討を施設の責任者により組織された館長・施設長会で進めていただいておりますが、議員さん御指摘のとおり、時間延長に慎重な意見があることは事実であります。 この中には、夕方になって友達が帰ってしまった部屋の中で、寂しげに窓の外を見詰め、親の迎えを待っている子供たちの姿を見ると、親の都合に合わせて、子供と親の接するかけがえのない時間が開館時間延長により減ってしまうのではないかという声もあります。子育ちという子供から見た観点で、子供の育つ権利が阻害されてしまうことを懸念されての発言と聞いており、単に反対しているものではないと思っております。 次に、放課後子どもプランを通じて、子供たちがどう育ってほしいのかという御質問ですが、本市といたしましては、年上や年下との異学年交流により、思いやり、我慢、助け合いの心が醸成され、遊びや各種体験、学習活動から子供の健全な成長を願っているものであります。 次に、子供の育つ権利が保障されているかということについてですが、市立保育園でも、全施設で午後六時半、一部は午後七時まで延長しておりますので、このたびの時間延長では、保育園から小学校に上がっても仕事が継続できるようにすることを目指しております。したがって、保護者自身がワーク・ライフ・バランスを考え、子供の健全な育成を十分考えた上で、必要な場合に時間延長制度を利用されることが望ましいと考えております。そして、子供が親と接していたいという子供の権利を尊重する意味で、利用申込時には、勤務地と勤務終了時刻、交通手段及び希望する延長時刻などをお聞きし、利用対象は時間延長を真に必要とする保護者の子供としてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 真に必要な場合というのを、どのように見極めるのかというのがとても難しいところだと思うんですが、今の現状で館長先生方が反対というか、子供たちの育ちについて疑問を感じていらっしゃること、そしてそれを踏まえた上で時間延長をしてしまったときにどうなるのかということは、大変不安に感じるんですが、その辺についてお考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(三井経光君) 堀内教育長   (教育長 堀内征治君 登壇) ◎教育長(堀内征治君) 議員さんのおっしゃっている不安に感じるというところが私自身が十分理解していないで御答弁を申し上げるかもしれませんが、私どもは先ほど申し上げましたように、子育ち・子育ての面から、放課後の健全な育成を図るとともに、保護者のワーク・ライフ・バランスを保つという観点から、要望が非常に多いというところから検討を始めまして、現在平成二十四年度実施に向けて準備をしているところでございまして、この要望に応えるということ、そしてその中で課題が何かということを見極めていくということが重要であるわけで、不安ということよりは、適切に運営していかなきゃいけないということを感じておるところでございます。 以上です。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 適切に運営していくには、館長先生方の御理解を得なければ運営ができないという意味で、私は質問させていただきました。是非御理解いただけるような、そういう話合いなり調整なりをしていただきたいと考えております。 新学習指導要領に掲げる生きる力についてお伺いいたします。 今回の震災でコミュニケーション能力の大切さを改めて感じました。この力こそ生きる力だと私は感じています。この力を付けるには、乳幼児期からの家庭教育と幼児期での幼児教育が基礎を成すと考えています。長野市が考える生きる力とは何か、また教育振興計画を作られておりますが、家庭教育、幼児教育の位置付けとこれらを振興させるための施策について伺います。 また、就学前の幼児教育は、保育家庭支援課が責任を持ってやられると、以前答弁を頂いておりますが、現状はどうかお伺いします。 ○議長(三井経光君) 近藤教育委員会委員長   (教育委員会委員長 近藤 守君 登壇) ◎教育委員会委員長(近藤守君) 今回の大震災では、残念ながら、多くの尊い命が奪われてしまいましたが、他を思いやって生きようとする美しい日本人の姿には心を動かされました。避難所では、被災された方々が老若男女を問わずに互いに声を掛け合い、助け合って復興に向けて前進しようとする姿があります。また、被災地には全国各地から様々な形で応援メッセージが届けられ、震災に立ち向かう大きな勇気を与えております。改めてコミュニケーションの大切さを感じたところであります。 コミュニケーション力は、人が生き抜いていく上で大切な要素と考えております。文部科学省では、今回の改訂学習指導要領で生きる力を、一つ、基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して自ら考え、判断し、表現することにより様々な問題に積極的に対応し、解決する力。二つ目に、自ら律しつつ、他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性。三つ目に、たくましく生きるための健康や体力、すなわち知・徳・体のバランスのとれた力であると示しています。また、長野市が昭和六十二年に策定いたしました教育大綱においては、相互に考えや思いを発表し合い、互いの良さを学び合うことなどを大事に考えており、コミュニケーション力はこの中にも含まれております。 さらに、教育大綱では学校教育で身に付ける力として、深い思いやり、清らかな情操、基礎的な学力、強じんな意志・体力を鍛え伸ばすことを願っており、生きる力とは、他を思いやって生きようとする心や感謝の気持ち、行動力に至るまでのものと考えてございます。このことは文部科学省で言う生きる力と同じものであると思います。 次に、今回の長野市教育振興基本計画の策定に当たっての家庭教育、幼児教育の位置付けでございますが、長野市教育大綱では、家庭教育を教育の三本柱の一つとして捉えております。また、平成十八年十二月の教育基本法の改正におきましても、家庭教育と幼児期の教育が新たに明記されたことから、これからの長野市の教育の振興に欠かせない重要なものとして、教育振興基本計画に位置付けてまいりたいと思っております。 なお、具体的な振興施策につきましては、公募委員を含めた有識者の皆さんによる長野市教育振興基本計画策定委員会に六月下旬以降の審議をお願いしているところでございますので、今の段階では具体的にお示しできるものはございませんので、御理解をお願いいたします。 以上です。 ○議長(三井経光君) 寺田保健福祉部長   (保健福祉部長 寺田裕明君 登壇) ◎保健福祉部長(寺田裕明君) お答えいたします。 幼児教育の担当部署につきましては、保育家庭支援課が対応しております。幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を担うものと考えております。市内に二十八園ある私立幼稚園では、学校教育法に基づき独自の教育理念、目標及びカリキュラムに沿ってきめ細かな教育を推進していただいており、本市では、幼児教育の更なる充実を図るため、幼稚園教諭及び保育士の合同研修を実施するとともに、各種の補助金等の交付により幼児教育の支援に努めております。 今後も、幼稚園と保育所がそれぞれの役目を果たす中で、協力、連携を一層図り、幼児教育に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 是非教育振興計画の中に家庭教育、幼児教育の明文化をしていただきたいと思っております。そして、保育家庭支援課の幼児教育についてですが、全保育園、全幼稚園を回られていらっしゃるのでしょうか。 ○議長(三井経光君) 寺田保健福祉部長   (保健福祉部長 寺田裕明君 登壇) ◎保健福祉部長(寺田裕明君) お答えいたします。 全幼稚園、全保育園を回られているかというお尋ねでございますが、私、今それにお答えする資料お持ちしておりませんので、後ほどお答えさせていただきます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) ある幼稚園の先生からは回ってきていただいていないというお話をいただいておりますので、是非全幼稚園、全保育園回っていただきたいと思います。 その他の質問をさせていただきます。 小田切園の後利用についてお伺いします。 小田切にある小田切園は地滑りのレッドゾーンにあるということで移転されています。社会事業協会の持ち物ではありますが、小田切地区の中核を成す施設であったと認識しています。小田切地区の活性化という観点からも、市としても積極的に後利用を考えていく必要があると考えますが、お考えを伺います。 ○議長(三井経光君) 寺田保健福祉部長   (保健福祉部長 寺田裕明君 登壇) ◎保健福祉部長(寺田裕明君) お答えいたします。 小田切園は園舎の敷地の一部が県の土砂災害特別警戒区域に指定されましたことから、現在の場所では、障害者自立支援法に規定する新体系の施設に移行することができません。このため、平成二十四年四月までに川中島地区に移転することを、既に地元小田切地区住民自治協議会から御了解をいただいております。また、昨年五月に地元地区へ後利用の検討をお願いしましたところ、十一月に利用の意向はないという回答を頂くとともに、後利用を市で探してほしいという要望を頂いております。 これを受け、市といたしましても、行政目的での後利用について、本年二月に開催しました長野市未利用地等有効活用検討委員会に新規物件として提案し、後利用を募りましたが、これまでのところ利用要望はなく、現在保留扱いとなっております。 小田切園の園舎につきましては、土砂災害特別警戒区域内に建物が位置し、後利用は困難でありますことから、今後は同区域の指定から外れております多目的ホール酒井将記念館について、庁内の関係課により後利用を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 寺沢小百合議員 ◆四番(寺沢小百合君) 是非積極的な後利用の推進に取り組んでいただきたいと思っております。 今まで四年間に質問させていただいた中で、検討しますという答弁を幾つか頂きました。本会議での一般質問はインターネットなどを含め公開されていますが、答弁いただく検討しますや研究しますという答えに対しての結果は、公の場で公表はされているのでしょうか。できないと言う代わりに検討しますなどとされていることは決してないと思いますが、本会議という公の場で質問していることに対して検討結果は公表されるべきと考えます。是非そのことを強く要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(三井経光君) 二十一番丸山香里議員   (二十一番 丸山香里君 登壇) ◆二十一番(丸山香里君) 二十一番丸山香里です。 自治基本条例と住民投票について質問します。 自治基本条例は、まちづくりの基本となる考え方や市民、議会、行政それぞれの役割、まちづくりへの市民参加の仕組みや協働の在り方などの基本原則を定めるもので、この条例の中に住民投票制度を規定する自治体が増えています。 現在、本市においては、都市内分権が進められています。長野市都市内分権推進計画には、自治基本条例の制定を目指すことが盛り込まれています。自治基本条例に住民投票制度を規定することについて、市長のお考えをお聞かせください。   (二十一番 丸山香里君 質問席へ移動) ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) 自治基本条例と住民投票についてお答えをいたします。 御質問の自治基本条例につきましては、住民自治協議会に関する条例の制定に向けて研究、検討する中で、市民との協議を重ねて合意された将来の方向性を第二期都市内分権推進計画で明らかにしているところでございます。その内容は、本市においては自治基本条例に定めるべき事項のうち、その時点で必要となる事項について順次定めていくこととし、将来、その集大成として自治基本条例として整備することを基本方針とするものでございます。 協働を含めたまちづくりのルールを定めるに当たっては、市民の皆さんとともに作り上げる過程が重要であります。住民自治に対する市民理解の醸成がその基底を成すものでありますが、現時点においては住民自治協議会の本格活動が緒についたところで、まずはその定着を図ることが重要であり、自治基本条例の検討にはまだ時間がかかるものと考えております。 一方、住民投票に関しましては、自治基本条例の中に定める場合も多く、本年五月三十一日に地方行財政調査会が発行した百九十九都市を対象とした調査資料によりますと、自治基本条例を制定している五十二都市のうち五十都市で、住民投票に関する規定が盛り込まれております。しかし、その内容を見ますと、飽くまでもできる規定となっており、投票資格の範囲や投票の形式、さらには投票結果をどう反映させるのかなどについては、その都度別に定める必要があるとされております。 併せて、住民投票に関する課題として、少数意見の取扱いに慎重を要する必要性や実施に当たっては、多額の費用がかかることも十分考慮する必要がございます。また、住民投票制度創設を盛り込んだ地方自治法の一部改正案に対しましては、全国市長会から住民によって直接公選で選ばれた長と議会の双方が賛成しているものについて、なぜ住民投票に付し、拘束力を持たせるのかなどの問題点が提起されるとともに、更に引き続き慎重に検討すべきとの意見が寄せられているところでございます。 私といたしましても、どんな事案を住民投票の対象にするのか、また首長と議会による二元代表制との関係や整合性等について、現状では市民、議会、行政のいずれにおいてもまだ十分な議論が尽くされていないものと感じており、住民投票については必ずしも自治基本条例に定める必要はないことを踏まえ、今後、更に研究を重ねた上で議論されるべきものであると考えております。 いずれにいたしましても、自治基本条例は行政が主導して制定する性質のものではないことから、今後の住民自治協議会の活動や市民の皆さんの自治意識の高揚などの状況を注視してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 丸山香里議員 ◆二十一番(丸山香里君) 昨年、佐久市では総合文化会館建設の賛否を問う住民投票が実施されました。柳田佐久市長の言葉を御紹介します。 総合文化会館によってもたらされる文化的財産を享受するのも、そのためのコストを負担するのも佐久市民である。そして、間違いなく民意は二分している。決して小さくないイニシャル及びランニングコストを担う覚悟が市民の皆さんに存在するのかどうかを確認しなくては、建設も中止できないという結論に至った。落胆の表情を隠さない建設推進派の皆さんには言葉にならない思いが込み上げた。しかし、住民投票を行ってよかったという思いもある。もし路線を変えず建設していたならば、七割以上の市民が不満を持ち続けるまちになってしまったのであるから。 国の財政状況、今後の人口動態、超高齢社会の到来を考え合わせると、地方財政を巡る環境が極めて厳しい状況に向かう。右肩上がりの時代は、正に正の分配--プラスの分配の時代であったが、これからは負の分担の時代を迎えることになる。そして、その負の分担の担い手は市民であるということは紛れもない事実である。 市民に負担を引き受けていただける条件はただ一つ。市民が納得できる社会となっていることである。納得できない社会において、自分自身への行政サービスの縮小や税負担の拡大、社会保障費の上昇は受け入れられるはずもなく、強引な手法を選択すれば、行政や政治は市民から著しくかい離せざるを得ない。住民投票は今後の日本において欠くべからざる都市機能となることと確信していると述べられています。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、今後二十五年間で長野市の生産年齢人口は約六万人減少します。一日も早くサービスの受け手として要求をするだけのお任せ民主主義から脱却し、受益と負担に責任を持つことのできる市民自治を根付かせるため、市民の手により自治基本条例、そして住民投票条例作りが進められることを心より願っております。 次の質問に移ります。支所機能の充実について質問します。 長野市都市内分権推進計画には、支所機能の充実について方向性が示されています。従来の窓口サービスに加え、地区住民のまちづくり活動を側面から支援できるよう地区活動支援担当を置くこと、相談窓口の充実、住民自治協議会の活動拠点となる事務室や会議室の確保、地区の自然条件、地域特性、本庁からの距離等を考慮して、必要となる支所への産業振興担当や土木担当の配置など、いずれも合併により広い面積を有する本市において欠くことのできない事項であると思います。 しかしながら、今後一層の職員数削減が求められる中、支所機能の充実は大変難しい課題でもあると感じております。どのように対応していかれるのかお考えを伺います。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 支所機能の充実についてお答えいたします。 支所の業務には、住民サービスの基本となる納税証明書や戸籍・住民票の発行、さらには都市内分権を推進するため、住民自治協議会の活動の支援などがございます。また、合併に伴い一部の支所では建設・土木担当、産業振興担当を置き様々な業務を取り扱っております。 支所機能の充実につきましては、住民自治活動の支援を図るため、従来連絡所でありました芹田連絡所外三連絡所を平成十九年度から支所に移行し、併せて正規職員を増員してまいりました。また、地区まちづくり活動に関することを支所の業務に加えまして、支所長を地区活動支援担当職員に任命するなど、支援体制の充実を図ってまいりました。 さらに、住民の皆さんの安全・安心な生活を身近で支える上で、支所の役割が重要であることから、災害発生時における地域の支所支援職員の十分な確保等により、危機管理体制の確保を図るとともに、本庁から距離の遠い支所での建設・土木業務について、拠点化ができないかなどの検討も進めているところでございます。 議員さん御指摘のとおり、行政の効率化に伴う職員の削減を進めてきた中で、支所がより多くの業務を担任する場合には多数の職員配置も想定されるわけでございまして、職員の増員を伴う場合には、慎重にこれ対応する必要があると考えております。 しかしながら、現在の各支所の業務はこれまでの歴史的な経緯や地理的、地域的な条件、また合併後の急激なサービスの低下を防ぐため継続している事務など、支所ごとに業務内容、職員数が異なるのも事実でございまして、住民サービスの公平性の観点からも見直しは必要であると考えております。 いずれにいたしましても、地域の人口、本庁との距離、合併等による地域の特性なども総合的に勘案しまして、適正な職員配置を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 丸山香里議員 ◆二十一番(丸山香里君) 大岡、豊野、戸隠、鬼無里との合併の際に策定された合併建設計画には、市民にとって最も身近な行政主体である支所の利便性の向上が求められています。必要かつ合理的な機能を備えた組織を構築し、庁舎を計画的に整備することにより、市民の利便性や地域の拠点性の向上を図りますという方針が示され、合併特例債を活用して行う事業として、支所庁舎整備事業と明記されていました。 この支所庁舎の部分を本庁舎と読み替えることにより、市役所第一庁舎の建て替えに合併特例債を活用することが可能になるとの御説明をいただいておりますが、今後の支所庁舎改修の予定と、その財源についての計画を伺います。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) お答えいたします。 今後の支所庁舎の改修としましては、旧耐震基準である昭和五十六年以前に建設された支所について対応を考えているところであります。対象となる支所は八支所であり、そのうち、柳原支所は平成二十二年三月に建て替えが完了し、大豆島支所は平成二十五年四月の供用開始を目指して建て替える計画であります。いずれも、合併特例債を活用して事業を推進しているものでございます。 残る六支所は、篠ノ井支所、七二会支所、中条支所、若槻支所、更北支所、芋井支所でございますが、原則として、一つには建設年数の古い順、二つには、耐震診断結果による緊急性を考慮して、建て替えるのか耐震補強にするのか、計画を立ててまいります。 加えて、時期をどうするのかという点では、施設の耐用年数を考慮し、耐震補強と建て替えとが二重投資にならないよう、そして、これから本格化する大規模プロジェクトの状況も考えて判断してまいります。そのための財源につきましては、建て替え等の時期に利用できる最も有利な起債の他、国の支援等を検討してまいります。 また、これら支所は、公民館が一体となっている場合や隣接して市民会館や体育館、集会施設がある場合、農協やその他の団体と一緒になっている場合など、改修に当たっては、支所単体ではなく周辺施設の状況を考慮する必要もあります。 いずれにいたしましても、支所は、災害が発生した場合に現地本部となることも想定される施設ですので、引き続き耐震診断を実施し、早目に改修計画を策定して対応してまいりたいと考えております。 なお、先ほどの御質問の中にありました第一庁舎への合併特例債の活用についてでありますが、合併建設計画に記載されている主要事業の支所庁舎施設整備事業の支所庁舎部分を本庁舎と読み替えて合併特例債が活用可能となるものではありません。本文に庁舎を計画的に整備すると掲げてありますので、本庁舎を含めて合併特例債を活用して整備していくものであります。 主要事業にある支所庁舎施設整備事業は、飽くまで例示で記載してあるものでございます。 以上です。 ○議長(三井経光君) 丸山香里議員 ◆二十一番(丸山香里君) 東日本大震災の被災地へ行かれた方から、災害直後の情報収集が大きな課題であったと伺いました。本市の面積や地形を考えますと、災害時にやはり情報収集というのが難しくなってくると思います。災害があった際に現場に近いところで判断し、対処できる体制が必要です。 また、住民の健康状態や特別なケア、配慮が必要な方への対応など、地域の実情を把握している保健師さんやケースワーカーさんの存在が重要であると実感しています。日頃、支所など住民に近いところに保健、福祉などの相談や手続ができる体制を整えておくことが日常の市民生活を支え、災害時に市民を守ることにつながります。 本日の御答弁の中で、支所機能について検討中であるとのお話がありました。災害時、現場に近いところで判断や対処ができる体制づくり、保健、福祉の相談手続が身近なところでできる体制づくりについてどのように検討されていくのか、今のところ分かる範囲で構いませんが、御見解を伺いたいと思います。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) ただ今の御質問でございますが、今検討を始めたということでございます。やはりこれ、住民自治協議会ですとか地域の皆様方との御協議とかはやはり必要だと私ども思っております。先ほどの効率的な部分ということも、これまた私ども行政としての責務ではございますけれども、その辺の折り合いといいますか、兼ね合いは慎重に検討してまいりたいと思っております。よろしくお願いします。 ○議長(三井経光君) 丸山香里議員 ◆二十一番(丸山香里君) 御答弁ありがとうございました。 今の御答弁を聞いていましても、やはりこれから財政が厳しくなる中で、でも市民の生活は守らなくちゃいけないということで、本当に市の職員の皆さんにも御苦労をいただいているなということを日頃感じております。 その中で、先ほども申し上げましたけれども、市民の側もやはりこれからどんな時代が来るのかということをしっかりと行政の皆さんと、あと議会と市民の皆さんで情報を共有して、その中で一番良い道を探っていくという姿勢が本当にこれから欠かせない、それなくしては今までと同じ環境を望むべくもなく、どんどん経済もしぼんでいってしまいますし、住民のサービスも守れないと思います。 本当に市民自身が必要な情報を得て、いろんなことを判断していける、そういう状況をこれから作っていくことが必要と思っていますので、またそういったお話を市長さんや議会の皆さん、それから市民の皆さんとたくさんお話をしていければいいなと思っております。 どうもありがとうございました。 ○議長(三井経光君) 十一番野本靖議員   (十一番 野本 靖君 登壇) ◆十一番(野本靖君) 十一番、新友会野本靖でございます。 大震災から三か月、いろいろなことが一変し、発想の転換が必要であると感じています。阪神・淡路大震災、小千谷での災害、昨年の信更、信里豪雨災害等を経て、改めて世界中の地震の一割がこの日本で起こっている災害大国であることを痛感いたします。多大なる犠牲を払ったのですから、せめて今回の大震災から一つでも多くのことを学び、本市の今後に生かしていくことが私たちの責務ではないかと感じております。そこで幾つかお伺いいたします。 まず、上下水道関連の耐震化と井戸活用についてであります。 昨年十二月議会で質問させていただきましたが、耐震化率三割を切っている部分もあり、そんなに低いのかという感想を持ちました。今回の例でも、生活用水も含め給水車では限界があり、日本地下下水学会会長でもある藤縄信州大学工学部教授も井戸の活用を提唱しておられますが、本市としての考え方は。また、ソフト面も含め地域コミュニティ醸成にもつながる井戸登録制度について、こちらも本市としての考え方をお伺いいたします。また、水道管埋戻しの際、使う砂によって液状化の原因となり得るということを聞いておりますが、本市の状況をお聞かせください。   (十一番 野本 靖君 質問席へ移動)
    ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 井戸の活用と登録制度についてお答えを申し上げます。 大規模災害発生時には、現在、上下水道局及び県企業局で貯水槽の三か所、配水池が二十一か所において、合計で最大五万二千五百九十立方メートルの水道水が確保されておりますので、仮に全ての浄水場の運転が停止した場合でも、飲料水及び洗濯や入浴を除いた生活用水につきまして、市民全員の約一週間分の水道水を確保することができることになっております。 御質問の井戸の活用につきましては、災害時に病院で使用する地下水の余剰分を地域で利用できるように、地下水の供給に関する協定を地域と病院と市、三者において締結している事例がございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、水道水の確保はある程度できておりますので、個人の井戸を災害時の協力井戸として市に登録して活用することは、今のところ考えてはございません。 また、個人の井戸の活用につきましては、それぞれの地域におきまして、地域の防災マップ等に記載して活用していただければ、議員さん御提案のように、一層コミュニティが向上し、緊急時の対応、それから防災意識の高揚にも役立つものと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 小山上下水道局長   (上下水道局長 小山和義君 登壇) ◎上下水道局長(小山和義君) 私からは、水道管の埋戻しの際、砂を使用することによる液状化についてお答えをいたします。 この度の大震災で、各県で液状化現象による被害が報告されております。一般的に液状化現象が起こりやすい地盤と言われているのは、海岸や川のそばの比較的地盤が緩く、地下水位が高い砂地盤の地域などであります。 当市においての水道管埋設状況は、地下水より浅い位置に埋設され、砂は管防護のため埋戻しの一部に使用しております。 このような現状から、地震時において液状化現象が起き、水道管に被害が及ぶ可能性がある地域は市内にございますが、水道管の埋戻しに使用する砂が原因で液状化現象が誘発されることはあり得ないと考えております。 私からは以上です。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) 井戸の活用については、住民自治の部分で啓もうも含めて、また考えていただければなと思います。 それと液状化については、そういうことはあり得ないと言っていただいたんで、大変安心をしました。 次に、私自身、犀川堤防から非常に近いところに実家があるわけでございますが、かつて善光寺地震の際、今の信更町湧池に天然のダムができてしまい、二十日後に決壊、その水が一気に下流に流され、川中島から篠ノ井、松代にまで水が達し、旧四ツ屋村などはほとんどの家が流されてしまったそうで、今もその傷跡を見ることができます。 その後、上流にダムが幾つもでき、堤防も築かれ、護岸工事も行われ、当時と同じ状況になることはないと考えておりますが、正に想定外のことも考えますと、不安を覚える部分もあります。また、避難場所である三本柳小、篠ノ井東小など、ハザードマップで浸水地域にある小学校は市内で十九を数えます。これら市内の避難場所も不安を感じざるを得ません。 今回の東日本大震災は、正に想定外の事態と言われていますが、善光寺地震では震度七、東日本大震災、阪神・淡路大震災でも震度七を観測していますので、震度七は一つの目安として想定されることと思われます。本市の様々な災害対策が震度七で起こり得ることを想定しているかどうか、お聞かせください。 また、開発について、時に民間主導ではいけないのではないか、また、ハザードマップと都市計画はどうリンクしているのか、お聞かせください。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 市では、市内の学校や地域体育館などを中心に百六十一か所を避難場所と指定しております。このうち浸水が想定される地域内には三十二か所の施設を指定しておりますが、避難場所については、水害の他、地震災害等にも対応する施設ということでございますので、浸水想定区域内ではありますが、指定をしている現状でございます。 こうした地区におきましても、浸水が想定されない避難場所が幾つかございますので、あらかじめこれらの施設を確認していただき、各地域の自主防災会の防災計画等へも反映していただきますよう、私ども機会を通じてお願いをしておるところでございます。 次に、災害対策が震度七で起こり得ることを想定しているかとの御質問でございますが、現行の地域防災計画におきましては、最大震度六強と想定した計画となっております。この想定震度の根拠といたしましては、過去に発生した地震として最も大きな被害であったと推定される善光寺地震と同じタイプの直下型地震を基礎データとしておるところでございます。 なお、本年度実施しております地域防災計画の見直しに当たりまして、糸魚川・静岡構造線断層帯による地震の被害想定を加えるとともに、今回の東日本大震災からの得られた教訓、それから国、県からの見直しの指示につきましても、検討することとしてございます。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 原田都市整備部長   (都市整備部長 原田広己君 登壇) ◎都市整備部長(原田広己君) 私から、ハザードマップと都市計画はどうリンクしているのかとの御質問にお答えいたします。 本市では、洪水ハザードマップに示された浸水想定区域内での建築、開発や土地利用等に関し、都市計画上特別な規制は行っておりません。しかしながら、千曲川や犀川の沿川で、浸水の深さが大きいと想定される区域の大半は、市街化調整区域や農振農業地区域となっており、市街化を抑制すべき区域として建築、開発に対して一定の制限が加えられている状況であります。 また、犀川、浅川、岡田川などの市街化区域内の一級河川沿川及び千曲川沿川の既存住宅地域などでは、一度想定された河川の氾濫が起きると、甚大な被害をもたらすことから、国、県の河川管理者に対し、未整備区間の早期整備を要望するとともに、市民の皆様には、日頃から災害時の人的被害を防止するため、早期に避難行動が起こせるよう、ハザードマップの活用をお願いしているところであります。 加えて、災害時の避難道路となる都市計画道路や避難場所となる都市公園についても、都市の防災機能の向上を図るため、計画的に整備を進めております。市といたしましては、今後とも災害に強い都市計画の実現に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) 想定外ということがまずないようにということと、なかなかこれは最終的に不安をあおるようなことばっかり言ってもしようがありませんので、都市計画の部分も含めて、今回の震災でいろんなことが一変したということを含めて、よろしくお願いいたします。 続きまして、現在、全国の十三・一パーセントが空き家となっているという統計があります。実際、私も各地域を歩いていると、空き家が増えてきていることを実感し驚かされます。実際お住まいになられていた高齢者の方が住まなくなり、お子さんは遠方にお住まいを構えておられ、取り壊すにも金銭的負担が大きかったり、先祖から受け継いだ土地、家屋を簡単に手放すことができずに、何年もの間、空き家として放置されてきているところもありますし、そのような家が増えてきていることも事実です。 空き家が増えますと、手入れが行き届かなくなり、環境衛生面での問題も多くなり、さらに防災、防犯等安全面の問題、さらにはまち自体のイメージダウンにもつながり、地価の下落、ひいては長野市のブランドイメージの低下を招き、これからの縮小社会の中で本市にとって非常に大きな問題だと考えます。 埼玉県所沢市、富山県の滑川市などでは、空き家対策の条例が制定されているそうです。また、石川県金沢市においては、空き家対策特別委員会が設置されているとのこと。さらには、お一人で暮らしておられる高齢者の方からも同じように、大きな家に一人で住むのは心配、高齢者専用の住居に住むことも考えているが家を手放すことへの不安や家を売ったり、取り壊したりする事務手続や金銭的な問題も多く、なかなか踏み切ることができないといった声も聞こえてくるときがあります。 そういった空き家、若しくはおひとり暮らしの高齢者の方に対しては、個人の管理を超え、市として何らかの対策が必要になってくるのではないかと考えますが、費用補助も含めた市のお考えをお聞かせください。 ○議長(三井経光君) 鷲澤市長   (市長 鷲澤正一君 登壇) ◎市長(鷲澤正一君) まず、空き家対策についてお答えをいたします。 平成二十年度住宅土地統計調査によりますと、全国の空き家率は十三・一パーセント、空き家戸数は七百五十六万戸、長野市については十四・〇パーセント、二万三千戸となっております。 御指摘のとおり、空き家が放置され、管理が不十分になると、建物の老朽化等により地震や台風などで倒壊したり、屋根瓦等が飛散したりして危険な状態になるとともに、不特定者の侵入により、火災や犯罪が誘発されるおそれも出てまいります。本市では、中山間地域や中心市街地を中心に高齢化の進行や人口、世帯数の減少に伴いまして、空き家に関する問題も増加しております。 こうした中、老朽化等により周辺住民の生命の安全に影響を及ぼすおそれのある建物につきましては、建築基準法に基づき所有者に対し、適正に維持管理するよう指導しております。 また、空き家等の取壊しや住宅の新築、リフォーム等に伴う問題については、現在、民間団体に派遣の御協力をいただき、建築士の資格を持った住宅相談員による住宅相談窓口をもんぜんぷら座で週一回開設しております。 次に、ひとり暮らしの高齢者の方に対してでございますが、本市の災害時要援護者台帳では、ひとり暮らしの高齢者の方は、平成二十二年七月一日現在で八千五百六十三人が登録されております。そのうち、御自分で一軒家でひとり暮らしをされている方がどのくらいいるのかは把握しておりませんが、住居について将来的な不安を抱えて暮らしている方も多いことと思います。 高齢者の心配事につきましては、日頃から各地区の民生委員さんの訪問活動等で御相談に応じていただき、内容によって所管する行政の担当部局へつないでいただいております。また、高齢化により判断能力が不十分となり、財産の管理や処分、各種手続などの法律行為を自分で行うことが困難となった方や、将来の判断能力の衰えを御心配されている方につきましては、法的に保護、支援することのできる成年後見制度がございます。本年度から長野市社会福祉協議会に成年後見支援センターを開設しておりますので、御利用いただきたいと思います。 御質問いただきましたひとり暮らしの高齢者の住宅の売却や取壊しなど、個人の財産処分に関することにつきましては、まずは親族の方等に対応していただくことであります。行政が処分のための費用補助などを支援を行うことは、高齢者に限らず、現在のところ困難なものと考えております。 まちづくりにとって、こうした空き家の解消は重要な対策であると認識しており、お示しいただいた滑川市のように老朽化などによる危険な空き家に対して、所有者から市に建物及び土地の寄附がなされたものについて、市の負担で当該建物を除却できるとする事例もあり、今後、本市としても効果的な空き家対策について調査、検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、当面は地元自治会等の協力により、情報を得ながら建築基準法に基づく指導とともに、住宅・不動産関連業界やNPO等とも連携した情報提供、相談体制の更なる充実を目指してまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) その上でですね、例えば独居者には住み替え支援などが必要なのではないか。個人の所有権等の課題、あるいは国の法律の問題等多々あると思いますが、これらのことはむしろ現場を知る基礎自治体が主導して建て替え、住み替えを支援し、逆に例えば住居で困っている若者やファミリーを呼び込む方向につなげていけるのではないか。 また、二〇〇〇年、借地借家法改正による定期借家制度創設に伴い、これまでの借り手保護から貸し手に対する保護も加味されたとのこと。それらのことはまだまだ周知されていない部分があり、固定資産税の納税通知書にお知らせを入れるだけでも、賃貸中古住宅の流通促進につながるのではないか。また、これからの市営住宅を考えたときに、介護棟を造ったり、高齢者用の共有スペースなどを設けたり、カーシェアリングを設けるなど、新しい住み方、暮らし方に合わせた住居政策を考える時期に来ているのではないか。 そうした根本的な新しいまちづくりの発想が必要と思うのが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 倉澤建設部長   (建設部長 倉澤 孝君 登壇) ◎建設部長(倉澤孝君) お答えします。 まず、独居者の住み替え支援につきましては、御指摘のとおり、大きな家に高齢者が一人で住んでいたり、一方では、子育て世帯の若者が狭い住宅に暮らしている状況もあり、住宅と世帯のミスマッチ状態の解消が課題となっております。 このような対策として、国土交通省は平成十八年度から高齢者等の住み替え支援制度を行っております。これは移住・住みかえ支援機構が五十歳以上の高齢者等の持ち家を借り上げて、子育て世帯に転貸する仕組みでありますが、いまだ認知度が低く利用されていない状況でございます。 次に、定期借家制度につきましては、これは契約期間の満了時に更新がなく、貸し手の都合で契約期間が決められる制度であり、市民への周知を図ることにより、空き家が非常に多い賃貸中古住宅の流通促進につながるものと考えておりますが、御提案の納税通知書にお知らせを入れることにつきましては、記事を入れるスペースがないこと、納税義務者に直接の関係がないことや該当者が極めて少ないと考えられることから、困難と思われます。 いずれの制度につきましても、広報ながのやもんぜんぷら座の相談窓口等で積極的に市民への周知に努めてまいりたいと考えております。 次に、市営住宅の施策の現状につきましては、老朽化した住戸の建て替え事業や居住水準の向上を図るストック改善事業がありますが、高齢化に対応した施設の設置等は、現在対応していないのが実情でございます。 しかし、今後の建て替え事業について、国の公営住宅建替事業における助成要件によれば、百戸以上の大規模団地については、原則として保育所又は高齢者施設等の併設を行うこととなっており、本市としても、この方針に基づく建て替えを検討しております。 御指摘の介護棟と高齢者の共有スペースにつきましては、市営住宅に併設する場合には、周辺の同様な施設の設置状況や地域の要望等を踏まえ判断してまいりたいと考えております。 一方、カーシェアリングは近年注目を集めているシステムで、マイカーを使用した場合と比較して、環境に優しく経済的なメリットもありますが、現在は人口密度が高い大都市圏でしか営業されていないことから、採算性等の面で地方都市の市営住宅への導入は困難と思われます。ただし、今後、事業者からの提案があった場合は、採用について検討してまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 議員各位にお諮りいたします。本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長したいと思いますが、これに御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(三井経光君) 異議なしと認めます。 よって、本日の会議時間は延長することに決しました。 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) 先ほどの空き家の件から始まってですね、これからのまちづくりということで、非常にこれ多岐にわたっておりますし、なかなか一自治体だけではという部分あると思いますが、まず一つに、今回東北がこれから復興していく中で、こういった新しい形の住宅というのは恐らく出てくると思いますし、そんなのを参考にしていただいたり、あるいはもちろん国があってのものだとは思いますけれども、是非ですね、私、自分も含めてですけれども、長野市は中核市でございますし、ある程度、もちろん国の方針に従いながらも、独自性というかそういう部分も出していけるように、私自身も一生懸命やっていきたいと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。 続きまして、防災のソフト面について伺います。 まず、地域防災会議のメンバーについては先ほど質問ございましたので、これは割愛いたします。いずれにしても、地域住民の方と情報を共有して認識を一致させていただけるようによろしくお願いしたいと思います。 次に、都市間の応援協定、本市においては、町田市、富山市、上越市の三市と協定を結んでいると認識しておりますが、甲府市は九十六市町村、松本市は四十一市町村と結んでいると聞きました。数多く結べばいいというものではありませんが、もう少し数が多い方がいいと思いますが、御所見をお伺いいたします。 また、防災文化継承、これも以前の議会で申し上げましたが、住民自治協議会同士の例えば中山間地域同士又は中山間地域と都市部、有事の際、お互い助け合う協定のようなものが必要ではないかと思いますが、御所見をお伺いします。 自助七割、共助二割、公助一割とはいいますが、こういった住民自治協議会同士の交流については、ある程度行政が先導すべきと思いますが、お考えをお聞かせください。あるいは、昨年の信更、信里地域の皆さんの被災した体験談などを各住民自治協議会の皆さんが聞くようなことをすべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) それでは、私から、都市間の応援協定についてお答えをさせていただきます。 本市におきましては、平成七年に東京都町田市、新潟県上越市、富山県富山市と、災害時における相互応援協定を締結しております。また、その後平成八年には、県内の全市町村同士が長野県市町村災害時相互応援協定を締結し、現在では、県内七十六の市町村と災害時の相互応援体制を構築しております。さらに、平成十三年七月には、全国の中核市が中核市災害相互応援協定を締結しまして三十九の中核市と協定を締結しております。これによりまして、現在応援協定を締結している市町村の総数は百十八市町村になっております。 なお、東日本大震災におきましても、中核市相互応援協定に基づき岩手県盛岡市と福島県いわき市へ救援物資の支援を行っております。 今後、更に応援協定が必要であると判断される場合には、個別に協定の締結を検討してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○議長(三井経光君) 篠原地域振興部長   (地域振興部長 篠原邦彦君 登壇) ◎地域振興部長(篠原邦彦君) 住民自治協議会がお互いに助け合う協定などの御質問にお答えをいたします。 市内の三十二地区は、それぞれが地域としての特性や課題を持っており、各住民自治協議会においては、まずは住民による自治活動を通して、地域づくりや課題解決に取り組んでいただいているところであります。その一方で、地区同士が顔を合わせて交流することによって情報や悩みを共有し、お互いを理解し合うことで、それぞれの地区活動の充実、発展だけではなく、市全体としての自治意識の高揚にもつながっていくものと考えております。 市では、定期的に開催をいたします住民自治協議会連絡会終了後の時間を活用し、地域特性に基づく四ブロックごとの情報交換会を開催し、お互いに情報を共有できるようコーディネート役を務めているところでありますが、現実にはこれを上回る勢いで、自主的かつ自然発生的な形で地区間の交流が活発に行われております。 この交流の形態といたしましては、定期的な連絡会議や情報交換会の開催、研修を兼ねた他地区への視察訪問、中山間地域でとれた農作物を都市部で販売したり、裾花川の下流に住む住民が上流地区の森林整備事業に参加するなどの交流や取組が行われております。 御質問いただきました有事の際に、住民自治協議会同士が助け合う協定についてですが、住民の皆さんには、災害が発生した際には、まずは御自身や御家族の生命を守っていただき、次に自主防災組織など身近な住民同士の助け合いに力を貸していただくことが有効であることや、地区間で応援が必要となるような大規模災害においては、行政が責任を持って災害対応のイニシアチブをとるべきであることなどから、住民自治協議会同士の災害応援協定といったことは、現在のところ考えておりません。 しかしながら、将来的に住民自治協議会が十分に成熟した際には、住民の自主的、自発的な活動として地区を越えた災害時の相互の支援などに取り組んでいただくことも期待できるのではないかと考えております。 次に、昨年の七月十六日の豪雨災害につきましては、その後、十一月に開催をいたしました住民活動フォーラム二〇一〇において、信更地区に体験発表をしていただき、市内全地区で情報共有を図っております。また、信更地区には、今年度の地域やる気支援補助金においても、当災害に関する経過や対応をまとめる豪雨災害記録集刊行事業を御提案を頂きまして採択をされ、既に刊行に向けた準備が進められており、地域防災力の向上に向けて価値のある資料になるものと期待をしているところであります。 いずれにいたしましても、それぞれの地区が自分たちの地域は自分たちでつくるという意識で取り組んでいただくことを前提とし、更にお互いをよく知ることで、市全体のまちづくりの気運を高めることができるよう支援をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) 防災に限らないんですけれども、今活発に交流されているということで、ますますですね、ブロックにとらわれずに、例えば私、川中島なんですけれども、比較的更北や篠ノ井の皆さんとはいろいろと交流があっても、なかなか全ての方はという部分もあるようなんで、そんなことを含めてですね、これも一つの今回の震災をきっかけにして、交流を促進するようにお願いしたいと思います。 続きまして、ある自治体の自治会、これは兵庫県加古川市内にあるマンションの自治会だそうですが、防災チャンピオンマップといって、自治会内の医師、看護師、大工、ガス・水道工事有資格者、老人介護歴キャリア、果てはインターネットが得意、子守りができる等、自分の資格、特技を登録制にし、自治会内で情報を共有するということをやっておられるそうです。これは災害発生時、被災したときに住民の方々の特技や資格を生かし、自助協力を積極的に行おうというものです。 阪神・淡路大震災でも、コミュニティ活動が活発な地域において救出された人の数が多かったというのが貴重な教訓ですというようなこともあります。私自身も阪神・淡路大震災を被災しましたが、このように、一つにはこういった活動を通じ、コミュニケーションを図り、地域のきずなを高めていくこと、二つ目には、有事の際に、適材適所に対応をすることで、迅速な救助活動を行うことができると思いますが、本市としても、こうした登録制度を取り入れることを提案しますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 企業において、機能別の機械や能力を有する団体や企業が、その能力などを活用して災害対応活動を行う機能別消防団というものが知られておるわけでございますけれども、個人の特技や技能を持って社会参加の機会が拡大できるような動きは、地域における自主防災活動にも、議員さんおっしゃるように当てはまるものであると考えております。 しかしながら、個人の資格や特技の情報の取扱いに当たりましては、多くの個人情報が含まれますので、それらを各地区においていかに管理し取り扱っていくか、登録する組織であります住民自治協議会などで十分検討を行っていただく必要があると思います。住民同士が納得するまでしっかりと協議をしていただき、それぞれの組織において合意を得た上で登録などを行い、例えば防災マップなどと併せて有事の際に御利用いただくことが適当なのではないかと考えております。 今後、市といたしましても、それらの個人情報の取扱方法などにつきまして、地域へ情報提供するなどして、御支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) 個人情報ということでいろいろと難しい部分あると思うんですけれども、こちらもやはりまた今回の大震災ということを一つのきっかけにして、この二十年、三十年の中ではなかなか難しいなと思っていたことでも、またそういった発想を持ってお願いをしたいと思います。 続きまして、災害時地域にいる人はどんな人かと考えたとき、大人は職場が離れていたり、いろいろな状況の中で、中学生が少なくとも地域にいる確率が一番高い。今回の震災でも、ある東北の中学校においても、中学生によって大分助けられた部分があったそうです。もちろん中学生に多くのことを強いるということではありませんし、中学生というのは本来守られるべき存在でございますが、結果的に地域にいる準大人としての中学生が何らかの役割を担える存在であり、頼れる存在になる可能性は大きいと考えられます。 中学生自身が自分の命を自分で守るためにも、学校や地域で行う避難訓練はもちろんこと、地域の自主防災に参加をしてもらったり、また消防団の皆さんに準ずるような教育・訓練を行うことは意義のあることと考えますが、御所見をお伺いいたします。 ○議長(三井経光君) 小林総務部長   (総務部長 小林隆之君 登壇) ◎総務部長(小林隆之君) 今回の東日本大震災は、想定を超えた自然災害でありまして、その被害は甚大であったわけでございます。こうした状況において、学校が被災地域の核となり、住民の命と生活を支えていること、また、その学校において中学生が自主的に自分たちができることに取り組んでいることが伝えられております。 大変心打つものがあり、深い感銘を覚えるわけでございますけれども、被災地で暮らす同じ年代の子供たちがそういう取組、活躍をしていることを知ることは、本市の子供たちに自分たちならどのようなことができるのか、どのようなことをしたいのかを考える機会を与えてくれていると思います。 一方、義務教育段階にいる中学生に対しまして、地域の自主防災活動に参加したり、消防団に準ずるような教育や訓練をしたりすることは、実際には困難ではないかなと思われますが、そうした活動の目的や実際の様子を知ることは、大変意義深いと思います。 中学生には、まず防災への日常的な備えや的確な避難行動ができるようにするとともに、学校や地域の防災、災害時のボランティア活動の大切さについて、自分たちの問題として考えていく学習が大切であると思います。そのような学習を通して、地域の一員としての自覚が芽生え、将来の実践力につながっていくものと考えております。 以上でございます。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) これは最終的に教育委員会の方の話にもなってくるかとは思うんですけれども、今、部長さんおっしゃられた部分ではございますが、先ほど申し上げましたけれども、飽くまでも守られるべき存在でございますし、おっしゃるとおり義務教育うんぬんということでございますが、今後、またそういったことを含めて、先ほど検討うんぬんというお話ありましたけれども、是非とも本当に検討していただきたいと思っております。 続きまして、エネルギー政策の観点で、ペレットストーブが見直されております。灯油一リットルとペレット二キロの単価が大分近付いてきたこともあり、今後、ますます普及させるべきだと考えますが、ストーブ購入費用又は煙突設置工事等に対する補助の現状、あるいは今後の予定について御所見をお聞かせください。 ○議長(三井経光君) 樋口産業振興部長   (産業振興部長 樋口 博君 登壇) ◎産業振興部長(樋口博君) ペレットストーブ関連についてお答えします。 平成二十年度に県の森林税活用事業として、ペレットストーブ又はペレットボイラーの購入経費に対する補助を実施いたしました。平成二十一年度からは国の補助金を財源として、現在補助を行っております。ストーブ本体の購入経費を対象にしまして、一台十万円を上限としまして補助を行っておりますが、煙突設置工事費については補助の対象外とさせていただいております。平成二十年度に四台、平成二十一年度及び二十二年度にそれぞれ十台ずつが導入されておりまして、本年度も十台を予定しております。 しかしながら、現在の国による本補助事業につきましては、本年度をもって終了するということになっておりまして、平成二十四年度以降の補助事業の実施については、現在のところ未定でございます。 一方で、ペレットストーブの普及によりますペレット燃料の需要拡大につきましては、間伐によります森林整備を促進いたしますし、そのことによりまして林業振興が図れるということと併せ、木質バイオマス利用による低炭素社会の実現の観点からも大変重要であると考えております。 今後、本制度の利用状況ですとか、国や県の動向を注視いたしまして、補助事業の継続について検討してまいりたいと考えております。併せまして、ペレット燃料の販売価格の値下げの方策につきましても、事業者と共同で研究してまいります。 以上です。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) 今議会でもエネルギー政策ということで、いろいろな意見も出ております。その中の一つということでまたよろしくお願いをしたいと思います。 それでは、その他ということで新規就農者支援事業と、ちょっと済みません、これまとめますけれども、あと農家民泊についてちょっとお伺いをいたします。 まず、新規就農支援事業については、現在一期生六名が決まったということで、今、実際に始まっているということで、また農家民泊についても、先日、信更に来ておられたところを見させていただいたんですけれども、大阪の中学生がちょっと見えていたんですけれども、未来ある中学生がそういったことで、長野市との縁を築いて、どうも聞くところによりますと、そういうことがきっかけで信州大学に入学されたりということもあるそうで、また将来移住を考えたり、あるいは第二の心のふるさととして思ってくれれば、大変すばらしい事業だなということを感じました。 今回の震災をきっかけにして、この信州長野県、また長野市というのが改めて見直されている部分があると思いますし、また農業というものについても、見直されている部分があるのではないかと思います。是非ともこういったすばらしい事業をますます進めていただいて、またこの未来の長野市に夢のある事業だと思っておりますので、取り組んでいただきたいと思っておりますが、細かい数字とかは結構でございますので、ちょっとその辺の思いも含めてお伺いできればと思います。 ○議長(三井経光君) 樋口産業振興部長   (産業振興部長 樋口 博君 登壇) ◎産業振興部長(樋口博君) 農家民泊につきましてお答え申し上げます。 小中学生農家民泊誘致受入事業につきましては、都市部の住民と中山間地域の住民との交流によりまして、地域を活性化するということで、地域の団体が受入れを実施しているものでございます。 本市では、補助金を交付して取組を支援しております。平成二十二年度には四地区で全体で十二校、八百四十二人を受け入れておりまして、二十三年度本年度につきましては、六地区、四千四百人ということで、大変多くの皆さんにおいでいただけるような状況になっております。 そうした状況の中で、本市では受け入れた方の安全の確保ですとか、質の向上を図るということでガイドラインを定めまして、安全な受入れについて御指導を申し上げているという状況でございます。 課題が幾つかございますけれども、高齢化と人口の減少に伴いまして、地区によっては受入農家の確保が大変困難な状況になってきているという状況でございまして、余裕を持った計画的な受入れが行えるような体制づくりが必要だと考えております。 今後につきましては、更に戸隠、七二会地区でも準備のための受入組織の準備が今、進んでおりますので、更なる実施地区の拡大について推進していきたいと考えております。 今ほど議員さんおっしゃいましたように、都市住民が長野市の魅力を感じて進学や更に定住につながっていければ、地域が大変に活性化されるものでございますので、受け入れた小・中学生にとって有意義な体験となるように、地域の民泊受入れの会を支援してまいりたいと考えております。 新規就農者の関係につきましても、本事業につきましては、市内外から就農希望者を募りまして、農業の担い手を確保・育成するために本年度からスタートするものでございまして、進捗状況でございますけれども、四月に第一回の募集を行いました。六月一日に農業委員会ですとか、農協の関係機関で組織する審査委員会で個別面談を実施いたしました。六名の研修費助成の交付対象者を決定したところでございます。 七月及び来年一月にも募集をする予定となっておりまして、広報ながのですとか、農協の広報紙、それからポスター、チラシの配布の他、新規就農相談会、これは東京、大阪で開催されるのですが、新・農業人フェア等を通じて広くPRしてまいりたいと考えております。 課題と今後の予定についてでございますが、新規参入者は農地や住宅の確保、準備が課題になると思われますので、農業委員会、それから農業公社、農業関係機関によって設置されております新規就農者支援会議が中心になりまして、研修期間中に営農の準備やアドバイスを行う情報交換会などを定期的に開催して、新規就農を目指している皆さんを支援してまいりたいと思っております。 また、新規就農者による組織としてながの農業再生塾を設置いたします。一期生、二期生というような形にすることによりまして、就農に伴います悩みなどを相談する仲間づくりの機会を設けていきたいと考えております。 定期的な意見交換会や活動報告会等の開催によりまして、相互の連帯感を醸成するとともに、今まで市の就農促進奨励金の受領者、これは農業委員会の皆さんの方から御推薦いただきまして、十万円ほどの保証金を差し上げているんですが、この皆さんが中心になって、長野市農業青年協議会を組織されておりますので、こことの交流会でありますとか情報交換会も開催してまいりたいと考えております。 本事業によりまして、就農した人たちが中心になって長野市の農業を再生していくと、そういう農業政策の目玉事業でございますので、今後も新規就農者の確保、育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(三井経光君) 野本靖議員 ◆十一番(野本靖君) それぞれ御答弁いただいてありがとうございました。 最近、つくづく改めて長野市というのは、世界的に見ても非常にブランド力のあるところだなということを私感じております。ですので、これ私、自分自身も含めてですが、是非とも自信と誇りを持って、これから取り組んで、私もいきたいと思いますし、皆さんにもお願いをいたしまして質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(三井経光君) 本日の会議はこの程度にとどめ、明十八日及び十九日の二日間は休会とし、次の本会議は二十日午前十時から開き、市行政事務一般に関する質問を行います。 本日は、これにて散会いたします。   午後五時六分 散会...